プレスリリース
No.2053
2018/12/20

2018年度のIT系BPO市場規模は前年度比103.2%の2兆4,478億円、非IT系BPO市場規模は同101.4%の1兆7,274億円の見込
~深刻化する人材不足を背景にアウトソーシングサービスへのニーズが拡大~

 株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場を調査し、サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

国内BPO市場規模推移予測
国内BPO市場規模推移予測

1.市場概況

 BPO市場はIT系BPOと非IT系BPOに大きく分けられ、2018年度のIT系BPO市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比103.2%の2兆4,478億円、非IT系BPO市場規模(同ベース)は同101.4%の1兆7,274億円の見込みである。
 内訳をみると、IT系BPO市場は安定的に成長している。理由としては、企業の扱うデータ量が年々増加し、台数が増えたサーバーをデータセンターに預ける企業が増加傾向にあることや、間接部門である情報システム部門の要員を削減する企業が増加しそのような企業がデータセンターを活用した運用アウトソーシングサービスの利用を増やしていること、などが挙げられる。
 一方で、非IT系BPO市場は、人材不足が深刻化し、その対応として外部リソースを活用する企業が増加したことや外資系企業の日本市場参入に伴いアウトソーシング需要が増加したこと、また2018年4月から適用される有期労働契約を対象とした無期転換ルール等の影響によりBPOサービスに切り替える企業が増えていることなどから、微増ながらも堅調に成長している。

2.注目トピック

人事BPOへのニーズが拡大

 近年は、人材不足の影響から採用に力を入れる企業が多く、人事BPOの一つである採用関連業務のアウトソーシングが徐々に広がってきている他、2021年度に預貯金口座へのマイナンバーの適用を義務化する可能性があることを背景に、2021年度からは人事業務であるマイナンバーの収集・保管・廃棄・利用におけるBPOの利用増が期待されている。
​ 但し、人事BPOは、人事業務が企業共通の汎用的な業務であるため参入障壁が低く、競合が多いため、単価を維持しづらい傾向にある。また、日本企業の多くが人事業務を自社で行いたいという意向が強く、大手企業グループでは自社グループ企業向けに人事・総務業務を行うシェアードサービス会社が存在しているケースも多い。このようなことから、部分的なニーズの拡大は見られるものの、人事BPO市場全体は微増の推移に留まると予測する。

3.将来展望

 IT系BPOは、前述した通り、台数が増えたサーバーをデータセンターに預ける企業が増加傾向にあり、また間接部門である情報システム部門の要員を削減する企業が増加して、データセンターを活用した運用アウトソーシングサービスの利用を増やしている。また、それらの要因に加え、クラウドサービス提供事業者のデータセンター利用が広がっていることや事業継続対策(BCP)を目的に堅牢なデータセンターサービスを利用する企業が増えていることなども背景に、IT系BPO市場は今後も一定以上のペースでの成長が続くと予測する。
 IT系BPOの市場規模は、2016年度から2022年度までの年平均成長率(CAGR)は2.9%で推移し、2022年度の同市場規模(事業者売上高ベース)は2兆7,246億円に達すると予測する。

 非IT系BPOは、人材不足が引き続き深刻化している点や労働契約法の5年転換ルール(無期転換ルール)の影響によりBPOサービスに切り替える企業が増えていることに加えて、東京オリンピック・パラリンピックに向けた事業展開のためのリソース確保の需要も高まると見込まれることからも、成長していくと予測する。
 但し、マイナス要素として、クラウドソーシング事業者をはじめ、異業種からの参入事業者が増加していることや、複数のBPO事業者がRPA(Robotics Process Automation)を活用した業務の効率化やRPA事業者と協業を模索する動きが見られるようになっていることなどから、価格競争が激化し伸び率は微増に留まる見通しである。
 非IT系BPO市場は、2016年度から2022年度までの年平均成長率(CAGR)は1.3%で推移し、2022年度の同市場規模(同ベース)は1兆8,021億円に達すると予測する。

オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます!

【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
  • セグメント別情報(市場規模のセグメント別内訳と動向)
  •  ビッグデータの活用を目的に「分析BPOサービス」を活用する企業が増加
  • 注目トピックの追加情報
  •  マイナンバー対応BPOは停滞も2021年度以降に期待
  • 将来展望の追加情報

  • 以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

    調査要綱

    1.調査期間: 2018年6月~9月
    2.調査対象: IT系事業者、印刷系事業者、コールセンター系事業者、事務系・その他事業者、データ分析BPO・サービス事業者
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話・電子メールによる取材、ならびに文献調査を併用

    <BPOとは>

    本調査におけるBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)とは、通常企業内部にて行われるシステム運用管理業務、コールセンター系業務(コンタクトセンター、ヘルプデスク、フルフィルメント)、間接部門系業務(人事、福利厚生、総務、経理)、直接部門系業務(購買・調達、営業、コア部門単純業務、業界固有業務)などの業務を発注企業から業務委託を受けて代行するサービスを指す。但し、従来から外部に委託することが一般的な、税務、物流、情報システム開発、ビルメンテナンスなどの専門的な事業所向けサービスに関しては対象外とする。
    また、BPOのうち、IT系BPOとは発注企業からシステム運用管理業務を委託され代行するサービスとし、非IT系BPOとはその他の業務を委託され代行するサービスとする。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    コンタクトセンター、ヘルプデスク、フルフィルメント、人事代行、福利厚生代行、総務代行、経理代行、購買・調達代行、営業代行、コア部門単純業務代行、業界固有業務代行等

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2018年9月26日
    体裁
    A4判 686頁
    定価
    180,000円(税別)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
    住所
    〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
    電話番号
    03-5371-6912
    メールアドレス
    press@yano.co.jp
    ©2018 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
      本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
      報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
      利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。