全国のリハビリテーション科を設置している病院128施設へのアンケート調査では、来年度の患者数は「前年度と概ね同数(±10%以内)」が64.8%で最も多く選択された
1.調査結果概要
2024年度の診療報酬改定におけるリハビリテーション(以下、リハビリ)関連項目は、急性期病棟と療養期(慢性期)病棟はリハビリによる患者のADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)強化、回復期病棟ではリハビリの質・効果の明確化がこれまで以上に求められるなど、様々な見直しが行われた。医療機関によっては、今回の改定内容を受けての経営悪化を懸念し、リハビリ機器等の購入を抑える動きも見受けられる。
急性期病棟でも早期から運動療法のリハビリに取り組むトレンドは広がりつつあり、認知症患者も治療の一環として運動療法を行う事例が増えている。そのため、リハビリ関連機器を展開する企業によっては、それらの取り組みに対応したリハビリ関連機器への注力を予定している。また、心不全など心疾患に注目している企業は多く、政府の後押しもあり急性期のリハビリや心臓リハビリテーションなどに応じたリハビリ関連機器の市場拡大が見込まれる。
2.注目トピック
来年度のリハビリ患者数は”現状維持”、疾患別リハビリで拡大傾向は「運動器」が最も多い
本調査では、2025年1月~3月に全国のリハビリテーション科を設置している医療施設に対して、郵送アンケート調査を実施し、128施設から回答を得た。
今後のリハビリテーションの方向性として、来年度の患者数の増減について尋ねた。回答は「前年度と概ね同数(±10%以内)」が64.8%(83施設)と最も多く選択され、次いで「前年度より10%以上増」(28.9%、37施設)が選ばれた。
また、今後の疾患別リハビリテーションとして「拡大傾向」と回答された疾患は、「運動器」が25.8%(33施設)で最も多く、次いで「心大血管」は21.9%(28施設)、「脳血管疾患」が19.5%(25施設)と続いた。自院でのリハビリの状況は、概ね順調な見込みであった。
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調査要綱
2.調査対象: 全国のリハビリテーション科を設置している医療施設128施設
3.調査方法: 郵送アンケート調査、当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<本調査について>
2025年1月~3月に全国のリハビリテーション科を設置している医療施設に対して、郵送アンケート調査を実施し、128施設から回答を得た。
本調査では、当該施設のリハビリテーション科・室に勤務する回答者から、現在の病棟設置状況、疾患別施設基準取得状況、許可病床数、延べ患者数、職員数、リハビリ支援システム利用状況、リハビリ機器導入状況と評価、運動量増加機器加算の状況、電気・磁気刺激療法の状況、心臓リハビリテーションの状況、遠隔リハビリテーションの状況、今後のリハビリテーションの方向性等の回答を得た。
また、本調査と関連して、運動療法や物理療法、言語療法などリハビリテーションの内容に応じて施設に導入されるリハビリ関連機器を展開する企業への調査を実施した。
<市場に含まれる商品・サービス>
医療施設におけるリハビリ関連機器やリハビリ治療についての状況
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