軽減税率、決着。“政局”が封じた議論の本質


財務省の「還付案」が瞬殺された9月以降、「自民+財務省」対「官邸+公明」の攻防となった軽減税問題が決着した。最終的に“酒類と外食を除く生鮮と加工食品”で合意、協議は適用範囲に関する詳細な詰めに入った。

軽減される税の総額は1兆円に上る。しかし、財源問題は来年の参院選後に先送られた。一方、インボイスの導入は増税から4年後、益税問題は解消どころか拡大の懸念すら残る。
2010年の参院選、自民党は「恒久政策には恒久財源を」との財政規律を大義に、「社会保障給付と少子化対策に全額を充てることを目的に消費税を10%へ」を公約に盛り込んだ。
先送られた財源問題とは、すなわち支出の問題である。支出についての政策議論と税の公平性に対する施策が置き去りにされた今回の“決着”は、そもそもの増税の大義に叶うのか。

協議の最終局面、官邸サイドは「これは政局だ」と財務省幹部を一喝したという。“政策無き政局”に見くびられたのは役所だけではない。侮られたのはこの国そのものだ。

今週の”ひらめき”視点 12.13 – 12.17

 

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