ソニーの通期連結見通し、400億円の営業赤字から一転、200億円の黒字へ。スマホ向け画像センサー、ゲーム機、金融部門が営業利益を押し上げる。しかし、「らしさ」にはまだ遠い


2005年にIBMのPC事業を買収、黒字転換に3年余りを費やしたレノボであるが、2014年は出荷台数も利益も過去最高となった。
世界のパソコン市場は縮小している。ノートパソコンは前年比▲6.3%、デスクトップも▲3%である。しかし、レノボのノートパソコンは11%増、デスクトップも9%増である。中国という成長市場を主力マーケットとするアドバンテージに加えて、北米やアジア市場でも着実に競争力を向上させている。レノボは現地化の徹底を戦略の根幹に据え、成熟したコモディティ市場でシェア拡大に成功した。

ちょうど1年前、レノボはグーグルからモトローラを買収した。ここに投じられた資金は約3000億円。一方、ソニーが当期に計上した構造改革費用は3740億円である。
2月4日、ソニーの業績発表は久しぶりの「上方修正」であった。しかしながら、強調されたのは「構造改革」であり、「ソニーらしさ」を感じさせるに至っていない。
ソニーは昨年VAIOを投資ファンドに売却、これをリストラの目玉とした。しかしながら、そもそもの戦略ミスは、VAIOをコモディティ化した製品カテゴリーに押し込め続けたことにある。日産はDATSUNで新興国を狙う。ソニーにはAIWAがあった。コモディティ市場と「ソニーらしさ」は利益相反にしかなるまい。電気自動車、ロボット、航空宇宙、、、VAIO(=「らしさ」)の向かう先はいくらでもあった。もう一度、「らしさ」の更にその先を行く、そんなソニーを見てみたい。

今週の”ひらめき”視点 02.01 – 02.05

 

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