プレスリリース
No.1879
2018/05/22

2017年度の偏光板全体の世界生産量は前年度比2.6%増の約4.9億㎡に拡大
今後の偏光板世界市場を牽引するのは中国で生産されるTVパネル向け需要と予測

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2018年度の偏光板及び部材フィルム世界市場を調査し、製品セグメント別の動向、将来展望を明らかにした。

偏光板の世界生産量推移・予測
偏光板の世界生産量推移・予測

1.市場概況

 偏光板は主にTFT-LCDやOLEDパネル向けに使用され、2017年度の偏光板全体市場のうちTFT向け偏光板は約98%を占める。そのほかTN-LCD向け・STN-LCD向けにも使用される。TFT-LCDやOLEDパネルは、LCD TVのほかにモニターやノートブックPC、SmartPhone、Tablet PCなどの中小型モバイル機器の主要パネルとして使用され、これらの用途向けに様々なタイプの偏光板が採用されている。
 2017年度における偏光板全体の世界生産量は約4.9億㎡(前年度比2.6%増)、うちTFT向け偏光板の世界生産量は約4.8億㎡(同2.8%増)であった。PCやSmartPhoneなどIT関連向け物量が伸びなかったうえ、2017年はVA方式を中心にTVパネルの販売が伸び悩んだことで、台湾パネルメーカーでは2017年末時点でTV用パネルの在庫を抱えている状況であった。なお、韓国大手ディスプレイメーカーのSDC(Samsung Display Co.,Ltd)の韓国LCD生産ラインの稼働中止の影響は2017年まで響いたと考える。

2.注目トピック

位相差フィルムの動向

 VA方式の位相差フィルムでのCOPフィルム採用の決め手は「低透湿による水ムラの抑制」と「高透湿が引き起こすベンディングによる色ムラの改善」であったが、現在は同条件を満たす改良版TACフィルムの登場や既存TAC系材料の補完材としてPETフィルムやPMMAフィルムを組み合わせた新規の偏光板構造も採用が本格化している。また、VA方式TV向け位相差フィルム市場では多様化する偏光板構造に伴いTAC系、COP系フィルムの出荷動向が変動している。
 大型IPS方式の位相差フィルム市場では、TAC系ゼロ位相差フィルムが主流であったが、2015年よりLGD(LG Display Co.,Ltd.)やBOE(Zhejiang BOE Display Technology Co.,Ltd.)において、TVパネル向けでPMMA系ゼロ位相差フィルムの使用が本格化したほか、2017年よりIPS方式TV向けでPMMA系位相差フィルム市場が急成長している。

3.将来展望

 2018年度には、偏光板全体の世界生産量は5億㎡を越える見込みである。中国パネルメーカーの新規LCD生産ラインの稼働が本格化したことで、中国パネルメーカーで生産されるTV画面のインチサイズ拡大が偏光板生産量の大きな支えとなり、成長が続く見通しである。
 偏光板全体の世界生産量のうち、TV向けが占める割合は年々拡大している。世界のLCD TVの画面サイズは40″以上がスタンダード化し、「32″TV離れ」はさらに加速化している。2015年より中国パネルメーカーでも主力インチは32″から40″以上へとサイズ拡大が進んでいることで、TV向け出荷量が偏光板世界市場を牽引していくと予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2018年2月~4月
2.調査対象: 偏光板メーカー、位相差フィルムメーカー、PVA保護フィルムメーカー、表面処理フィルムメーカー
3.調査方法: 弊社専門調査員による直接面接取材をベースに、文献調査を併用

<偏光板市場とは>

 偏光板とは、特定方向に偏光又は偏波した光だけに限って通過させる板であり、ディスプレイ向けに使用される偏光フィルムをさす。偏光板は全てのディスプレイに使用される主要部材であるため、ディスプレイ市場が拡大していくに伴い偏光板市場も成長していく。
 本調査における偏光板市場とは、TFT-LCDパネル向け偏光板にTN-LCD向け・STN-LCD向け偏光板(その他に分類)を加え、メーカー生産量(万㎡)ベースで算出した。

<市場に含まれる商品・サービス>

偏光板、主要部材フィルム(位相差フィルム、PVA保護フィルム、表面処理フィルム等)

出典資料について

資料名
発刊日
2018年4月27日
体裁
A4判 311頁
定価
180,000円(税別)

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