アセアンの注目地域~インドシナ半島(メコン地域)~


インドシナ半島が注目されている

インドシナ半島とは、タイ、ミャンマー、ベトナム、ラオス、カンボジアをカバーする半島地域である。これら5か国の中でミャンマー、ベトナム、ラオスの3か国が中国と国境を接しており、ミャンマーは中国だけでなくインドとも国境を接している。当エリアはジェトロなどが「メコン地域」という呼び名で昨年ごろから調査レポートをいくつか発表しており、以下、インドシナ半島を「メコン地域」ということにする。

世界トップの人口規模約13億人の中国とナンバー2の人口約12億人のインドに挟まれたメコン地域は、巨大市場に挟まれ、製造物流拠点としての潜在力は以前から注目されていたが、今年になってメコン地域の話題が増えてきている。その背景、きっかけとしては、今まで、中国、タイ、ベトナムへと日系製造業の進出が増えてきたが、近年労働者不足、人件費の上昇などの課題に対応するため、賃金が押さえられ労働集約型の人員確保が可能な隣国メコン地域へ製造の一部を移管する動きが出ていることが上げられる。また、事業環境面でも、当地域の各国を繋ぐ幹線道路の整備が徐々に進み、日系企業がメコン地域を面で捉えて製造物流体制を検討できる環境が整いつつある。そして、メコン地域を面で捉えた場合の人口規模(ほぼインドネシアと同じ人口規模約2億4千万人となる)と今後予測される経済成長により、一大市場へと変貌していくことが期待されている。

輸出拡大と海外からの直接投資が成長の源、物流体制構築による成長にも期待

メコン地域各国は、経済成長のために国内市場だけでなく、海外への輸出拡大が不可欠であり、国境を越えた取引、海外企業との取引には基本的に積極的である。また、タイを除くメコン地域各国は、インフラ整備の課題が多く製造技術についても未熟であるため、資金力や技術力がある海外企業の誘致には積極的である。当地域の発展は輸出拡大と海外からの直接投資にかかっている。プノンペンとホーチミンに2014年ショッピングモールを開業予定であるイオンはプノンペンでの販売商品をタイから輸送する体制を構築する予定である。幹線道路の整備状況でいうと、バンコク~プノンペン~ホーチミンを結ぶ幹線道路が2015年に全てつながる予定で、イオンの事業展開は将来的にメコン地域での物流体制構築を見込んだ展開であることは明らかである。

国境を越えたモノと人の行き来で一体化していくメコン地域 日系企業進出にも拍車

メコン地域は、現在のところ、各国ごとに政治経済環境が異なり、法制度やインフラ整備面でもかなりの格差があり、国境を越えた物流や取引については現状課題が多い。ただし、前述のように基本的に海外からの投資を受け入れて成長していく地域であり、政情が安定している限り、今後各国を繋ぐ幹線道路が整備され、モノや人の行き来が増え、当地域は自由化、オープン化してくると考えられる。国を超えたモノと人の行き来がメコン地域で徐々に始まりつつあり、日系企業も今後の進出を検討としているところは多く、当地域の発展と成長の潜在力は大いに期待できる。タイや中国にすでに進出している企業はいうまでもなく、海外新規参入企業にとっても、全てはこれからという地域だからこそ、地域と一緒に成長できるチャンスが多い地域である。参入時に失敗や苦労はつきものであるが、それを上回るリターンが当地域には存在する、今後の当地域の日系企業の活躍に期待したい。

2013年7月 上級研究員 神部 綾


コメントを残す