ISILの行動原理と対極にある価値


2月10日、ISILに捕われていた米国の女性活動家の死亡が確認された。オバマ大統領は「アメリカ国民を代表して遺族に深い哀悼の意を表明する」としたうえで、彼女がシリア難民の支援活動を行なっていたことに対し、「恐るべきテロリストと対極にある」とその精神と行動を賞賛する声明を発表した。

また、2月5日のスピーチでは、「自らの言論の自由と信仰の自由、そして、他者の権利を守らなければならない。誰かを守るという口実で他の誰かの権利を侵害することは、両方の自由に背く」と語った。

「正しい戦争より、不正であっても平和を選ぶ」と言ったのはローマのセネカである。そもそも米国がこの言葉の逆を選択したことが、中東を不安定化させる引き金になった。戦争は常にいずれかの側の‘正義’からはじまる。しかし、ひとまずそれは横に置こう。オバマ氏が発した2つのメッセージは、個人の自由と尊厳を最上位の価値とする社会への信頼を表明するものであり、少なくともどんなに勇ましい言葉よりISILの側の正義を挫く。

今週の”ひらめき”視点 02.08 – 02.12

 

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