アイデア発散・収束法

03 ゴートン法 <発散(アイデア発想)法>

発散法の概要

ブレーンストーミングでは検討テーマを参加者に事前に明確にするが、ゴートン法ではあえて検討すべき本当のテーマは伏せたままブレーンストーミングを実施する発想法となります。

本当のテーマは伏せるものの、検討して欲しいテーマは明確に伝えると言う点では同様です
(違いは目的そのものを検討してもらうか、目的の一部を検討してもらうかの違い程度)。

本来目的とする検討テーマを隠すことによって、参加者の検討の視野や思考が”一般的な常識”などに縛られ、斬新なアイデアが出難くなることを回避できるという効果が見込めます。

例えば、”新しいカレーライスの商品アイデア”を検討する場合、これを明示するとカレーライスを前提とするアイデアばかりが出やすいが、これを伏せて”食べ物(あるいは食品)につける新しい匂い・香りのアイデア”の検討を進めると、カレーライスという常識に縛られない斬新なアイデアが出てきやすくなります(バラの香り+カレーライス、など)。

ただし、通常のブレーンストーミングとは異なり、本質的な検討テーマとは異なるテーマ設定をしつつ、最終的に本来の目的につなげていく必要があるため、ファシリテーター(司会・進行役)の手腕が問われる発想法となります。

基本的なルール、方法はブレーンストーミングと同様であり、ブレーンライティングの活用、または併用でも問題ありません
(以下、実施の手順はブレーンストーミングを基本としているが、適宜ブレーンライティングに置き換えれば良いでしょう)。

この発想法のポイントは、繰り返しとなるが検討テーマの設定を含めたファシリテーター(司会・進行役)の手腕にあると言えます。

注)主観的な整理であり、必ずしもこれが正しいというものではありません

活用フォーマット&準備物

活用フォーマット
(サンプル)
なし
(ホワイトボードへの書込みや、壁面などへの付箋(ポストイット)貼付けなどを自由に行う)
(ブレーンライティングの場合はアイデア書込み用紙などを用意)
他の準備物 ホワイトボード、マーカー、筆記用具など
(ブレーンストーミング併用の場合はその準備も必要)

実施の手順

開催準備
  • 最低3、4名~最大10名程度の参加者を募る(少数の方が同じ方向での検討が行いやすい反面、多数の方が意見の多様性が期待できる)。
  • 場所の確保、準備物等があればそれも準備
    (場合によっては)参加者への開催テーマの告知並びに事前検討の依頼なども実施。
事前説明
  • 集まった参加者へ、①開催趣旨、②検討テーマ、③検討方法、④検討ルール、⑤司会・書記等の紹介、について冒頭に説明する。
  • とりわけ②の検討テーマについては、参加者全員が意識・認識を共有できるように、シンプルかつ適度にフォーカスしておく必要がある。
  • また検討に際してのルールは、ブレストに不慣れな参加者を中心に周知徹底しておく。
アイデア検討の実行(アイデア・意見の発散)
  • 事前に設定した検討方法・ルールに従って、自由に意見・アイデア出しを行う。
  • 開催時間はケースバイケースで特に決まりはないが、一般的な人の集中力から考えると最大2時間程度が妥当
    (それ以上必要な場合は別途開催としつつ、検討テーマのフォーカス設定が甘くないかどうかチェックする必要がある)。
  • 出てきたアイデアはホワイトボード、もしくは付箋にメモ書きする。
  • メモ書きのポイントは、あとで整理しやすいように、短文、1センテンス、1要素で、端的かつ的確に主旨・意図を記す。
アイデアの整理・評価(アイデア・意見の収束)
  • ゴートン法により出てきたアイデア・意見を整理し、評価する
    (整理、評価方法はここでは割愛)。
  • 十分なアイデア・意見が出そろっているなら、これで終了となるが、そうでない場合は一定の整理・評価を行った上で、それをベースにアイデア・意見を発展させる、もしくは別の切口による検討を開催することで対応する(必要に応じて手順3と4を何度か繰り返す)。
  • 一通りの検討を終えた後、本質的なテーマを開示し、出されていたアイデアと本質的なテーマを融合させるようにアイデア検討を行うと尚よい。

注)一般的な手順を示したものであり、必ずしもこれに従う必要はありません

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