プレスリリース
No.2848
2021/12/06
医療用ディスポーザブル製品汎用品市場に関する調査を実施(2021年)

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年度の医療用ディスポーザブル製品汎用品市場は前年度比2.4%減の2,406億4,400万円
〜区分別に市場をみると、新型コロナウイルスの影響が大きかったキット製品市場は前年度比6.0%減、Safety(安全機構付)製品市場が同1.6%減、一方Home Use(在宅向け)市場は同2.0%増~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の医療用ディスポーザブル製品汎用品市場を調査し、市場規模推移、セグメント別動向、参入企業別動向、将来展望を明らかにした。

医療用ディスポーザブル製品汎用品市場規模推移・予測
医療用ディスポーザブル製品汎用品市場規模推移・予測

1.市場概況

2020年度の医療用ディスポーザブル製品汎用品市場は、一部生産調整が実施された製品群があるため、マイナスから横這いで推移している製品があるものの、医療施設側のDPC(製品群分類包括評価)やSPD(院内物流管理システム)導入により適切な在庫管理が推進されることで、針刺し事故防止、血液飛散防止、誤接続防止(閉鎖回路)などの感染防止対策製品であるSafety(安全機構付)製品や、排液処理システムなどの各種吸引製品やディスポ化の進展が期待できる呼吸・麻酔回路、酸素マスク・カニューラ、あるいは事務方を含む医療従事者の作業効率を向上させるキット製品は今後も施設への導入や使用量の増加が続く見通しである。

2020年度は新型コロナウイルス感染拡大により、外来患者数や検査件数、手術件数が減少した影響を受けており、2020年度の医療用ディスポーザブル製品汎用品市場は、メーカー出荷金額ベースで前年度比2.4%減の2,406億4,400万円と推計した。区分別に市場をみると、Safety(安全機構付)製品市場が前年度比1.6%減となる529億1,490万円、Home Use(在宅向け)製品市場が同2.0%増の260億9,770万円、キット製品市場は同6.0%減の393億9,170万円であった。

2021年度についてはコロナ禍の影響が引き続き懸念されているものの、Safety(安全機構付)製品や呼吸・麻酔回路、酸素マスク・カニューラ等の関連製品が市場を牽引し、ディスポーザブル製品汎用品のカテゴリーに入る製品群は、2022年度以降について市場は比較的堅調に推移する見込みである。

2.注目トピック

新型コロナウイルス感染拡大の影響について

2020年度は外来患者数や新型コロナウイルス関連患者以外の入院患者数が減少し、手術件数や検査件数も減少、医療用ディスポーザブル製品汎用品の需要に影響を与えることとなった。呼吸・麻酔回路、酸素マスク・カニューラ、バクテリアフィルター等の呼吸器関連製品群では特需が発生し、前年度を上回る結果となったが、その他の製品群に関してはほとんど全ての製品群で前期を下回る結果となっている。なお、呼吸・麻酔回路、酸素マスクについては、これまでリユース製品も数多く使用されてきたが、コロナ禍でディスポ化が加速するとみられ、排液容器など感染防止に貢献するような製品についても同様のトレンドとなる見込みである。

3.将来展望

医療用ディスポーザブル製品汎用品については、日常的に使用される製品が多いため、使用機会も多くなり、医療従事者と患者双方の安全・感染管理を踏まえた上で、ディスポ化が進み、注射針、シリンジなどは早くから対応がなされてきた。
しかし、ディスポ化が進展していなかった分野もあり、呼吸器関連製品や、排液を吸引し貯留する容器(バッグ)などはリユース製品の比率が依然高く、新型コロナウイルスが契機となって、ディスポ化が進むことが期待される。

高齢人口が増加する中、リユース製品のディスポ化、単回使用の徹底が広がることにより、今後も医療用ディスポーザブル製品汎用品市場は拡大が期待できるマーケットとなっている。また、国の政策として地域包括ケアシステムの構築が推進されており、家庭内における介護体制、医療施設と介護家庭とのインフラ整備、診療報酬以外の補助制度の充実などの支援体制が整うことで、在宅分野での需要が上乗せされる事が期待される。

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Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  Safety(安全機構付)製品
     Home Use(在宅向け)製品
     キット製品
  • 注目トピックの追加情報
  •  新型コロナウイルス ワクチン接種に伴うシリンジ、注射針の使用・生産体制について
     尿失禁治療・手術デバイス(TVT・TOT・TMV、人工尿道括約筋術)市場
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    調査要綱

    1.調査期間: 2021年5月~9月
    2.調査対象: 国内医療機器メーカー及び輸入製品の総発売元
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話による取材、ならびに郵送アンケート調査併用

    <医療用ディスポーザブル製品 汎用品とは>

    本調査における医療用ディスポーザブル製品汎用品とは、病院、クリニック、検査センター等で使用される単回使用の医療機器を指し、薬剤注入関連や輸液ライン、手術関連製品などを対象とした。注射針や翼状針などの針類、輸液などで使用される輸液セット、医療用フィルター、三方活栓や連結管など栄養ラインシステム、人工呼吸器・麻酔器で使用されるマスク、回路、ECG電極などが該当する。
    但し、同じく単回使用のカテーテル、チューブ製品は含まない

    <市場に含まれる商品・サービス>

    注射針、シリンジ、翼状針、留置針、生検針、輸液セット、延長チューブ、三方活栓、高カロリー輸液用カラバック、連結管、医療用フィルター、排液システム、酸素マスク・カニューラ、呼吸回路・麻酔回路、自動吻合器・縫合器(MIS)、尿バッグ、尿失禁装具・尿失禁デバイス、血液バック・輸血セット、自己血輸血システム、替刃メス、キット製品、インフューザー、真空採血管、血液ガス測定用採血キット、ECG電極、床ずれ防止パッド、 Safety(安全機構付)製品

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2021年09月28日
    体裁
    A4 469ページ
    価格(税込)
    132,000円 (本体価格 120,000円)

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