神戸製鋼問題、不正が容認される“思い上がり”の一掃が信頼回復の第1歩


アルミ・銅製品のデータ改ざんに端を発した神戸製鋼の品質問題は主力事業の鉄鋼製品からコベルコ科研、日本高周波鋼業、神鋼銅線ステンレスなどグループ全体へ広がるとともに、それが40年以上にわたっての組織的な不正であったことが露呈した。
納入先は500社以上、自動車、新幹線からMRJやH2Aロケットまで“ジャパンブランド”を象徴する製品とメーカーの信頼が揺らぐ。

経営トップの関与は不明である。しかし、この背景には恐らく自社の技術に対する過剰な自信と驕りがあって、それが“品質検査”、言い換えれば、“顧客”を舐めてかかる企業体質をつくってきたと言える。それこそ神鋼グループ全事業所に通底する企業文化であり、問題の本質はここにあると言っていいだろう。よって、これを主導した歴代トップの責任は大きい。

記者会見で経営陣は、「納入先には個別に説明し安全性に問題がないことを確認した。また、法令違反はなかったので公表の必要はないと判断した」と語った。つまり、法令上の問題はなく、安全性にも影響はない、当事者間の話し合いで解決済み、との主張である。百歩譲って、一昔前の日本企業同士であればそれで済んだかもしれない(そんなはずはないと思うが、、、)。しかし、GM、フォード、ボーイングといった米国企業も彼らの納入先だ。事態を受けて米司法当局も捜査に動き出した。神戸製鋼にとって問題はまだ始まったばかりということである。

今週の”ひらめき”視点 10.15 – 10.19

代表取締役社長 水越 孝

 

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