プレスリリース
No.2137
2019/08/08

2018年の自動車アフターマーケット市場規模は前年比微増の19兆6,490億円
~微増の中古車・部品・整備市場、シェアリングエコノミーを追い風に成長加速する賃貸市場~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2018年の自動車アフターマーケット市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

自動車アフターマーケット市場規模推移
自動車アフターマーケット市場規模推移

1.市場概況

2018年の自動車アフターマーケット市場規模は、19兆6,490億円と推計する。自動車流通の起点となる新車販売市場は、軽自動車を中心に引き続き需要が好調に推移した※1。ハイブリッド車(HEV)を主力とする車両や、衝突被害軽減ブレーキに代表される技術を基軸とした新技術車両のラインナップが拡充していることも代替需要を喚起し、2018年の新車販売台数は527万台※1に上った。(※1.データ出所:一般社団法人日本自動車販売協会連合会、一般社団法人全国軽自動車協会連合会)

新車販売が好調、且つ車両の長期使用傾向が続くことで、2018年の四輪車保有台数は過去最高の7,827万台※2となった。しかし、車両購入の主役である中高年世代の高齢化と、次を担う若年層人口の減少や所有にこだわらないライフスタイルなどを背景に、車両保有台数は近く減少局面を迎えることが予想される。(※2.データ出所:国土交通省)

保有車両という商材の減少局面を前に、自動車流通関連事業者各社は主に2つの方針強化を図る。一つは、主力事業における顧客一人当たりの売上を伸ばすための顧客の囲い込みである。車両販売では残価設定クレジットやリース販売を通して、顧客との販売後の接点確保に注力、同時に定期点検や車検などのメンテナンスパック販売を通してサービス部門の売上拡大を図る。もう一つの方針は、事業多角化である。主力事業単体では既存の事業規模を維持することが難しくなり、新規事業により主力事業を補足する動きが活発化している。特に近年では、自動車賃貸市場がシェアリングエコノミーを追い風に伸長を続けており、車両販売・カー用品販売・自動車整備事業・ガソリン販売などの各事業者は相次いで自動車賃貸事業に進出をしている。

2.注目トピック

中古車輸出台数は過去最高の132.7万台に

日本由来の中古車は、日本の自動車メーカーが確立した品質に裏づけされたブランド価値や、車検制度などにより良好な状態の中古車が多いことから世界市場における需要は高い。財務省の貿易統計によると、2018年の日本から海外に輸出された車両は132.7万台であった。

アフリカ諸国など経済発展を遂げる新興国が仕向地のトップ10にランクされる傾向が年々強まっている(例:南アフリカ・ケニア・タンザニア等)。2018年中は特に原油価格の高騰など資源高を追い風に、資源国需要が旺盛となった。輸出向け車両の主な調達ルートは、オートオークションなどの業販市場である。2018年のオークション成約台数は輸出需要に牽引され、478.7万台※3を計上した。オークションへの出品台数(供給量)が横這い傾向にある中、落札台数が増加することで、成約率・金額ともに上昇傾向にある※3。(※3.データ出所:株式会社ユーストカー)

こうしたなか、自動車流通大手事業者の中には、海外でのオークションの自社開催や中古車小売、車両整備業に進出する企業も年々増加傾向にある。国内流通量減少に対する2つの施策(顧客囲い込み・事業多角化)に加え、海外進出は事業拡大という方向性において重要であるものと考える。近年の中古車輸出の盛況ぶりは、その可能性の度合いを更に高めているとみる。

3.将来展望

2019年の新車販売台数は前年比で微増が見込まれる。2019年は10月に消費税率引き上げが予定されるものの、自動車取得税の廃止や自動車税の値引きなど、駆け込み需要とその後の反動減を最小限に留めようとする各種施策が実施されることから、過去の消費税増税時と比較すると影響は軽微なものに留まると考える。

新車への代替需要が中古車発生の起点となるため、中古車販売やカー用品、自動車整備など、新車販売動向と連動する市場も、2019年は微増が予測される。また、中古車流通量の増加により、オートオークション出品台数も微増が予想されるものの、中古車輸出需要の増加も継続するとみられるため、良質車の落札競争は引き続き激化するものと考える。一方、自動車賃貸市場においては、引き続き拡大基調で推移するものとみる。本格成長する個人向けオートリース、急増する訪日外国人客需要に支えられたレンタカー、自動車メーカーの本格進出で再び注目度が高まるカーシェアリングや定額制市場など、自動車賃貸市場は自動車流通において高い成長市場として引き続き拡大が見込まれる。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2018年4月~2019年3月
    2.調査対象: 自動車アフターマーケット関連事業を展開する企業・団体、および管轄官庁等
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・電子メールによるヒアリング、ならびに文献調査併用

    <自動車アフターマーケット市場とは>

    本調査における自動車アフターマーケットとは、新車販売後に発生する様々な事業の総称であり、その対象は①中古車事業(中古車小売、中古車輸出、中古車買取、オートオークション)、②自動車賃貸事業(オートリース、レンタカー、カーシェアリング)、③自動車部品・用品事業(カー用品、補修部品、リサイクル部品(中古・リビルト))、④自動車整備事業(自動車整備、自動車整備機器)、⑤その他関連サービス事業(自動車保険、ロードサービス)の5事業とする。

    なお市場規模算出にあたり、一般社団法人日本自動車部品工業会(補修部品)、一般社団法人日本自動車整備振興会連合会(自動車整備)、一般社団法人日本自動車機械工具協会(自動車整備機器)、一般社団法人日本損害保険協会(自動車保険)、一般社団法人日本自動車連盟(ロードサービス)を出所とする各々の統計データ用いている。(順不同)

    <市場に含まれる商品・サービス>

    新車、中古車、中古車輸出、オートオークション、入札会、オートリース、個人向けオートリース、メンテナンスリース、ファイナンスリース、レンタカー、カーシェアリング、自動車定額制サービス、カー用品、タイヤ、アルミホイール、カーオーディオ、カーナビゲーション、ドライブレコーダー、車内アクセサリー、オイル・ケミカル用品、消耗品、機能用品、ドレスアップ用品、チューンナップ用品、純正部品、優良部品、補修部品、リサイクル部品、リユース部品、リビルト部品、自動車整備、車検整備、定期点検整備、事故整備、メンテナンスパック、自動車機械工具、自動車保険、自賠責保険、任意保険、ダイレクト損害保険、ロードサービス、ガソリン、セルフSS、整備事業者向け顧客管理システム

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2019年03月28日
    体裁
    A4 232ページ
    定価
    165,000円(税別)

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    マーケティング本部 広報チーム
    住所
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