トヨタ、開発中の運転支援システムを公開へ。KFSは“開く”と“拓く”


1月7日、トヨタは世界最大のIT見本市CESに合わせた記者会見で、開発中の安全運転支援システム「ガーディアン」を外販すると発表した。「ガーディアン」は自動運転分野におけるトヨタの中核技術の一つで、危険を関知するとシステムがドライバーから運転を引き継ぎ事故の発生を防ぐ。別の自動運転システムの誤判断を補正することも想定されており、「ガーディアン」を搭載することでより高度な安全システムが実現できるという。

自動運転の開発競争は大手自動車からGAFAやBAT、ITベンチャーに至るまで、国境や業界を越えて熾烈化している。そうした中、“後発”と評されてきたトヨタはソフトバンクグループやウーバーテクノロジーズと相次いで提携、巻き返しをはかるとともに、「ガーディアン」の外販で標準化競争におけるプレゼンスの拡大を目指す。

メーカーが開発途上にある中核技術の公開に踏み切るのは異例である。一方、大手ITもすぐに追随してくるだろう。そもそもシステムの外販は彼らの得意分野だ。OSを押さえることで市場を寡占化し、情報を占有するノウハウはプラットフォーマーたちの独壇場であり、PCがそうであったように“ものづくり”は急速にコモディティ化するはずだ。それでも自動車産業、すなわち、未来のモビリティ産業を生き残るためにはトヨタ自身が情報サービスベンダーとしての可能性を主導し、開拓しなければならない。「100年に一度の大変革期」とトップが語ったトヨタの危機感と可能性がここにある。

今週の”ひらめき”視点 1.5 – 1.10

代表取締役社長 水越 孝

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