H2A、打ち上げ成功、世界の商用宇宙マーケットに参入


24日、三菱重工とJAXAは、カナダの通信放送衛星を搭載した「H2A」29号機を打ち上げた。今回の成功で「H2A」の成功確率は96.6%に上昇、国際基準の95%を安定して維持したことで、IHIエアロスペースの小型衛星用ロケット「イプシロン」とともに日本の宇宙ビジネスのステージを一歩前へ進めたと言えよう。
もちろん、米ボーイング、欧州のアリアンスペース、米ベンチャー“スペースX”など、宇宙産業は新旧の競合がひしめいており、実績とコストに課題が残る日本勢にとって容易なマーケットではない。しかしながら、2020年までに40基の小型衛星、16基の中大型衛星の需要が見込まれるなど、打ち上げビジネスには確かな実需が存在する。また、日本版GPS「準天頂衛星プロジェクト」など、“打ち上げ”以外にも宇宙の可能性は広がる。とりわけ後者は、自動運転やセキュリティ分野など、ユーザーサイドにおける応用分野は無限である。
三菱やIHIをはじめとするメーカーの技術力はもちろんであるが、創造的で豊かな民間需要こそが「打ち上げ」事業を鍛えてゆくはずだ。そして、いつか宇宙ビジネスの主役がメーカーからユーザーに移ったとき、日本の宇宙産業は商用分野で世界のトップランナーの地位を獲得しているだろう。

今週の”ひらめき”視点 11.22 – 11.26

 

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