プレスリリース
No.1890
2018/09/19

2025年の医療用医薬品生産高を9兆3,640億円(ケースⅡ)と予測
~抗がん剤に加え、スペシャリティ領域における治療薬の上市が市場を牽引する見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、医療用医薬品の市場を調査し、2025年の医療用医薬品生産高を予測する。

医療用医薬品生産高予測(2017年~2025年)
医療用医薬品生産高予測(2017年~2025年)

1.市場概況

政府は2017年12月に「薬価の抜本改革」の骨子案をまとめ公表した。そこには、国民皆保険制度の持続とイノベーションの推進を両立させ、「国民負担の軽減」と「医療の質の向上」を実現させると明記された。国民皆保険制度は、高度成長期には製薬業界にとって産業育成的な面を持つ制度だったが、その維持のために薬価が引き下げられることで、製薬業界に関与する企業は大きな転換点に立たされている。

厚生労働省は2018年3月5日、4月1日付で実施する薬価基準改定を官報告示した。今回の改定は、薬価ベースで平均7.48%(医療費ベースで1.65%)引き下げられ、そのうち新薬創出等加算制度※の見直し等の薬価制度の抜本改革分が薬価ベースで1.31%(医療費ベースで0.29%)の引き下げとなる。今回、薬価基準が改定されるのは合計1万6,432品目。そのうち、不採算品目を理由に184品目が現行薬価から引き上げられる。また、今回の薬価改定では、長期収載品(後発医薬品のある先発品)の薬価の大きな見直しが行われた。

※新薬創出等加算制度(新薬創出・適応外薬解消等促進加算制度)とは、後発医薬品(ジェネリック医薬品)が上市されていない新薬のうち、一定の要件を満たすものについては後発医薬品が上市されるまでの間、市場実勢価格に基づく薬価の引き下げを一時的に猶予する制度を指す。

2.注目トピック

輸入品の急増

厚生労働省の資料からわが国の医療用医薬品生産高の輸入品の推移を見ると、1990年が4,575億円だったが、2015年には3兆9,998億円に急拡大し、全体の40%を占めるまでになった。このことはドラッグ・ラグ(欧米諸国と日本との新薬承認の時間差)が大幅に解消されたものの、わが国の製薬市場が海外の医薬品に大きく依存するようになったことが分かる。
見方を変えれば、海外からの輸入品が急増したことで、わが国の医療用医薬品生産高も拡大することになったとも言える。そのため政府が今後も薬価制度を見直すことで医療費を抑制することを継続した場合、輸出国の政府、特にアメリカから政治的な圧力を受ける可能性がある。

3.将来展望

弊社では、厚生労働省「平成28年薬事工業生産動態統計月報」の医療用医薬品の生産高に輸入品を加えた2016年確定値を基に、2017年から2025年までの生産高を予測する。医療制度改革や薬価制度の見直しが医療用医薬品需要に及ぼす影響度合いにより、ケースⅠとケースⅡの2つのケースで予測を行っている。
2021年度以降は薬価改定が毎年行われること、新薬創出等加算制度は薬価制度の抜本改革によって制度化されたものの、加算の要件が製薬企業にとって厳しい内容となったことは、両方のケースに共通している。後発医薬品の普及については、ケースⅠ、ケースⅡともに今後も拡大していくことを想定している。


ケースⅠでは、「医療制度改革や薬価制度の見直しが医薬品需要に多大な影響を及ぼすことを想定して作成」し、2017年には9兆5,810億円、2021年には8兆3,040億円、2025年には7兆2,720億円になると予測する。
ケースⅡでは、「企業努力によって医療制度改革や薬価制度の見直しを上回る医薬品需要拡大が見込まれることを想定して作成」し、2017年が9兆6,790億円、2021年には9兆1,970億円、2025年には9兆3,640億円と予測する。抗がん剤に加え、新たな需要拡大が期待される新薬として挙げられる認知症治療薬や慢性便秘薬、神経障害性疼痛治療薬、オピオイド鎮痛薬などのスペシャリティ領域における治療薬の上市が市場を牽引する見通しである。

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調査要綱

1.調査期間: 2017年4月~2018年3月
2.調査対象: 製薬企業、医薬品卸、医療機関、薬局、行政当局、学識経験者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、ならびに文献調査併用

厚生労働省「平成28年薬事工業生産動態統計月報」の医療用医薬品の生産高に輸入品を加えた2016年確定値を基に2017年から2025年までの生産高を予測する。

<市場に含まれる商品・サービス>

医療用医薬品

出典資料について

資料名
発刊日
2018年3月28日
体裁
A4判 231頁
定価
150,000円(税別)

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