“民族ファースト”へ傾斜する世界、閉じてゆく社会に未来はない


1日、バルセロナを擁するカタルーニャ自治州はスペインからの独立を問う住民投票を実施、9割の賛成票を獲得した。これに対してスペイン政府は住民投票の法的有効性を否定、国王フェリペ6世も「現行憲法」の秩序を守るよう非難の声明を出した。一方、独立派市民は中央政府の治安部隊を「占領軍」と称し、対決姿勢を崩さない。州議会は今週末にも“独立宣言”を行うという。
その5日前、イラクのクルド自治政府が住民投票を実施、こちらも9割を越える住民がイラクからの独立を指示した。
“国家を持たない最大の民族”全体への波及を警戒するトルコ、イラン、シリア、中東の更なる混迷化を避けたい国際社会の思惑を背景にイラク政府はキルクークの油田権益や空港管轄権の返上を自治政府に要求、軍を派遣するなど徹底した“封じ込め”に動く。

歴史や事情はそれぞれ異なる。しかし、いずれもグローバリズムへの反動という流れの中に捉えるべきだろう。
個人やマイノリティに対する人権の制限や政治経済的な差別や格差に理はない。独立への意志は無視出来まい。とは言え、排他的で一方的な“民族原理主義”、あるいは、“民族ポリュリズム”の安易な拡散も容認されるべきではない。
振り返って日本では、政治的な驕りがもたらした混乱の中、排除と選別を掲げた右派カリスマが登場した。はたして議会制民主主義は正常化に向かうのか、あるいは、単なる純化と分断を招くのか。開かれた多様な社会への一歩となることに期待したい。

今週の”ひらめき”視点 10.01 – 10.05

代表取締役社長 水越 孝

 

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