華為技術(ファーウェイ)、日本に生産工場を新設、国内で量産体制へ


中国の通信機器大手“華為技術”が日本国内に生産工場を新設すると発表した。投資規模は50億円超、高速通信網向けのネットワーク機器を“現地生産”することで日本市場におけるシェア拡大を目指す。
従来、中国企業の日本への直接投資はM&Aと研究開発センターやマーケティング拠点の設置が主流であり、本格的な量産型生産工場への投資は今回のファーウェイが初めてと言える。
背景には人件費を含む中国と日本のコスト差、そして、技術レベルの縮小がある。安かろう悪かろう型の中国製品が未だに多いことも事実だ。とは言え、少なくとも先端分野における中国企業のレベルは確実にグローバル水準にある。当面は日本国内における供給力の向上をミッションとするだろう。しかし、将来的にはメイド・イン・ジャパンの品質を武器に輸出拠点として戦略化されるはずだ。

一方、日本の役所は依然として国産技術の流出に敏感だ。経産省は東芝の半導体事業の売却問題で官製ファンド産業革新機構を大株主とする日米韓連合による買収スキームを主導する。しかしながら、需要家も競合企業も等しくグローバル市場で戦っている半導体業界にあって、既存技術を国内に閉ざすことが未来の成長に資するとは思えない。
経産省がとるべき政策は、特定企業の特定事業に介入することではない。資本、技術、人材の高度化と流動性を高め、国外の資本、国外の技術、国外の人材を呼び込む環境を整備することにある。そうあってはじめて、日本の技術は最先端レベルで更新され、強化され続けるはずである。

今週の”ひらめき”視点 06.25 – 06.29

代表取締役社長 水越 孝

 

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