プレスリリース

20150617
自動車排熱利用技術動向に関する調査結果 2015
~燃費改善の次の一手、「排熱」を「エネルギー」に~

※プレスリリース全文(PDF)

調査要綱

矢野経済研究所では、次の調査要綱にて日米欧における自動車排熱利用技術動向に関する調査を実施した。

1.調査期間:2015年3月~5月
2.調査対象:自動車メーカー、排気系メーカー、蓄熱材メーカー、熱電発電素子メーカー、大学・研究開発機関等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

<本調査における自動車排熱利用技術とは>
本調査における自動車排熱利用技術とは、排気熱回収器、蓄熱、エネルギー変換を対象とする。なお蓄熱は顕熱蓄熱、潜熱蓄熱、化学蓄熱、エネルギー変換は直接方式である熱電発電、間接方式であるランキンサイクル技術を取り上げる。
本調査では、国内外の自動車排熱利用の技術動向をまとめ、実用化に向けた技術導入にかかわる課題を抽出し、今後を展望する。

調査結果サマリー

◆ 2015年時点で排気熱回収器が実用化
排気熱回収器は2015年時点で主にハイブリッド車(HEV)に採用されている。ディーゼルエンジンにおいては効果が限定的だったこともあり今後の採用拡大は難しいと考えるが、今後もHEVを中心に採用が拡大していく可能性があるものと考える。


◆ 化学蓄熱が有望視
自動車での排熱回収は顕熱蓄熱、潜熱蓄熱による搭載実績はあるものの、蓄エネルギー密度や回収可能な排熱温度に限界がある。より高温での蓄熱や、高い蓄熱密度という点で化学蓄熱が有望視されている。化学蓄熱はいくつか実証実験が行われているが、固体充填層の設計の最適化、繰り返し反応における耐久性の向上、コスト低減(1万円/kWhの実現)等が課題とされている。


◆ 熱電発電は早ければ2023年の採用に期待
自動車における熱電発電の実用化実績は無いが、自動車メーカーをはじめ、関連各社で開発が進められている。熱電発電システムでは、200~300W程度の電力回収で、市街地走行における燃費改善効果は3~5%を達成できるとされている。実用化にむけては、資源的制約のない材料を使用した熱電発電素子効率(ZT値)の向上や、当該素子を利用したシステム化、モジュールの量産化やコスト低減等が課題である。


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