プレスリリース
No.2926
2022/02/21
紙・板紙市場に関する調査を実施(2021年)

2021年の紙・板紙の製紙メーカー出荷量(国内出荷+輸出)は増加見込みも、本格回復には至らず
~紙・板紙の各品種における回復度合いの差も鮮明になる見込み~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役:水越孝)は、国内外の紙・板紙市場を調査し、製品セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

紙・板紙の出荷量推移・予測
紙・板紙の出荷量推移・予測

1.市場概況

 日本製紙連合会資料によると、2020年(2020年1月~12月)の紙・板紙の製紙メーカー出荷量(国内出荷+輸出)は、前年比8.2%減の2,309万tとなった。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、経済活動が停滞、紙・板紙の各品種は軒並み近年にはない減少幅となっており、出荷量はリーマン・ショックの影響を受けた2009年以来の大幅減少となった。段ボール原紙は国内出荷量は低迷したものの、輸出量が急拡大したことによりプラス成長となったため、2020年は板紙の出荷量構成比が初めて紙の出荷量構成比を上回った。コロナ禍において、需要構造の変動が加速している。

2.注目トピック

王子グループを除く主要メーカーが値上げを発表

 王子グループを除く主要洋紙メーカーでは、2022年1月出荷分より、印刷・情報用紙、白板紙等の値上げを発表、またレンゴー、大王製紙、日本製紙においては、2022年2月出荷分より段ボール原紙やクラフト紙等の値上げを発表している。これは、昨今の原燃料価格や物流費の高騰により、生産コストを自助努力では吸収出来なくなったことによる。
特に洋紙メーカーにおいては、需要が先細る中での生産コスト上昇は、先々の状況を視野に入れると看過できなかったと見られる。今回の発表は、各メーカーの需要の先行きに対する危機感の表れとも言える。
また、2050年を期限とした脱炭素化(カーボンニュートラルの実現)という重要課題が浮上したことも大きい。この課題解決のために、将来、各メーカーのコスト負担は確実に増す。厳しい市場環境の中で、新価格が市場に浸透するか、注目される。

3.将来展望

 2021年の紙・板紙の製紙メーカー出荷量(国内出荷+輸出)は、前年比2.6%増の2,369万t程度となる見込みである。日本経済の持ち直しとともに需要は回復しつつある中、前年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって大幅減となった紙・板紙の出荷量は増加する見通しである。しかし一方で、コロナ禍前の2019年と比較すると、国内出荷量については全品種において、2019年の出荷量を下回る見込みである。また、各品種の回復度合いに差が出ており、特に印刷・情報用紙や新聞用紙などのグラフィック用紙の回復が遅れている。

​ 2022年の紙・板紙の製紙メーカー出荷量は、前年比3.2%増の2,445万tになると予測する。板紙については、白板紙は微減から横ばい基調で推移すると見られるものの、段ボール原紙は大規模な天候不順等がなければ、世界的な需要の高まりに引っ張られる形で、増加推移すると予測する。一方、情報媒体としての紙は、本格的な経済回復に後押しされ、増加で推移すると見られるものの、その増加幅は小幅にとどまり、出荷量はコロナ禍前の水準には戻らないと予測する。

オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます!

【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  2-1.印刷用紙
     2-2.新聞用紙
     2-3.段ボール原紙
  • 注目トピックの追加情報
  • 将来展望の追加情報

  • 以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

    調査要綱

    1.調査期間: 2021年10月~12月
    2.調査対象: 紙パルプメーカー、紙および紙製品等の流通業者、総合商社、新聞社、紙器・紙製品メーカー、その他関連業者
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話によるヒアリング調査、郵送アンケート調査、ならびに文献調査併用

    <紙・板紙市場とは>

     紙市場は新聞用紙や印刷・情報用紙、包装用紙、トイレットペーパーなどの衛生用紙、工業用・家庭用雑種紙を、板紙市場は段ボール原紙や紙器用板紙、雑板紙を対象とし算出されている。2008年から2020年までの実績値は日本製紙連合会資料より引用、2021年見込値および2022年予測値は矢野経済研究所推計値。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    紙・板紙、製紙原材料(チップ、パルプ、古紙)、製紙用薬品(情報用紙薬品、サイズ剤、表面サイズ剤、紙力増強剤、コーティング顔料・填料、バインダー薬品等)、国内業界別需要動向(新聞、出版、印刷、通販、段ボール、紙器、紙製品)、国内主要紙・板紙代理店販売ランキング、世界55カ国の紙・板紙・パルプ生産量

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2021年12月28日
    体裁
    B5 1009ページ
    価格(税込)
    143,000円 (本体価格 130,000円)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
    住所
    〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
    電話番号
    03-5371-6912
    メールアドレス
    press@yano.co.jp
    ©2022 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
      本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
      報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
      利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。