プレスリリース
No.2976
2022/05/19
空飛ぶクルマ世界市場に関する調査を実施(2022年)

2050年の空飛ぶクルマ世界市場規模は120兆円超への成長を予測
~あと数年に迫った事業開始に伴い、世界各国で機体と周辺設備の開発が激化~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、世界の空飛ぶクルマ市場を調査し、地域、国別や参入企業各社の動向、将来展望などを明らかにした。
空飛ぶクルマ世界市場規模予測
空飛ぶクルマ世界市場規模予測

1.市場概況

近年、米国Uberが事業構想「Uber Elevate White Paper」を発表し、空の移動に向けて積極的な開発を進めたことを発端に空飛ぶクルマ市場の動きは活発化し、具体的な事業化ステージが見えつつある。
小型航空機の認知度が高いことや実証試験のサイクルが早いことから、欧州や北米、中国の3地域・国が先行しており、2025年を起点に多くの事業が始まり、急激な機体導入やインフラ整備が進む見込みである。
本調査ではこれらの状況に対して、日本、その他地域を加えた世界5地域・国で、それぞれで起こり得る内容を加味し、2025年の空飛ぶクルマ世界市場規模を146億2,500万円と予測する。ただ、これはこの先の加速的な成長期への入り口に過ぎないと考えられる。

2.注目トピック

国内初となるお披露目に向け、制度調整を行うための検討会が活発化

日本国内での空飛ぶクルマ事業化も2025年とみられているが、これは同年に大阪府で開催される「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が大きな要因とされている。
経済産業省と国土交通省では「空の移動革命に向けた官民協議会」を設置しているが、同様に大阪府では大阪・関西万博に向けて「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」を設置し、特に同府や周辺地域を含めた整備も併せて関連事業者が集まり、積極的な意見交換や検討会を進めている。そこではユースケースを踏まえた運航プランの検討や課題・論点の整理、具体的な行動計画を取りまとめ、2022年3月23日には大阪版ロードマップを公表している。
これをもとに、大阪・関西万博とそれ以降の空飛ぶクルマ実装に向けて更なる事業成長に繋がるような動きを高めていく方針となっている。

3.将来展望

空飛ぶクルマの実用化は、単なる空の移動手段としてではなく、観光や競技用といった従来の交通手段と比較して様々な業界を巻き込む形での付加価値も生み出し、関係する産業・業界と併せて双方が同時に成長・拡大していく可能性がある。

事業化の必要条件である「社会受容性」「機体開発」「地上インフラや管制システム」「法規制」が整備されていくことで、2030年以降2035年までには先行する欧州や北米、中国以外の日本やその他地域においても新しい移動手段としてより定着していき、利用層が急激に多くなることから、急成長する見通しである。そして、2040年代に入ると5地域・国全体で公共移動手段需要に加えて、個人所有の需要が新たに増加するなど、更なる市場拡大が期待できる。これらを含め、市場が安定するであろう2050年の空飛ぶクルマ世界市場規模は120兆円超へ成長すると予測する。

空飛ぶクルマ市場の成長には、機体の更なる技術開発や社会受容性を高めることなど、課題は多岐に渡る。しかし、そのいずれも対処不可能なものではない。そのため、これらと併せて利用者になる我々が新しい空の乗り物に興味を持ち、受け入れやすい・発展されやすい環境を作ることも有効な視点となる。

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Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  日本とその他地域
     空飛ぶクルマ「ティルトロータータイプ」の販売価格推移
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  •  事業化には多くの課題が山積、そのいずれもハードルは高いが前向きな開発が進む
     空の移動普及を左右する専用の離発着場も機体開発と同レベルに重要
  • 将来展望の追加情報

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    調査要綱

    1.調査期間: 2021年11月~2022年3月
    2.調査対象: 国内外の空飛ぶクルマメーカー、関連メーカー、業界団体、行政機関その他
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

    <空飛ぶクルマ市場とは>

    空飛ぶクルマとは、海外では一般的な呼称であるeVTOL(Electric Vertical Take-Off and Landing aircraft/電動垂直離着陸機)を指す場合が多く、一般的に「電動」、「自動(自律)運転」、「垂直離着陸が可能」な機能を持つモビリティを意味している。具体的には、空中に浮遊し人が操縦する航空機に分類される回転翼機や固定翼機といった種類が存在することに加え、無人の遠隔操作や自動制御によって飛行が可能なドローンに人を搭載可能にしたタイプやEV(電気自動車)ベースにプロペラや自動制御システムを備えた機体等も存在する。

    本調査における空飛ぶクルマ市場とは、「電動」「自動(自律)運転」「垂直離着陸が可能」な機能を持つモビリティを対象として、メーカー販売金額ベースで算出した。但し、2030年頃までは「自動(自律)運転」機能を持たない、操縦士が必要なモビリティも含まれる。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    空飛ぶクルマ機体のみ

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2022年03月29日
    体裁
    A4 198ページ
    価格(税込)
    165,000円 (本体価格 150,000円)

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