2018年度の語学ビジネス市場は前年度比2.3%増の8,866億円
~語学学習方法の多様化が進み、各事業者間の競争が激化~

1.市場概況
2018年度の語学ビジネス総市場規模(主要14分野合計)は、事業者売上高ベースで前年度比102.3%の8,866億円であった。日本企業のグローバル化が進展、訪日外国人客(インバウンド)の増加、大学入試制度改革、英語教育改革などを背景に、市場では語学の習得ニーズが拡大している。分野別にみると、とくに周辺ビジネスである通訳・翻訳ビジネス市場、語学試験市場、留学斡旋市場が好調に推移しており、市場全体も拡大している。
2.注目トピック
学習方法の多様化が進み、各事業者間の競争が激化
語学学習方法の多様化が進んでいる。成人向け外国語教室では、従来の語学スクールに加え、e-learning(特にオンライン英会話)の認知度が向上し、会員数が増加している。加えて、短期集中型英会話スクールへの需要が増加している。日本企業のグローバル化が進み、海外に出てゆく一部の社員だけではなく、日本国内においても語学スキルが必要となってきており、ビジネスニーズの取り込みに成功している。
子ども向け外国語教室においては、2020年の英語教育改革を目前に、競争環境が厳しさを増している。とくに学習塾との競争が激しくなっており、大手事業者が撤退するほどであった。また、子ども向けのオンライン英会話も着実に増えてきていることや、プリスクール市場も好調に推移している。かように、注目が集まる語学ビジネスにおいては、学習方法の多様化に伴い、各事業者間の競争が激しさを増しており、従来の語学スクールの置かれている環境は厳しいものとなっている。
3.将来展望
2019年度の語学ビジネス総市場規模(主要14分野合計)は、事業者売上高ベースで前年度比102.6%の9,093億円になると予測する。
今後も語学が必要となる環境には変わりないが、語学ビジネス市場に注目が集まるとともに、各事業者間の競争は厳しさを増しており、従来型の語学スクールを取り巻く環境は厳しい。周辺ビジネス(語学試験市場、留学斡旋市場、通訳・翻訳ビジネス市場)はいずれも好調に推移しており、これらが語学ビジネス市場を牽引し、引き続き拡大基調で推移する見通しである。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
e-learning市場
調査要綱
2.調査対象: 外国語学校、出版社、電子辞書メーカー、ソフトウェアメーカー、e-learning事業者、通信教育事業者、語学学習教材販売事業者、資格試験運営団体、留学斡旋業者、通訳・翻訳ビジネス事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談取材及び、電話・FAXによるヒアリング、文献調査併用
<語学ビジネス市場とは>
本調査における語学ビジネス市場とは、①成人向け外国語教室市場、②幼児・子供向け外国語教室市場、③プリスクール市場、④幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、⑤書籍教材市場、⑥語学独習用機器・ソフト、⑦電子辞書市場、⑧幼児向け英会話教材市場、⑨通信教育市場、⑩e-learning市場、⑪ソフトウェア市場、⑫語学試験市場、⑬留学斡旋市場、⑭通訳・翻訳ビジネス市場の主な14分野を対象とし、事業者売上高ベースで算出した。
なお、⑫語学試験市場、⑬留学斡旋市場、⑭通訳・翻訳ビジネス市場については語学関連サービスとして、周辺ビジネスと定義している。
<市場に含まれる商品・サービス>
成人向け外国語教室市場、幼児・子供向け外国語教室市場、プリスクール市場、幼稚園・保育園向け英語講師派遣市場、書籍教材市場、語学独習用機器・ソフト、電子辞書市場、幼児向け英会話教材市場、通信教育市場、e-learning市場、ソフトウェア市場、語学試験市場、留学斡旋市場、通訳・翻訳ビジネス市場
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