プレスリリース
No.1961
2018/08/30

2018年の国内出版総市場(出版市場+電子書籍市場)は前年比5.0%減の1兆5,100億円と予測
​~2018年の出版市場は前年比7.3%減も、電子書籍市場は前年比9.1%増の見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2018年の国内出版市場および電子書籍市場を調査し、出版社および関連企業の動向、各セグメント毎の市場動向、将来展望を明らかにした。

国内の出版総市場規模推移と予測
国内の出版総市場規模推移と予測

1.市場概況

2017年の国内出版総市場(出版市場+電子書籍市場)を前年比4.3%減の1兆5,901億円と推計した。
出版科学研究所によると、(既存の)出版市場は13年連続のマイナス成長となっており、近年、特にコミック販売額の減少幅が大きく、コミックを含む雑誌市場は1990年代から大きく減少している。
そのうち、2017年の国内電子書籍市場を前年比15.8%増の2,200億円と推計した。出版総市場に占める電子書籍のシェアは13.8%となった。
国内の出版総市場はマイナス成長となっており、印刷メディアを用いた(既存の)出版物から電子書籍へのシフトはコミックを中心に進んでいるものの、少子化や文字離れ等の構造的な減少要因がそれを上回っていると考える。また、電子コミックについては、最近海賊サイトが問題視されてきている。

2.注目トピック

出版社の経営状況について

本調査において実施した主要出版社の経営状況調査によると、日本国内の出版社231社の2017年度の税引き後利益率の平均は3.0%となり、前年度と比較するとほぼ横ばいであった。出版社の利益率は、リーマンショックが発生した2008年頃に大きく下落し、その後、徐々に回復してきている。ただし、現在もかつての高収益体質から比べると、大きく見劣りする状況である。

3.将来展望

2018年の国内出版総市場(出版市場+電子書籍市場)は前年比5.0%減の1兆5,100億円になると予測する。総市場の内訳をみると、書籍が7,180億円(同3.5%減)、雑誌7,920億円(同6.4%減)となり、また、2019年以降の出版総市場は年率3~4%程度の減少になると予測する。
(既存の)出版市場と電子書籍市場を合算した出版総市場を出版コンテンツ全体として考えると、出版市場の減少は緩和されて微減ペースとみることができる。特に雑誌は電子コミック中心に伸びることにより、大きなマイナスではなくなると考えられる。つまり、コミックについては、電子書籍が出版市場に与える影響が非常に大きくなっている。

調査要綱

1.調査期間: 2018年5月~7月
2.調査対象: 出版社、書店、出版取次会社、編集プロダクション、電子書籍ストア、その他出版関連企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材及び電話取材、アンケート調査併用

2016年および2017年の出版市場は、公益社団法人全国出版協会 出版科学研究所「2018年版 出版指標年報」より引用、2018~2020年の出版市場および2016~2020年の電子書籍市場は矢野経済研究所推計値である。

〈電子書籍市場とは〉
本調査における電子書籍とは、スマートフォンやタブレット、PC、電子書籍リーダー等デジタル媒体を用いて読む出版物とする。電子書籍(いわゆる文字もの)や電子雑誌、電子コミックを対象とし、教育書や医書は含まない。また、本調査における電子書籍市場規模は、出版社が販売する電子書籍(コンテンツ)販売額とし、事業者売上高ベースで算出した。通信費や広告収入等は含まない。

<市場に含まれる商品・サービス>

書籍、雑誌、電子書籍、電子雑誌、電子コミックその他

出典資料について

資料名
発刊日
2018年7月31日
体裁
A4判 405頁
定価
150,000円(税別)

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