プレスリリース
No.2382
2020/03/19
流通小売市場に関する調査を実施(2019年)

2018年から2019年の流通小売市場は店舗業種をまたいだ競合が激化
消費者の購入や来店機会拡大を図り「コト消費」に注目する企業が増加

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内流通小売市場を調査し、現況や動向、また業種別33市場の現状と展望を明らかにした。

1.市場概況

2018年以降の流通小売市場では、総合小売店(GMS)やディスカウントストア、ドラッグストアといった大手小売チェーンの事業拡大に伴い、業種をまたいだ店舗間の競合が激化している。

主要流通企業は、消費者の購入や来店機会拡大を図り、催事などのイベント販促以外の場面でも、店舗滞在の快適さや買い物時における体験を提供する「コト消費」を重視した店舗作りを進める企業が増えている。

特に、一般の小売店やインターネット通販(EC) などとの競合が激化している百貨店やホームセンター、また書店(書籍・文具専門店)や玩具・ホビー専門店など売上規模が年々減りつつある専門店などにおいては、商品のユーザー層となりうる消費者を囲い込むコンテンツとして、体験型店舗の充実を図る動きが顕著である。

2.注目トピック

2018年から2019年の流通小売業界再編の動き

2018年から2019年にかけて、流通小売市場では買収や資本業務提携などM&Aの活性化が目立った。従来のような、全国チェーン大手企業が地方の中小企業を吸収するM&Aに加え、各小売市場でそれぞれ売上高上位に入る大手企業間での買収や資本提携なども増えている。

ドラッグストア市場における業界内大手のマツモトキヨシとココカラファインの経営統合の発表、また食品スーパー大手のアークス、バローホールディングス、リテールパートナーズによる3社間資本業務提携「新日本スーパーマーケット同盟」の開始など、各市場において一定の商圏・店舗網を持つ企業同士が手を組み、商品調達などでのスケールメリット効果で他の大手グループへの対抗を図っている。

またヤフーによるZOZOの子会社化など、Webビジネスにおいても動きが活発化してきた。こうした新興の市場においても、再編の動きが出る時期に入っているとみられる。

一方で、そうした戦略的なものではなく、一企業が窮地に陥ったケースで、大手企業の傘下に入ることで解決に向かうといったM&Aも依然として多い。ヤマダ電機による大塚家具の子会社化、コナカによるサマンサタバサジャパンリミテッドの関係会社化など、業種をまたいだ大手企業間によるM&Aも活性化している。

3.将来展望

2019年の国内流通小売市場は、消費全般は堅調に推移したとみられるが、同年10月1日からの消費税率引上げや、夏から秋にかけての天候不順、災害などによる影響もあり、最終的には前年とほぼ横ばいとみる。

小売事業者にとって消費増税の影響は、少々の値段の上下では需要が変動する余地の少ない高級嗜好品類、または軽減税率対象の食料品類は別として、店頭での商品購入点数などに確実にマイナスの影響が続くと考えられる。2019年はキャッシュレス決済のポイント還元事業などの景気浮揚策である程度の抑制が図られていたが、同事業は2020年6月に終了予定であり、終了後はさらに売上の縮小が加速するおそれがある。

インバウンド(訪日外国人客)消費が注目される一方で、小売企業にとっての主要顧客は現在も国内消費者であり、小売企業では総合小売業を中心に、さらに需要減により販売数量が少なくなる商品一点ごとの利益確保が重要になると考えられる。具体的には、自社企画によるSPA(製造小売)化、メーカーと協業したプライベートブランド(PB)商品の企画などで、一点あたりのコストを低下させる消耗戦が今後も流通小売市場では続くと考える。

調査要綱

1.調査期間: 2019年10月~2020年1月
2.調査対象: 日本国内の流通小売企業等
3.調査方法: 当社専門研究員による文献調査

<流通小売市場とは>

本調査における流通小売市場は、製造業者や問屋などの中間流通業者から販売物を仕入れ、消費者に直接商品などを販売する事業を展開している、百貨店・総合小売店(GMS)・専門店・無店舗販売事業者(カタログ・インターネット通販など)などの流通小売事業者を対象としている。

<市場に含まれる商品・サービス>

総合小売店(GMS)、百貨店、通信販売などの業種・業態で展開されている流通小売ビジネス

出典資料について

資料名
発刊日
2020年01月30日
体裁
A4 409ページ
定価
150,000円(税別)

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