ヤノレポートサンプル_20201010_No1522
10/12

め、滅菌紙が使用される。EOG滅菌は通気性が必要であることから滅菌紙と不織布が使用される傾向が強い。不織布の代表格であるタイベックも低温であればオートクレーブ滅菌で使用できる。滅菌フィルムについては蒸気やガスを透過できないため、滅菌紙や不織布と組み合わせて使用されるケースが多い。このように、滅菌紙は性能面に加えて、他の素材、特に需要先がぶつかる不織布に比べて価格が安く、取り扱いも容易であることから幅広く使用されている。 中でも滅菌紙が使用される主要な滅菌方法はEOG滅菌となる。また、オートクレーブ滅菌においても滅菌紙が使われている。 滅菌バッグは医療機関で日々使用されるものであるため、景気の影響を受けにくく、それに伴い滅菌紙も近年安定した出荷を維持している。医療関連器具においては、機器や包装材料に使用される素材は、厳密な4,0003,460 3,5003,0002,5002,140 2,0001,5001,0002013年度性能評価を長期間に渡って行った上で採用しているため、素材の変更は極力避ける傾向にあり、一度決まったスペックが変更されることは極稀である。これは滅菌バッグにおいても同様である。そのため、シェアの大幅なシフトは起きにくく、各メーカーの販売量も比較的安定している。 以前よりマイナス要因として挙げられる従来のオートクレーブ滅菌やEOG滅菌から電子線や放射線滅菌へのシフトの進行については、ハードがまだ高価であるため、思うほど普及が進んでおらず、現在も市場に大きなインパクトは与えていない。電子線や放射線滅菌では、滅菌バッグがガスや蒸気を透過させる必要はないため、トップ材が紙である必要性がなくなる。そのため、電子線や放射線滅菌へのシフトが進めば、滅菌バッグの素材も滅菌紙からフィルムへのシフトが予想されてきた。 滅菌紙の市場規模推移国内メーカー販売量3,430 3,430 2,450 2,150 2016年度2017年度矢野経済研究所推定(t)国内メーカー販売量+輸入紙3,440 3,420 2,140 2014年度2015年度3,430 2,450 2,1502018年度2019年度(見)3,430 2,150

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る