アイデア発散・収束法

04 シックスハット法 <発散(アイデア発想)法>

発散法の概要

アイデア検討では、様々な立場の人達が、様々な視点から意見を出し合うため、意見の対立や、論点がかみ合わない状態での協議など、有意義なアイデア検討が中々進まないケースが少なくありません。

シックスハット法は、これら課題をクリアするための方法論であり、簡単に言うとアイデア検討の視点、あるいは細やかに検討プロセス的なところを切り分けて、それぞれの視点で全員が一致して、同じ方向でアイデア、意見を出し合う方法となります
(対立思考ではなく、水平思考でのアイデア検討を進めるための方法論です)。

シックスハット法という名の通り、以下のような6つの視点に分けて、それぞれ検討を進めるものであり、それぞれに色付けし、その色の帽子をかぶってアイデア出しを行ったことからシックスハット法と命名されています。

  • 青/立ち位置の確認(検討テーマや検討ステージ、検討結果・経緯など)
  • 白/事実の確認・把握(検討テーマに関する客観的情報やデータや事実など)
  • 黄/肯定的な内容(検討テーマに関する長所ほかの肯定的な意見など)
  • 黒/否定的な内容(検討テーマに関する短所ほかの否定的な意見など)
  • 緑/アイデア創造の検討(新しい代替案や創造できるアイデアなど)
  • 赤/率直な気持ち(どう感じるか、好きか・嫌いかなど)

ポイントはその色の視点で検討する時には、無理にでも同じ視点で意見を出し合うことにあり、如何にこれが遵守できるかということが重要となります
(例えば白の検討時に他の緑や赤などの視点での意見は述べないことが重要)。

ブレストなどと同様に、制約条件がほとんどない中でのアイデア検討でも活用可能ではあるが、ブレストなどよりも検討テーマをフォーカスしておく必要性が高くなります
(検討テーマが曖昧な場合、まともな検討すらままならない状態になってしまいます)。

このようなことから、具体的な既存のビジネスや商品、サービスに関する新しいアイデアの創出検討に向く発想法と言えます。

また6つのプロセス順序については諸説、様々な提案があるが、当社としては上記の順に進めることを提案します
(特定プロセス/色の割愛や繰り返し、あるいはプロセス/色の入替えも可能です)。

注)主観的な整理であり、必ずしもこれが正しいというものではありません

活用フォーマット&準備物

活用フォーマット
(サンプル)
特になし/色別に意見やアイデアなどを整理していけばよい
(ホワイトボードへの書込みや、壁面などへの付箋(ポストイット)貼付けなどを自由に行う)
他の準備物 ホワイトボード+マーカーペン(もしくは付箋+筆記用具+貼付け可能な場所)
参加メンバー分の6色の帽子(もしくはそれに代替する何か)

実施の手順

開催準備
  • 2、3名~最大10名程度の参加者を募る(ある程度多数の方が意見の多様性が期待できるが、1名でも実施可能)。
  • 場所の確保、準備物等があればそれも準備。
  • (場合によっては)参加者への開催テーマの告知並びに事前検討の依頼なども実施。
事前説明
  • 集まった参加者へ、①開催趣旨、②検討テーマ、③検討方法、④検討ルール、⑤司会・書記等の紹介、について冒頭に説明する。
  • とりわけ③の検討方法については、丁寧に説明し、合意を得るようにしておく(検討中も随時確認)。
  • また②の検討テーマについても、できる限り曖昧な点が無いようにきちんとその定義や範囲について、説明をしておく
    (予めきちんとフォーカスされて定まっているならば、青のプロセスは確認のみとし、そうでなくある細部について検討事項としたいならば、青のプロセスで検討していくイメージでも良い)。
アイデア検討の実行(アイデア・意見の発散)
  • 予め定めた順序に従って、それぞれの検討視点でアイデア検討などを実行する。
  • すべてのプロセスについて同程度の時間を設定する必要はなく、事実確認などのステージとなる前半はやや短めに、アイデアの検討等を行う後半はやや長めに設定すると良い。
  • 状況次第では、いずれかのプロセスを省略したり、繰り返したりしても良い(あくまでも全員が同じ視点、方向性で検討さえすればよい)。
アイデアの整理・評価(アイデア・意見の収束)
  • ある程度フォーカスされた検討テーマに関するアイデアの検討であり、改めての整理は必要ない
    (整理しても良いが、特別必要性がないという主旨)。
  • 基本的には「緑」の代替案などのアイデアを評価、採用していくようなスタイルで良い
    (その際、他の色の意見やアイデアなどとの整合性等を確認すると良い)。

注)一般的な手順を示したものであり、必ずしもこれに従う必要はありません

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