問題は「配慮を欠いた」(守安社長)ことではなく、薄っぺらな社会性にある


劣悪な情報品質が社会問題化した医療情報サイトに続き、DeNAはすべてのまとめ記事サイトを閉鎖した。リクルートやサイバーエージェントも「情報の内容を精査する」との理由で類似サイトの一部削除や非公開化に踏み切った。これらはインターネット上の情報や書き込みを特定テーマごとに収集、整理した所謂「キュレーションサイト」と呼ばれるもので、誰でも投稿できる運営スタイルを採用することでユーザー目線にあった身近な情報サイトとして急成長してきたサービスである。

何らの検証やチェックも受けない記事が、“医療情報”として提供され続けた「ウェルク」の閉鎖は当然だろう。医療情報の商品化に対する経営陣の認識の甘さは、素人という表現を越えて“幼稚”と言って良い。
しかし、問題の悪質さは「投稿された記事内容について運営会社は一切責任を負わない」と標榜しつつ、外部ライターを使って大量の記事を投稿させていたこと、かつ、その際、データ検索エンジンの上位キーワードを組み合わせた「テーマ」を提示したうえで、「リライトのこつ」などと称して無断転載や無断引用を組織的に推奨していた、ことにある。

ユーザーや顧客に対する不誠実さはもちろんであるが、ビジネスに対する独善的で不遜なまでの“軽さ”には反社会性すら感じる。
トップ、役員、従業員、外部ライター、、、当事者1人1人が“軽さの連鎖”を断つ意志を持てるか。この会社の信用回復はこの一点にかかっている。

今週の”ひらめき”視点 12.04 – 12.08

代表取締役社長 水越 孝

 

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