プレスリリース

20180328
量子ドットディスプレイ・部材世界市場に関する調査を実施(2018年)

※プレスリリース全文(PDF)

調査要綱

矢野経済研究所では、次の調査要綱にて量子ドットディスプレイ・ディスプレイ関連部材世界市場の調査を実施した。

1.調査期間:2017年12月~2018年3月
2.調査対象:量子ドット(Quantum Dots)ディスプレイ関連部材メーカー、QDディスプレイメーカー、セットメーカー他
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用

<量子ドット(QD)ディスプレイ部材市場とは>
 量子ドット(以下QD)ディスプレイ部材には、QDを活用したディスプレイ用の部材であるQD材料(QD粒子とバインダーレジンを配合した溶液)、QDシート、QDシート用バリアフィルム、QDカラーフィルター(LCD用カラーフィルターの代わりにQDを取り入れ色変換画素として用いるもの、QD-CFとも呼ぶ)、QLED(QDをエレクトロルミネッセンスとして用いるもの)等が含まれる。
本調査における量子ドットディスプレイ部材世界市場とは、そのうちQD粒子の世界出荷数量(単位:t)をメーカー出荷数量ベースで算出した。

調査結果サマリー

◆2017年の量子ドットディスプレイ世界市場は、前年比58.5%の200万枚と縮小に転じる見込
 量子ドット(QD)ディスプレイは、これまで複数のセットメーカーやディスプレイメーカーが開発を進めてきたものの、実際にQDディスプレイを搭載したTVの量産に踏み切ったのは、韓国の大手セットメーカーと中国系セットメーカーのみであった。QDディスプレイがハイエンド機種のTVでの採用にとどまったこと、市場でQDディスプレイを搭載したTVの販売が落ち込んだことなどから、2017年のQDディスプレイ世界市場は前年比58.5%の200万枚(メーカー出荷数量ベース)と大幅に縮小する見込みである。

◆2017年の世界のディスプレイ用QD粒子出荷数量は前年比61.1%の1.9tの見込
 量子ドット(QD)ディスプレイは、LCDバックライトにQD粒子をバインダーレジンに分散させてシート状にしたQDシートを搭載した構造がメインであり、LCDにQDシートを加えることで、少ないエネルギー消費量で高い色再現性と輝度を実現する。QDディスプレイを搭載したTVの販売不振に加え、材料価格が高価であったことなどから、2017年のディスプレイ用QD粒子世界出荷数量は前年比61.1%の1.9t(メーカー出荷数量ベース)の見込みである。

◆2018年の世界のディスプレイ用QD粒子出荷数量は前年比202.6%の3.85tと大幅拡大を予測
 2018年には韓国と中国系セットメーカーのほかに、複数のセットメーカーやディスプレイメーカーがQDディスプレイを搭載したTVやモニターの量産を開始する予定であること、TVの大画面化に伴うQD粒子の使用量増加などが期待され、2018年のディスプレイ用QD粒子世界出荷数量は前年比202.6%の3.85t(メーカー出荷数量ベース)と大幅に拡大すると予測する。


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