1.市場概況

中古戸建住宅及び中古マンションを不動産会社等が一旦購入し、リフォーム・リノベーションした後に販売する中古住宅買取再販市場は年々拡大しており、2024年の中古住宅買取再販市場規模（中古戸建住宅及び中古マンションの買取再販戸数の合計）は成約戸数ベースで前年比13.3％％増の52,800戸と推計した。

市場拡大の主な要因は、中古住宅に対する需要増である。特に、建築コストの高騰に伴い新築住宅価格は高騰、高止まりしており、新築と比較して相対的に割安な中古住宅の需要が増えている。なかでも、買取再販物件は、リフォーム・リノベーションが施されている物件も多く、新築同様に入居できるため、人気を博している。

また、マンションの区分所有（一室）から、マンションや事務所等の一棟単位、あるいは戸建の空き家に至るまで、実需ではなく投資目的の買取再販物件の需要も旺盛である。預金よりも利回りが高く、安定した家賃収入を獲得できることや資産形成目的など、株式や債券といった金融商品以外のオルタナティブ投資の一環として取り組む個人や法人投資家が増えているためである。

2.注目トピック

主な買取再販事業者の業績は好調を維持

主な買取再販事業者の業績は、ここ数年、総じて好調である。
主な要因は、中古住宅に対する旺盛な需要に伴う販売物件数の増加や都心部の高価格帯の販売が好調であることにある。加えて、買取再販事業者の企業努力により粗利益改善施策等が奏功したこともある。


本年度も引き続き、中古住宅ニーズの増加に伴う販売物件数増と事業者の希望価格（出し値）どおりの販売による単価増、さらには高価格帯の販売物件増が相俟って、好業績の買取再販事業者が多くみられる。

3.将来展望

2025年の中古住宅買取再販市場規模（中古戸建住宅及び中古マンションの買取再販戸数の合計）は成約戸数ベースで、前年比18.8％増の62,700戸を予測する。今後も市場は拡大基調で推移し、2030年の中古住宅買取再販市場は2024年比43.2％増の75,600戸になると予測する。

住宅ローン金利については、先高観はあるものの、それでも低金利を前提とした緩やかな上昇が見込まれることや、住宅取得時の税制優遇措置の継続など、良好な住宅取得環境が継続するといった外部環境が挙げられる。

​需給面については、新築住宅価格が高騰し、高止まりする中、割安で新築同様の住まいが実現する買取再販物件への旺盛な需要は継続するものと考える。また、築年数の経過とともにリフォーム・リノベーションを必要とする住宅ストック数は確実に増加し、それに伴い、中古住宅買取再販物件の供給は必然的に増加することも市場拡大の一因であるものとみる。

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　中古住宅に対する消費者の需要は旺盛である一方、エリアによる濃淡も

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