過熱するアフリカ投資、恩恵は誰が享受する?


27日、日本が主導するアフリカ開発会議(TICAD)が開幕、基調講演で首相は1000万人の人材育成と3年間で約3兆円規模の投資を表明した。
アフリカへの投資は欧州、中国が先行する。とりわけ、近年は中国のプレゼンスが突出、昨年12月の「中国アフリカ協力フォーラム」では総額6兆円もの投資を約束している。
実際、アフリカへの進出企業は中国が2千社を越えているのに対し、日本は687社に止まる。現地在留者数も中国人100万人に対して、日本人は1万人に満たない。
遅れを取り戻すべく、日本は「民主主義、法の支配、市場経済のもとでの成長」を強調するとともに、質の高さで中国との違いをアピールする。

さて、日本と中国の政治的な駆け引きはさておき、健全な投資競争はアフリカ側にとって歓迎すべきであろう。しかしながら、政情不安、テロ、汚職、複雑な部族間抗争など、アフリカ固有のリスクも多い。とりわけ留意すべきは、政情の安定が“独裁”によって支えられているケースが少なくないということだ。
誰のための投資であるのか、対アフリカ投資で問われるのはまさにこの1点における“質”である。ここを間違えると、例えどれほど高質な事業であっても、いつか人々の手によって一瞬にして無に帰す可能性がある。

今週の”ひらめき”視点 08.28 – 09.01

代表取締役社長 水越 孝

 

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