見下され続けた安全、電力大手に驕りはないか


原子力規制委員会は24日、運転開始から40年を越えた老朽原発「高浜1、2号機」について新規制基準に適合しているとする審査書案を了承した。新基準適合原発はこれで計7基、再稼動そして老朽原発の運転期間延長の流れが粛々と形成されてゆく。一方、1200を越える契約法人を抱える新電力大手「日本ロジテック協同組合」が電力小売の申請を取り下げた。電力小売自由化を目前に控えた今、同社の事業撤退のインパクトは小さくない。

そうした中、24日、東電から再び被災地の信頼を踏みにじる発表がなされた。震災当初、事故の状況を「炉心損傷」と説明し続けたことは誤りであり、「炉心溶融」基準を定めた社内マニュアルの見落としが誤認の原因であった、という。
もっとも重大な判断を必要とするその時、もっとも高度な社内マニュアルが見過ごされたということ、そして、それが判明するまでに5年もの歳月を要したとするお粗末さに開いた口がふさがらない。その数日前、高浜4号機で放射性物質を含む1次冷却水漏れがあった。周辺環境への影響はなし、との関電からの発表も軽く聞えてくる。

2016年春闘が本格化する中、電力大手10社中7社がベアを、9社が一時金を、そして、東電は震災前の年収比5%減への回復、を要求に掲げた。
高浜4号機の冷却水漏れは「ボルトの弛み」が原因であったという。労組の要求そのものを否とするものではない。しかし、弛んでいたのは本当にボルトだけか。

今週の”ひらめき”視点 02.21 – 02.25

 

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