アイデア発散・収束法

14 KJ法 <収束(アイデア整理)法>

収束法の概要

発想されたアイデアについて、あるテーマに基づくグルーピングを繰り返すことによって雑多なアイデアの全体を構造化、可視化し、その示唆を得やすくすることができる整理法です。

例えば、ある団体に属する人たちの特徴、特性について並べられたキーワードについて、外見と内面、行動スタイルなどに分類、そして外見については雰囲気とファッション、ファッションはさらに髪型、着衣、靴など、階層的にグループ分けして整理されるイメージです。

ただし、ビジネスの新アイデアについて、上記例のように分析するテーマやその分類方法が事前にハッキリと定めることができるケースばかりではありません。
出されたアイデアをグルーピングしていく過程で、テーマや分類など、そのアイデアの全体構造が見えてくるケースも少なくなく、むしろ、このようなケースにこそKJ法が適用されるべきです。(もし事前にハッキリと定めることが可能ならば、KJ法という整理法を選択する必要性は低下します)

以上のようなことにより、ブレーンストーミングやブレーンライティングなど、検討されて出てくるアイデアのタイプや水準のバラつきが比較的大きくなりがちなアイデア発想法との親和性が高くなります。

逆説的に言えば、パッと見て、ある基準を持って分類、整理が難しいと感じるようなアイデア群の整理については、まずKJ法の適用を検討すべきと言えます。

このKJ法の最大のポイントは、グルーピングにあり、可能な限り、一つのテーマ、軸についての階層分類を行います。

さらに、グルーピングについては、名詞(名前、名称)、動詞(行動、スタイル)、形容詞(感情、状態)など、できるだけ同一品詞により実施する方がきれいにまとまります。
実際には、同一品詞だけですべてをグルーピングできるケースばかりではありませんが、せめて同階層のグループについては同一品詞でグルーピングする方が良いでしょう。

ただし、最初から論理的な分類を試みると先入観に捉われてしまうため、まずは感性・感覚に従ったグルーピングを実施し、それらグループのタイトル検討時に同一品詞での整理を試みることが重要です。

注)主観的な整理であり、必ずしもこれが正しいというものではありません

活用フォーマット&準備物

活用フォーマット
(サンプル)
(あくまでも一つの事例ですがご参考下さい)
他の準備物 ホワイトボード+マーカーペン
(もしくは付箋+筆記用具+貼付け可能な場所)

実施の手順

開催準備
  • 2、3名程度の人選を行い、日程調整を行う。
    (1名の場合は判断に偏りや迷いが生じる可能性があり、多すぎると意見がまとまり難くなる、もしくは検討不参加の人が出やすくなる)
    (通常、アイデア発想の検討会に参加した人から選定することが多いが、必ずしも不参加の人が入ってはいけないということはない)
  • 場所の確保、準備物等があればそれも準備。
  • (場合によっては)参加者への開催テーマの告知なども実施。
事前説明
  • 集まった参加者へ、①開催趣旨、②テーマ、③整理方法、④整理ルール、について冒頭に説明する。
  • とりわけ②のテーマについては出来る限りフォーカスかつ明確にする。
アイデアの整理の実行(アイデア・意見の収束)
  • テーマを念頭に、最初は感性・感覚に従ってアイデアを分類・グルーピングしていく。
  • 分類・グルーピングされたものについて、その上位階層として相応しいタイトルを付けてみる。
  • 次にそのグルーピングされたタイトルについて、同じように感性・感覚に従ってグルーピングしていき、同じく上位階層として相応しいタイトルを付ける。
  • また因果、順序など関係あるグループ同士を線や矢印などで結ぶ。
  • これをできる限り繰り返して全体構造を明らかにしていく。
  • 一度で完璧に整理しようとはせず、感性・感覚的におかしいと思うところがある場合は、都度修正を行っていく(ある程度納得できるところまで何度もやり直す)。
結論(アイデア収束の結果分析)
  • 全体構造が可視化されたものを俯瞰し、テーマについてのアイデアのポイントを整理する。
  • その際のポイントの正しさの判断基準としては、ポイントの背景・理由等の説明を、アイデアの全体構造からある程度論理的に説明できるか否かという点になる。
  • 仮に、きちんと説明できるポイントが出てこない、あるいは整理された全体構造が感覚的にしっくりこないと言う場合には、もう一度最初からアイデアの整理の実行を試みる。

注)一般的な手順を示したものであり、必ずしもこれに従う必要はありません

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