熊本地震、被災の長期化が懸念。5年前の経験は活かされているか


最初の震度7から1週間、熊本、大分の地震は未だに収束しない。被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに被害の拡大を憂慮する。
そうした中、ルネサスエレクトロニクス、富士フィルム、トヨタなど被災関連企業の生産再開の発表が相次ぐ。東日本大震災の経験は見事に活かされた。サプライチェーンの再構築、調達先の国際分散などBCP(事業継続計画)に対する各社の取り組みがこの状況下にあって機能し始めている。被災の影響は小さくないだろう。それでも企業活動の再開は地域が日常を取り戻す第1歩となるはずだ。

一方、影響が懸念される川内、伊方の原発について、政府は「被害なし、安全」を繰り返すばかりだ。これで不安は払拭されるのか。そうではない。今、政府が発表すべきコメントは、「万一に備え避難体制を準備した。1人として被爆させない」ではないか。政府は直ちに行動すべきであって、野党も「原発止めろ」を棚上げしてこれに協力すべきだ。

政府、野党、電力会社、原子力規制委、そして、賛成反対の“外野”たち、彼らは5年前の事故から何を学んだのか。今、眼の前にある危機を受け止めること、最悪のリスクを想定すること、正しい情報を速やかに開示すること、そして、あらゆる手を尽くして危機と不安を解消すること、それが福島の教訓ではないか。結局、“安全神話”の内と外でいがみ合っている人たちとそこに暮らす人々の距離は依然として遠い。

今週の”ひらめき”視点 04.17 – 04.21

 

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