2020年度のeギフト市場は2,075億円、2025年度には4,057億円まで拡大すると予測
~コロナ禍で拡大するeギフト市場~

1.市場概況
2020年度における商品券・ギフト券/eギフトの市場規模は発行金額ベースで8,702億5,100万円であり、内訳は商品券・ギフト券(PETカード型プリペイドカード、プラスチックカード型ギフトカードを含む)が6,627億5,100万円、eギフトが2,075億円となっている。
商品券・ギフト券のなかでも紙券は、贈答品として一般的であったが、コロナ禍以降、冠婚葬祭を実施するケースが減少したこともあり、縮小を余儀なくされている。今後もある程度の需要を維持するとみるが、電子化の検討を進める事業者が増える可能性がある。
2.注目トピック
eギフトの台頭によるパーソナルギフトの拡がり
2020年度のeギフト市場規模は発行金額ベースで、2,075億円と拡大傾向にある。
法人ギフトをみると、eギフトの発行(バーコードの生成)から消し込みまで、一貫して受託できる事業者は、一時的にコロナ禍の影響で案件がストップするケースがあったものの、eギフトを活用したキャンペーンによる集客ニーズを獲得している。基本的なインフラ使用料はローコスト(カスタマイズをする場合は別途料金がかかる)であり、比較的短時間でサービスを開始することができる点も評価されている。
パーソナルギフトをみると、eギフトの需要は確実に拡がりつつある。特に、コロナ禍で外出自粛が求められるなか、個人間でeギフトの送付を通じてコミュニケーションをとる動きが出ている。
3.将来展望
商品券・ギフト券/eギフト市場規模は発行金額ベースで、2025年度には1兆823億円まで拡大すると予測する。内訳は商品券・ギフト券(PETカード型プリペイドカード、プラスチックカード型ギフトカードを含む)が6,766億円、eギフトが4,057億円である。
商品券・ギフト券は、贈答シーンの減少から今後数年は縮小傾向にあるものの、それ以降においては停滞が続くものと考える。eギフト市場については、販促等のオンライン活用をはじめとした法人需要に加え、個人間のeギフトの贈答も拡大すること等から、今後も順調に拡大するとみる。
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調査要綱
2.調査対象: 商品券・ギフト券の主要発行事業者、PETカード型プリペイドカードの主要発行事業者、プラスチック型プリペイドカード発行事業者、eギフトサービス提供事業者等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<商品券・ギフト券/eギフト市場とは>
本調査における商品券・ギフト券/eギフト市場とはプリペイドを活用したギフトサービスをさし、①商品券・ギフト券、②PETカード型プリペイドカード、③プラスチックカード型ギフトカード、④eギフトを対象とする。なお市場規模は発行金額ベースで算出している。各々のギフトサービスの定義は以下参照。
①商品券・ギフト券:媒体が紙であるものを指している。汎用券、業界共通券、独自券に分類される。
②PETカード型プリペイドカード:PETカードを発行媒体とし、利用ごとにカードの磁気情報部に記憶された残高情報を減算していくプリペイド決済サービスを指す。
③プラスチックカード型ギフトカード:プラスチックカードを発行媒体としており、バリュー(額面)の残高をカードでなく、サーバーで管理する。
④eギフト:IDやQRコード/バーコードなどを読み込むことでギフトを受け取ることができる全ての法人・個人によるギフトサービスを指す。
<市場に含まれる商品・サービス>
商品券・ギフト券、PETカード型プリペイドカード、プラスチックカード型ギフトカード、eギフト
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