プレスリリース
No.3498
2024/04/01
定置用蓄電池(ESS)世界市場に関する調査を実施(2024年)

2032年の定置用蓄電池(ESS)世界出荷容量を764GWhと予測
~カーボンニュートラル実現に向けた再エネ発電設備増、自家発電・自家消費需要の増加などを背景に、電力需給安定化のためのESS導入が加速し市場は成長見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2024年の定置用蓄電池(ESS)世界市場を調査し、設置先別及び需要分野別、電池種別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
定置用蓄電池(ESS)の設置先別世界市場規模推移・予測
定置用蓄電池(ESS)の設置先別世界市場規模推移・予測

1.市場概況

2022年の定置用蓄電池(Energy Storage System、以下ESS)世界市場は、メーカー出荷容量ベースで120,007MWhであったと推計する。同年は、主要国において再生可能エネルギー(以下、再エネ)及びESS導入に対する補助金や税制優遇などの政府の支援制度が強化された事や、電気料金の高騰による自家発電・自家消費の需要増加、太陽光パネル価格低下による再エネ発電コストの下落、売電利益の改善などを要因として、ESSの需要は大幅に増加した。
2023年も各国政府のESSの導入に対する財政支援を追い風に、北米(主に米国)や欧州、中国で再エネ発電設備の設置増加に対応したESSの導入が増加している。また、家庭用ESSは、比較的家庭用電気料金が高い日本や欧州、北米において導入されている。2023年のESS世界市場は前年比143.2%の171,869MWhに成長する見込みである。

2.注目トピック

レドックスフロー電池に関連するESSプロジェクトが発表され、中国企業の参入も急増傾向へ

レドックスフロー電池は電解液を循環(Flow)させて充放電を行う畜電池で、従来、主流であったバナジウムレドックスフロー電池に加え、鉄基盤レドックスフロー電池や臭化亜鉛レドックスフロー電池、鉄クロムレドックスフロー電池、亜鉛鉄レドックスフロー電池などが商用化されている。
近年、中国政府の政策および開発支援策の下で、電力系統の長周期変動への影響を抑制する長周期用ESSの技術を確立するための開発が進んでおり、これに伴い中国企業のレドックスフロー電池市場への参入が増加している。同時に、同電池に関連するESSプロジェクトも相次いで発表されている。自国企業の増加に伴い、他国企業が中国レドックスフロー電池市場に参入することは益々難しくなると見込む。一方、レドックスフロー電池を扱う中国企業は、実績をもとに海外市場での導入拡大が進展する見込みである。

3.将来展望

カーボンニュートラルの実現に向け、ESS導入は引き続き増加する見通しである。また、ESS関連メーカー各社のコスト削減に向けた努力が蓄電池価格の低減につながる見込みで、さまざまな再エネ発電設備に併設されるESS需要も拡大する見通しである。
定置用ESS世界市場は、2023年から2032年までのCAGR(年平均成長率)は18.0%となり、2032年の同世界市場規模は、メーカー出荷容量ベースで764,777MWhまで成長すると予測する。

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Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  1.家庭用ESS市場
     2.企業・業務用ESS市場
     3.電力系統用ESS市場
  • 注目トピックの追加情報
  •  LiBは更なる高性能化・低コスト化に向けて開発を進行中
     ナトリウムイオン電池の実用化がスタート、LiBの代替になれるかに注目
      携帯電話基地局及びUPS用ESS市場、2032年に容量ベースで33GWh、LiBが6割を超える
  • 将来展望の追加情報

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    調査要綱

    1.調査期間: 2023年8月~2024年3月
    2.調査対象: 日本及び海外の定置用蓄電池(ESS)関連メーカー
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用

    <定置用蓄電池(ESS)とは>

    本調査では、電力系統関連は系統電力安定用途(発電所・変電所設置、再生可能エネルギー電源併設)向けやマイクログリッドシステム向け、家庭用(戸建住宅やマンション、集合住宅向け)、企業・業務用(非常用電源やBCP対策、電力大口需要家向け)、携帯電話基地局・UPS用を​設置先(需要分野)とする定置用蓄電地(ESS:Energy Storage System)を対象とした。

    携帯電話基地局(Telecom Base Station)用ESSは、通信基地局の円滑な通信環境を構築するために活用される。次世代ネットワーク技術である5Gの本格的な商用化により、安定した電力供給と円滑な通信環境構築のためのパックアップ電源として、ESSの導入が進んでいる。また、UPS(Uninterruptible Power Supply;無停電電源装置)はコンピュータやその周辺機器の電力供給を制御する電源の電圧変動、瞬時停電、過渡電圧などの異常を防止し、安定した電力を供給する用途で導入される。

    定置用蓄電池には、リチウムイオン電池(LiB)や鉛蓄電池、ニッケル水素電池、レドックスフロー電池(RF電池)、ナトリウム基盤電池(ナトリウム硫黄[NAS]電池、ナトリウム塩化ニッケル電池、ナトリウムイオン電池、ナトリウム亜鉛溶融塩電池等)、ニッケル水素電池といった化学的エネルギー貯蔵システムを含む。

    ※関連資料
    電力系統関連の定置用蓄電池(ESS)世界市場に関する調査を実施(2024年)
    https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3469
    家庭用及び企業・業務用の定置用蓄電池(ESS)世界市場に関する調査を実施(2024年)
    https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3482

    <市場に含まれる商品・サービス>

    ESS(定置用蓄電システム)、定置用リチウムイオン電池、定置用鉛蓄電池、定置用ニッケル水素電池、定置用レドックスフロー電池、定置用ナトリウム基盤二次電池

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2024年03月15日
    体裁
    A4 397ページ
    価格(税込)
    418,000円 (本体価格 380,000円)

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