アイデア発散・収束法

08 オズボーンのチェックリスト <発散(アイデア発想)法>

発散法の概要

ブレーンストーミングを考案したオズボーンによるチェックリストを活用した発想法です。

9つの質問、問い掛け(チェックリスト)によりアイデアを発想していこうというもので、チェックリストの存在によってアイデア検討の視点、着眼点を恣意的に多角化・多様化できる効果が期待できます。

9つのチェックリストとは以下の通りです。

①Other Uses ⁄ 転用 他に使い道はないか?新しい用途はないか?他の利用方法はないか?等
②Adapt ⁄ 応用 他・過去からアイデアを持ってこれないか?近似・類似のものはないか?等
③Modify ⁄ 変更 色、形、動作、匂い、意味、重量、長さ、等々の何か・どこかを変えてみてはどうか?等
④Magnify ⁄ 拡大 大きくしたらどうか?加えたらどうか?多くしたらどうか?拡張したらどうか?等
⑤Minfy ⁄ 縮小 小さくしたらどうか?減らしたらどうか?少なくしたらどうか?等
⑥Substitute ⁄ 代用 他の人にさせたらどうか?他のものにしたらどうか?他の場所ではどうか?等
⑦Rearrange ⁄ 再編成 要素、配列・配置・順序、組合せ、スピード、因果等を変えてみればどうか?等
⑧Reverse ⁄ 逆転 逆にできないか?正比例・正反対ではどうか?前後を入れ替えられないか?等
⑨Combine ⁄ 結合 組合わせられないか?統合できないか?合体できないか?等

それぞれのチェックリストについて、さらに詳細なサブリストを設定しておくのも有効です
(例えば、上記のかっこの中にあるような設問/サブリストを準備しておくイメージ)。

具体的な”ある何か(検討テーマ)”に対して、検討視点・着眼点をズラしていく発想法であるため、基点となる”ある何か”が明確、具体的でなければ実行することが難しい発想法です。

このようなことから、比較的、商品・サービスの企画などに適する発想法と言え、ビジネスモデル全体を検討する発想法としてはやや難があります
(ビジネスモデルのあるパートを対象に検討していくスタイルならば検討可能ですが、基本的にはお勧めしません)。

注)主観的な整理であり、必ずしもこれが正しいというものではありません

活用フォーマット&準備物

活用フォーマット
(サンプル)
ホワイトボード、紙いずれでも良いが、チェックリストが目に入るようなものを準備する (例えば以下サンプルのようなフォーム/枠組みを用意する)
他の準備物 ホワイトボード、マーカー、筆記用具など
(ブレーンストーミング併用の場合はその準備も必要)

実施の手順

開催準備
  • 2、3名~最大10名程度の参加者を募る
    (ある程度多数の方が意見の多様性が期待できるが、1名でも実施可能)。
  • 場所の確保、準備物等があればそれも準備。
  • (場合によっては)参加者への開催テーマの告知並びに事前検討の依頼なども実施。
事前説明
  • 集まった参加者へ、①開催趣旨、②検討テーマ、③検討方法、④検討ルール、⑤司会・書記等の紹介、について冒頭に説明する。
  • とりわけ③の検討方法については、検討中も常にチェックリストを参加者全員が容易に視認できるようにしておく。
アイデア検討の実行(アイデア・意見の発散)
  • オズボーンのチェックリストに基づいてアイデアを発散する(必ずしも全リストを使う必要はない)。
  • チェックリストの活用については、無作為に活用しても良いし、1つ1つ順に検討を実施しても良い(最初は無作為に実行、ある程度意見が出尽くした段階で、リストを指定して再度皆で検討するパターンもある)。
  • 開催時間はケースバイケースで特に決まりはないが、一般的な人の集中力から考えると最大2時間程度が妥当なのは同様。
  • 出てきたアイデアはホワイトボード、もしくは付箋にメモ書きして、検討中も皆が見れるようにしておく。
  • メモ書きのポイントは、あとで整理しやすいように、短文、1センテンス、1要素で、端的かつ的確に主旨・意図を記す。
アイデアの整理・評価(アイデア・意見の収束)
  • 基本的にブレストなどとは異なり、フォーカスされた具体的目的のためのアイデア出しであるため、アイデアの整理などは必要なく、出てきたアイデアから注目すべきアイデアを特定するだけで良い。
  • この際、最初からあまりアイデアの統合を図るべきではなく、できる限り個別、詳細、フォーカスされたアイデアであることが望ましい
    (ついつい複数名の意見を取り入れるためにアイデアの統合を行いがちだが、これはアイデアの良さ、すなわち鋭さを削ぐ行為に等しくなり、結果としてありふれたアイデアになりかねない危険がある)。

注)一般的な手順を示したものであり、必ずしもこれに従う必要はありません

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