プレスリリース
No.2877
2022/03/01
コメビジネス・米飯市場に関する調査を実施(2021年)

和食ブームを追い風に海外では日本米(短粒種)需要が拡大し、2020年度のコメビジネスの市場規模は前年度比5.6%増
~国内ではパックご飯(無菌包装米飯)が台頭するも、コロナ禍で2020年度の米飯市場は前年度比6.6%減

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のコメビジネス・米飯市場(日配・加工米飯市場)を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
コメの品種開発・生産・加工・流通・販売(輸出及び現地生産)ビジネスの市場規模推移
コメの品種開発・生産・加工・流通・販売(輸出及び現地生産)ビジネスの市場規模推移
米飯市場の市場規模推移
米飯市場の市場規模推移

1.市場概況

無形文化遺産にもなった「和食」は、美味しさや彩の豊かさなど質の高さが評価され、世界的なブームとなっている。新型コロナウイルス感染拡大にも関わらず、農林水産省の推計によると世界各国の日本食レストランは2021年で約159,000店となり、前回調査時よりプラスで推移した。こうした根強い和食ブームを背景に日本米(短粒種)需要が拡大しており、財務省「貿易統計」によると2020年の輸出相手国(仕向地)は、数量・金額ともに香港、シンガポールが高いシェアを占めた。
2020年度のコメの品種開発・生産・加工・流通・販売(輸出及び現地生産)ビジネスは前年度比105.6%の379億円と推計した。一方、2020年度は新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛や店舗休業・時短営業が実施された影響により、日配米飯(おにぎり、持ち帰り弁当、給食弁当等)と加工米飯(冷凍米飯、レトルト米、無菌包装米飯等)を合算した国内の米飯市場(小売金額ベース)は前年度比93.4%の2兆3,543億円であった。

2.注目トピック

パックご飯(無菌包装米飯)の常食利用が拡大

パックご飯(無菌包装米飯)はレンジアップするだけで手軽に喫食でき、保管場所も選ばない利便性がある。日常食やローリングストック(震災に備え使用分を買い足しながら一定量の食料を備蓄)に適する商品として認知も拡大している。
こうした多様化するニーズに合わせ小・大容量パック、多食パック、ブランド米、発芽玄米など商品種類が充実する一方、参入企業の増加に伴い価格競争が激化するなど厳しい一面があるのも事実である。低価格商品が拡充する中、メーカー各社はブランド米や機能米を使用した高付加価値商品で高単価化を目指す方向となっている。2020年度の無菌包装米飯市場(小売金額ベース)は、前年度比 108.1%の783億円となった。

3.将来展望

コメビジネスの市場は海外の旺盛な外食需要に支えられており、世界で日本米のプレゼンスは高まりつつある。今後、所得水準のさらなる上昇が期待されるアジア各国はじめ、アメリカ、オーストラリア、ロシアなど欧米諸国でも日本米(短粒種)需要の増加が見込まれる。

世界の米消費の8割はインディカ米が占めており、長細く粘りの少ない特徴から日本米とは似て非なる品種であり、茹でることが基本の調理法も異なっている。
一方、炊飯器の普及していない一般家庭では、日本米の調理のハードルは高いが、国内で常食利用の拡大するパックご飯は手軽に喫食できるため、海外でも個人消費を促す可能性はある。
こうしたことから、2025年度のコメビジネスの市場は733億円(2020年度比 193.4%)と大きく拡大する見通しとなり、単身・共働き世帯の調理の代替需要を取込むことで、2025年度の国内米飯市場(小売金額ベース)も2兆4,561億円(2020年度比104.3%)に拡大すると予測する。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2021年4月~2021年10月
    2.調査対象: コメビジネス関連企業、日配米飯メーカー、加工米飯メーカー、官公庁、関連業界団体ほか
    3.調査方法: 当社専門研究員による面談面談(オンライン含む)、電話・eメールによる取材、ならびに文献調査併用

    <コメビジネスとは>

    本調査におけるコメビジネスとは、日本企業が主体となってコメの品種開発から生産、加工、流通、販売の一連のプロセスに広く関わるビジネス[国産米の輸出及び短粒種である日本(ジャポニカ)米などの海外現地生産関連ビジネスを含む]と、高機能米の開発・加工関連ビジネスを対象とする。

    <米飯市場とは>

    本調査における米飯市場とは、日本国内の日配米飯(弁当、おにぎり、持ち帰り弁当、持ち帰り寿司、持ち帰り丼、給食弁当他)と加工米飯(冷凍米飯、レトルト米飯、無菌包装米飯他)を対象とし、市場規模は小売金額ベースで算出した。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    コメビジネス;コメの品種開発・生産・加工・流通・販売(輸出及び現地生産)ビジネス、機能米の開発・加工関連ビジネス、米飯市場;弁当、おにぎり、持ち帰り弁当、持ち帰り寿司、持ち帰り丼、給食弁当、冷凍米飯、レトルト米飯、無菌包装米飯

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2021年10月29日
    体裁
    A4 327ページ
    価格(税込)
    165,000円 (本体価格 150,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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