プレスリリース
No.3348
2023/10/02
業務・産業向けプリンタ世界市場に関する調査を実施(2023年)

2022年度の業務・産業向けプリンタ世界出荷台数は前年度比99.6%の128万台、出荷金額は同116.1%の8,877億円
~業務・産業向けプリンタ(出力機器)世界市場は製品カテゴリにより二極化、明暗がはっきり分かれる結果へ~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、業務・産業向けプリンタの世界市場を調査し、各出力機器の出荷台数・出荷金額、利用動向、参入企業シェア・動向、将来展望を明らかにした。
業務・産業向けプリンタ世界市場推移と予測
業務・産業向けプリンタ世界市場推移と予測
UVプリンタ世界市場推移と予測
UVプリンタ世界市場推移と予測

1.市場概況

本調査では、荷物の送り状・伝票・複写用紙・契約書などの特殊用紙の印刷に特化したシリアル・インパクト・ドット・マトリクス(SIDM)プリンタやライン・インパクト・ドットプリンタ、ラベル印刷やデジタル印刷、オンデマンド(POD)印刷等が可能なプロダクションプリンタ、A2判以上の大きさの印刷が出来るLFP(大判プリンタ、インクジェット方式)の業務・産業向けプリンタ4カテゴリを対象とした。2022年度の業務・産業向けプリンタ世界出荷台数は前年度比99.6%の128万3,079台、出荷金額は同116.1%の8,877億2,100万円(いずれもメーカー出荷ベース)となった。

業務・産業向けプリンタは、新型コロナウイルスの影響による経済活動の停滞により、各カテゴリで出荷が一時的に落ち込んだ。コロナ禍の行動制限緩和とともに、企業の設備投資なども回復に転じたことで、出荷金額は回復基調となった。
各カテゴリ別に市場を見ると、出荷台数全体の6割以上を占めているSIDM市場とライン・インパクト・ドット市場は、用途が限られ、需要も減退していることから、出荷台数ベースでは前年度比で減少という結果となった。
一方、1台あたりの単価が高額で、出荷金額全体に占める割合が大きいプロダクションプリンタやLFP(インクジェット方式)は、デジタル印刷やオンデマント印刷、大判印刷等の需要が拡大しており、出荷金額ベースでは前年度比で大きく伸びている。
成長トレンドのプロダクションプリンタ市場とLFP(インクジェット方式)市場は回復、減少トレンドのSIDM市場とライン・インパクト・ドット市場は弱含みで、業務・産業向けプリンタ世界市場は製品カテゴリにより、明暗がはっきり分かれる結果となった。

2.注目トピック

UVプリンタ

UVプリンタとは、紫外線で硬化する「UV硬化インク」を用いたプリンタである。UVプリンタではプリントしながら紫外線(UV光)を照射し、瞬時にインクを硬化させるため、乾燥時間を必要としないといったメリットがある。また、耐候性にも優れ、ガラスや金属などの紙以外のメディア、円筒など平面以外のものにも印刷することが出来る。

多様な用途、速乾性、幅広い製品ラインナップなどがユーザー企業に支持されており、国内の主要メーカーのいずれも、世界市場において順調に出荷台数を伸ばしている。2022年度のUVプリンタの世界出荷台数*は前年度比115.4%の1万2,359台、出荷金額*は同109.6%の990億円となった。2023年度以降はラテックスプリンタなど、低VOCで環境に配慮した他製品の伸長もあり、市場の伸び幅は小さくなると考えるが、今後も成長は続いていくと予測する。
*業務・産業向けプリンタの出荷台数、出荷金額の内数。

3.将来展望

2023年度の業務・産業向けプリンタ世界出荷台数は、前年度比97.2%の124万6,662台、出荷金額は同107.8%の9,567億8,300万円になると予測する。

2022年度と同様に、減少トレンドにあるSIDM市場の影響で出荷台数は減少する見込みである。一方、プロダクションプリンタ市場とLFP(インクジェット方式)市場では、下位モデルの需要増による裾野拡大や印刷用途が広がっており、出荷金額は増加する見通しである。その他、半導体不足を背景とした製品の供給不足やサプライチェーンの混乱などは徐々に緩和されているものの、市場はウクライナ問題による経済活動の停滞や、円安による輸出拡大・増収などの影響を引き続き大きく受ける見込みである。

オリジナル情報が掲載された ショートレポート を1,000円でご利用いただけます!

【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  テキスタイル専用プリンタ
  • 注目トピックの追加情報
  • 将来展望の追加情報

  • 以下の 利用方法を確認する ボタン↓から詳細をご確認ください

    調査要綱

    1.調査期間: 2023年4月~9月
    2.調査対象: プリンタメーカ・販売店/パートナー
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話やeメールによる取材併用

    <業務・産業向けプリンタ市場とは>

    本年度より調査対象の出力機器を変更し、①シリアル・インパクト・ドット・マトリクス(SIDM)プリンタ、②ライン・インパクト・ドットプリンタ、③プロダクションプリンタ、④インクジェット方式のLFP(Large Format Printer:大判プリンタ)の4市場を対象とした。
    また、LFP(インクジェット方式)市場の内数には、テキスタイル専用プリンタ(ダイレクト捺染プリンタ、ガーメントプリンタ、昇華転写プリンタ専用機)や、ラテックスプリンタ、UVプリンタ、LFP(卓上・小型機)を含んでいる。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    シリアル・インパクト・ドット・マトリクスプリンタ、ライン・インパクト・ドットプリンタ、プロダクションプリンタ、LFP(インクジェット方式)

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2023年09月08日
    体裁
    A4 203ページ
    価格(税込)
    253,000円 (本体価格 230,000円)

    お問い合わせ先

    部署
    マーケティング本部 広報チーム
    住所
    〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
    電話番号
    03-5371-6912
    メールアドレス
    press@yano.co.jp
    ©2023 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
      本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
      報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
      利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。