2024年は需要低下、収益性の低さを背景に自動車メーカーによるBEV目標の修正、戦略の見直しが相次ぎ、工場閉鎖や人員削減に踏み切る企業も出てきた。米国では11月5日の大統領選挙において共和党のトランプ氏が勝利したことでEV・気候変動対策の方針転換が予想され、11月11日に開幕したCOP29では石炭火力発電廃止・新設禁止、気候資金拠出で各国の足並みが揃わず、方向性が見えないまま会議は閉幕を迎えた。
自動車の現実的な脱炭素手法として期待されるバイオエタノール・バイオディーゼルは新興国を中心に導入拡大の動きが強まり、ブラジルはE30義務化、インドでは2025年までに全土でE20導入、インドネシアではB40義務化を目指し、混合率引き上げによってバイオ燃料の生産・消費拡大を目論む。先進国でも米国でE15の夏季販売解禁の動きが広がり、日本も2030年のE10導入に向けた歩みを始めた。究極のCN燃料「e-fuel」も各地域で実証が進み、2030年代を目途にガソリンへの混合が期待される。
本レポートは、各地域のバイオエタノール・バイオディーゼル、e-fuel、バイオガス、FFVの導入状況を可視化し、優遇政策、規制、コスト面に加え、自動車メーカー・燃料企業の戦略を踏まえ、市場規模予測をおこなっている。