動画配信市場は事業者間の差別化が困難に、今後は競争激化も

1.調査結果概要
動画配信市場の業界構造は、コンテンツプロバイダー(著作物管理者)から許諾されたコンテンツを動画配信事業者がWeb、アプリなどで公開・販売し、ユーザーが支払った視聴料金の一部を当該コンテンツの購買数・再生数に応じてコンテンツプロバイダーにロイヤリティ(著作物利用料)として支払う構造である(コンテンツによっては、購買数・再生数に関わらず動画配信事業者との間で決まったロイヤリティを支払う場合もある)。
近年は、動画配信事業者間の差別化とコンテンツプロバイダーに支払うロイヤリティの削減を図るため、動画配信事業者が自社でコンテンツを製作し、独占コンテンツを配信することで集客を図る事業者が増えている。また、コンテンツの制作費も増加傾向にあるため、オリジナルコンテンツを制作することができる一部の資本力のある事業者がユーザー数を伸ばしている状況である。
2.注目トピック
人気作品が契機となり動画配信サービス新規利用ユーザーが拡大
2019年の動画配信市場は、Netflixが制作したオリジナル作品「全裸監督」が誘引し、これまで動画配信サービスを利用していなかった新規ユーザーが動画配信サービスの利用を開始したことで、大きく拡大した。
2019年は市場拡大期にあり、各動画配信事業者とも会員数を伸ばしている状況で、動画配信事業者間の競合はあまり起きていない。しかし、大手動画配信事業者への寡占化は大きく進んでおり、2020年は大手動画配信事業者間におけるユーザーの奪い合いが起きている。
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調査要綱
2.調査対象: デジタルコンテンツ(電子書籍、音楽配信、動画配信、SNS、EC、インターネット広告、情報配信サービス)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談、および文献調査併用
<デジタルコンテンツ市場とは>
本調査におけるデジタルコンテンツ市場は、スマートフォンまたはPC等を通してインターネットで利用できるサービス全般をさし、主に電子書籍、音楽配信、動画配信、SNS、EC、インターネット広告、情報配信サービスを対象とする。なお、動画配信市場の業界地図は2020年9月時点に更新している。
<市場に含まれる商品・サービス>
電子書籍、音楽配信、動画配信、SNS、EC、インターネット広告、情報配信サービス
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