「サービスロボット世界市場に関する調査を実施(2025年)」に関する矢野経済研究所のマーケットデータをご紹介します。
マーケットレポート
2025年版 グローバルサービスロボット市場の現状と将来展望
価格(税込):220,000円(本体価格 200,000円)
「2025年版 グローバルサービスロボット市場の現状と将来展望」に関するマーケットデータを詳細にまとめた資料です。
市場動向、企業動向など、詳細なデータ・解説など、事業戦略の強力な武器となる情報が満載の書籍です。
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全256ページ
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第1章 グローバルサービスロボット市場の現状と展望
グローバルサービスロボット市場の現状
生成AIの台頭により、サービスロボットの性能・費用対効果や利便性も向上
複数ロボットを統合するソフトウェアの開発が導入を促進する一因となる
(図・表)サービスロボットのWW市場規模推移(数量:2024年実績-2030年予測)
(図・表)サービスロボットの国内市場規模推移(数量:2024年実績-2030年予測)
国内では本格的な労働人口の減少に備えて、目先の費用対効果に固執しない、
中長期的な視点での研究開発と実証を繰り返すことが重要
サービスロボットについても10年以上先を見据えた研究開発がより重要に
産官学一体となり、ロボット産業における戦略策を組むべき
(図)ベースケースと新機軸ケースにおける賃金の比較
(図)ベースケースと新機軸ケースにおける労働生産性の比較
(図)新機軸ケースにおける職種間のミスマッチの想定
(図)新機軸ケースにおける学歴・専攻間のミスマッチの想定
第2章 主要国におけるサービスロボット市場の政策・市場動向
主要国におけるサービスロボット市場の政策・市場動向
世界的にロボット単独に対する支援や規制の他、
AI全般に対する支援と規制の枠組みにロボットも含める傾向に
(表)日本、中国、米国、EUのロボット関連の支援政策、規制の内容と特徴の概要
1.日本
(1)政策動向
日本では「導入>研究開発」の性質が強い
(表)サービスロボットでの活用が想定される日本の導入支援策の例
中長期的な研究開発に資する補助金の拡充を求める声も
AI関連の枠組み整備では海外から遅れるものの、直近ではAI新法制定の動きも
(2)市場動向
導入直後の費用対効果を見込める分野での普及が進む
親しみを感じられる製品も人気に
(図)Puduがラインアップする「BellaBot」における表情のイメージ
2.中国
(1)政策動向
中国では官主導で、政府による統制の効力を高める点が重視される
(2)市場動向
幅広い分野での普及が見られるが、
特に従業員のモチベーションに左右されない体験価値を提供したい需要が目立つ
3.米国
(1)政策動向
米国は基本的に民間主導だが、生成AIの台頭で近年は規制論も
(2)市場動向
セキュリティ・警備、配送、調理などで導入拡大
米国ではロボットなどの自動化技術の導入に対して労働組合からの反発も存在
4.欧州
(1)政策動向
欧州は規制など運用上の仕組みの構築で先行
(表)Horizon Europeにおけるパートナーシップ形態
(表)Horizon 2020からHorizon Europeへのパートナーシップの変遷
(2)市場動向
交通、観光関連施設における人手不足対策に資するロボットの導入が拡大
第3章 家庭用ロボット市場動向
1.家庭用ロボット市場の概要
(1)家庭用清掃ロボット市場
1)家庭用清掃ロボット市場の概要
スマート連携機能の進展により家庭内オートメーションが促進
人々の生活をより楽で快適に
(図)家庭用清掃ロボットのイメージ
2)技術トレンド
AIやIoT技術の進化による多機能化の加速
3)市場規模
3-1)国内市場動向
国内市場では中国2社のシェアが増加する分、iRobotのシェアが減少傾向に
(図表)家庭用清掃ロボットの国内市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
中国は今後年平均10%程度の成長へ、
それ以上の成長率を実現できる地域は中東、欧州、ロシア
(図表)家庭用清掃ロボットのWW市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
(2)家庭用コミュニケーションロボット市場
1)家庭用コミュニケーションロボット市場の概要
「エモーショナルAI」との融合で、共感・癒しのパートナーへ進化
心のケアやストレス軽減、快適な体験の提供に貢献
(図)家庭用コミュニケーションロボットのイメージ
2)技術トレンド
音声・言語・視覚・動作・ネットワークのマルチモーダル統合技術が進化
より正確で自然な情報理解と対応を実現可能に
3)市場規模
3-1)国内市場動向
ライフスタイルの変化を強いられた中で台頭
生成AIが様々な機能の面での発展を促進し、よりオーナーに寄り添える存在に
(図表)家庭用コミュニケーションロボットの国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外では医療行為の一環としての活用が中心
医療行為以外での導入も緩やかなペースで中長期的に増加する可能性が高い
(図表)家庭用コミュニケーションロボットのWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
(3)家庭用ヒューマノイドロボット市場
1)家庭用ヒューマノイドロボット市場の概要
本格的なヒューマノイドロボット開発の幕開け
家庭用と産業用に区別せず、兼用を見極めた市場参入が拡大
(表)ヒューマノイドロボットの形態分類
2)技術トレンド
AI技術の深化が市場を動かす起爆剤に、
知覚・認知・動作が一体化した汎用プラットフォームへ進化中
3)市場規模
3-1)国内市場動向
生活支援型パーソナルロボット、2035年から黎明期に
家庭環境や文化的背景により、需要は富裕層高齢者に限定する見通し
(図表)家庭用ヒューマノイドロボットの国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
AIoT融合で家事支援からスマート機器へ進化
米・中が技術主導権を握り、生産・需要でWW市場を牽引へ
(図表)家庭用ヒューマノイドロボットのWW市場規模
(数量:2024年実績-2050年予測)
①米国市場
住宅環境の広さが市場形成を促進、屋内外での作業支援ニーズが市場を牽引
②欧州市場
高い個人購買力に対し現地プレーヤーが少ない、魅力的な市場
③中国市場
国家主導による市場形成とスケール化の加速が、産業の成長を一気に押し上げる
3-3)企業動向
・1X Technologies
家庭向けに注力、全身で学習・動作するAI「Redwood」
2025年に量産体制の構築および家庭向け稼働テスト予定
・Figure AI
自動車製造現場で業界初導入、精密作業を可能にする独自AI技術「Helix」
2025年中にヒューマノイドロボットの量産および家庭用稼働テストを開始予定
・Tesla
高精度センサーを採用し繊細で高度な制御能力が特徴
2025年より量産を開始し、2026年以降は家庭用稼働テストを開始予定
・Apptronik
Google DeepMindのAI統合で高度な環境認識と行動実行を実現
2025年より量産を開始し、2026年以降は一般市場向けの供給拡大を計画
・Agility Robotics
2023年に年間1万台規模の生産体制を構築
一般市場向けの量産展開は2025年以降を予定
・UBTECH Robotics
HuaweiとAIチップ・クラウドとの連携でロボット開発体制を構築
2025年下期に家庭用製品発売を予定、2026年に累計1万台出荷を目標
・AGIBOT
幅広い技術基盤を構築し、汎用型背品の開発と量産体制を確立
2025年に5,000台の生産を目標、家庭利用を想定した設計や運用試験を実施中
・Unitree Robotics
独自のハードウェア・ソフトウェア技術を確立
2025年には1,000台の生産を計画
第4章 業務用ロボット市場動向
1.業務用ロボット市場の概要
セキュリティ・警備ロボット、調理ロボットなどが市場拡大の原動力
(1)受付・案内ロボット市場
1)受付・案内ロボット市場の概要
生成AIの台頭で、単なる機会からコンシェルジュのような存在に進化
(図)受付・案内ロボットのイメージ
2)技術トレンド
ニッチな導入場面でも柔軟な対応が可能となるケースも登場
3)市場規模
3-1)国内市場動向
国内市場はインバウンドの増加や小売店における人手不足の深刻化を背景に増加傾向
これまで導入事例がなかった用途でも関心を抱き、加速度的に拡大
(図表)受付・案内ロボットの国内市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
現時点での最大市場は中国、病院や企業内展示物の案内における需要が大きい
近年は新興国での試験的な導入の動きも
(図表)受付・案内ロボットのWW市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
(2)業務用清掃ロボット市場
1)業務用清掃ロボット市場の概要
(図)ソフトバンクロボティクスがラインアップする業務用清掃ロボットの一覧
(2025年7月時点)
2)技術トレンド
掃除機として要求される技術は既にコモディティ化
関連各社はソフトウェア側の技術を中心に差別化を図る
3)市場規模
3-1)国内市場動向
国内では中小企業による導入がここ数年急激に増加
(図表)業務用清掃ロボットの国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外では現時点では東アジアが導入の中心
新たな地域への進出では、保守網の構築が成功のカギに
(図表)業務用清掃ロボットのWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
(3)セキュリティ・警備ロボット市場
1)セキュリティ・警備ロボット市場の概要
(図)セキュリティ・警備ロボットのイメージ
2)技術トレンド
安全を守るため他のサービスロボットと比較して高度な画像認識性能が必要
3)市場規模
3-1)国内市場動向
2025年は大阪・関西万博の開催に伴い関西地方での導入が特に増加
ロボットメーカー、警備システムベンダー、エレベーターメーカーとの
連携が市場拡大のカギ
(図表)セキュリティ・警備ロボットの国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外ではアジアを中心に拡大する可能性が高い
(図表)セキュリティ・警備ロボットのWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
(4)配膳・下げ膳ロボット市場
1)配膳・下げ膳ロボット市場の概要
(図)Alpha Roboticsが高価格帯レストランを中心に提供している配膳ロボットのイメージ
2)技術トレンド
技術面での競争は足下では限界を迎え、今後の差別化要因は価格へ
3)市場規模
3-1)国内市場動向
国内市場の成長率は鈍化傾向、2030年頃から横ばいとなる可能性が高い
今後は価格競争がより一層激しくなる可能性が高い
(図表)配膳・下げ膳ロボットの国内市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外では中国・韓国で普及が進む
今後は東南アジア方面での導入が加速する可能性が高い
(図表)配膳・下げ膳ロボットのWW市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
(5)配送ロボット(遠隔操作小型車、中速・中型ロボット、中速・小型ロボット)市場
1)配送ロボット市場の概要
国、地域およびメーカー、配送業者次第で
導入場所や導入用途がそれぞれ異なる傾向が見られる
(図)配送ロボットのイメージ
2)技術トレンド
自動運転車に近い技術を活用
近年、カメラと音声認識を組み合わせたマルチモーダル本人確認が導入される可能性が高い
3)市場規模
3-1)国内市場動向
経済産業省は買物困難者の増加を見据え、中速ロボットの実用化に向けての議論を急ぐ
一方、原動機付自転車や軽トラックが自動配送車として利用されるとの見方も存在
目先では部品などの工業用品を配送する用途での導入が増加
ラストワンマイル配送は、収益面での厳しさが課題に
(図)国交省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」における資料としての
「より配送能力の高い自動配送ロボット」の社会実装に向けたロードマップ
(図表)配送ロボット(遠隔操作小型車、中速・小型ロボット、
中速・中速ロボット)の国内市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外では敷地内配送が市場拡大を牽引
敷地が広大な大学では1つのキャンパスで60台程度が稼働中
(図表)配送ロボット(遠隔操作小型車、中速・小型ロボット、
中速・中速ロボット)のWW市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
(6)調理関連ロボット(調理ロボット、寿司ロボット、米飯盛り付けロボット)市場
1)調理関連ロボット市場の概要
「調理ロボット」は中華料理を中心に、
「寿司ロボット」「米飯盛り付けロボット」は日本食を中心に今後も普及が拡大へ
(図)調理関連ロボットのイメージ
(表)調理業務におけるロボット導入の効果比較
2)技術トレンド
店舗ソリューションシステムとの連携性の強化に注力
3)調理関連ロボット(調理ロボット)の市場規模
3-1)国内市場動向
調理ロボットは国内では技術的には成長余地は大きいが、
コスト面や人のよる調理の品質面の高さを背景に世界中では導入が低迷
(図表)調理関連ロボット(調理ロボット)の国内市場規模
(図表)調理関連ロボット(調理ロボット)の国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
グローバルでは市場全体の半数以上中国市場
調理スタッフのよって生じている味の差の解消が導入における主な要因
(図表)調理関連ロボット(調理ロボット)のWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
4)調理関連ロボット(寿司ロボット、米飯盛り付けロボット)の市場規模
国内市場における寿司ロボットは寿司屋以外の飲食店や小売店を中心に増加
(図表)調理関連ロボット(寿司ロボット)の国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
海外では寿司などの日本食レストランの増加や小売店での導入が市場拡大を牽引
(図表)調理関連ロボット(寿司ロボット)のWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
国内市場における米飯盛り付けロボットはインバウンドの増加などを背景に導入が拡大
海外でも日系企業の進出などにより増加傾向
(図表)調理関連ロボット(米飯盛り付けロボット)の国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
(図表)調理関連ロボット(米飯盛り付けロボット)のWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
第5章 主要プレーヤー動向
アイリスオーヤマ株式会社
ハード、ソフト双方の内製化の実現が目前に迫る
2027年末までに累計10万台、年間売上1,000億円を目指す
(図)アイリスオーヤマがラインアップする業務用清掃ロボット
グループ内でメーカーとベンダー双方を担うため、柔軟な体制を実現
現在はソフトウェアの内製化に注力
早ければ今年度中の完成も
株式会社アールティ
ヒューマノイドロボット開発における日本のトップランナー
現在は研究開発用のヒューマノイドロボットが主力製品
「ロボットとともに働く(Work with Robot)」の一環として
業務用サービスロボットも開発
(図)アールティがラインアップする「Foodly」のイメージ
(図)「Foodly」のカメラが唐揚げを1個ずつ認識した際のイメージ
(図)RIC90 TypeRが中の人として大阪・関西万博でのイベントに出演する「スフラ」(左)
「RIC90 TypeR」のイメージ(右)
「Sim2Real」の活用において部品メーカーとの連携を深め、
部品メーカーとともにさらなる研究開発の発展を目指す
日本でのヒューマノイドロボットの普及の鍵は
「生産性」「省人化」「安全性」の概念を直近のKPIとして採択しないこと
ヒューマノイドロボットの家庭への早期普及の鍵は「ワンショット学習」
Alpha Robotics Co.,Ltd(中国)(旧:Suzhou Pangolin Robot Co., Ltd.)
案内・配膳・配送など各種サービスロボットをラインアップ
2025年時点では案内ロボットにおいては世界トップシェアを誇る
中国のみならず日本、米国の大型小売店向けの商談が進行中
(図)Alpha Roboticsがラインアップする案内ロボットのイメージ
配膳ロボットは礼儀のある丁寧な接客ロボットを実現したことで、
高価格帯レストランでの導入が中心
(図)Alpha Roboticsが高価格帯レストランを中心に提供している配膳ロボットのイメージ
配送ロボットは、ラストワンマイル用途や工場内での部品などの配送用途に
米国、韓国、東南アジア、インド、南アフリカなどでは試験導入が始まる
(表)Alpha Roboticsの2024年における分野別出荷台数
今後は日本事業の拡大に強い意欲を見せる
販売面での協業先の確保が課題
ECOVACS Robotics Co.,Ltd(中国)
2022年より業務用清掃ロボットにも本格参入
日本メーカーのOEM先として設立も、自社製品の開発をきっかけに事業拡大を加速
2008年に最初の家庭用清掃ロボットを開発し、一大事業に成長し現在に至る
現在は中国の景気低迷を背景に、これ以上の技術の向上には慎重姿勢
今後は「砂が多い地域」「家事が嫌いな国民性」をターゲットに外国展開を拡大へ
(図)ECOVACSが2025年3月に発売した家庭用清掃ロボット「DEEBOT T50 OMNI」
業務用清掃ロボットは中国国内の政府・公共関係に強み
(図)ECOVACSが2022年に開発した業務用清掃ロボット「DEEBOT PRO M1」のイメージ
GROOVE X株式会社
「温かい」テクノロジーとして、人生に伴走する存在を目指す
「人に代わる作業」を担うのではなく「人に自然に寄り添う」ロボットを開発
(図)GROOVE X代表取締役の林要氏
本物の動物のような生命感を徹底的に追求
実現のために複数センサーの他、特注品のデバイスを採用
(図)GROOVE Xが開発した「LOVOT」のイメージ
研究開発費が膨張し収益化に長時間を要するビジネスでも、積極的な資金調達を実施
今後も株式上場などにより資金調達を継続し、天井を作らずAI性能の向上に注力
(図)LOVOT MUSEUM における過去の試作機の展示コーナー
コロナ禍での人々のライフスタイルや価値観の変化により売上が急増
近年ではリアル店舗出店の急速な拡大やイベントの開催により売上増加を目指す
(表)「LOVOTストア」における常設店の新規出店情報(2025年7月時点、予定も含む)
(表)LOVOTの販売台数推移
LOVOTを成長実感や自己肯定感を持てるようにサポートする存在に
国内外を問わずLOVOTの価値の拡散にも注力
(図)LOVOTが人々に寄り添うイメージ
株式会社ココロ(サンリオグループ)
リアル性を高めたロボットをラインアップ
高いクオリティを武器に、細部の要望にも応じたオーダーメイド製品の受注も
幅広くエンターテインメント性の高いロボットを提供
(表)ココロの売上高推移
近年は技術開発がより進展し、屋外での大型ロボット展示物も提供可能に
(図)ココロが提供した、南条サービスエリアに設置された恐竜ロボット
細部の要望に応じられる強みを生かし、特殊用途のロボットも開発
ロボット一式のみならず、一部分のみでの対応も実施
SEQSENSE株式会社
ソフトウェアに強みを持つサービスロボットメーカー
自社および共同での開発のみならず、他社製品の受託開発も手掛ける
(図)SEQSENSEがラインアップする警備ロボット「SQ-2」のイメージ
(図)SEQSENSEと川崎重工業が共同開発した配送ロボット「FORRO」
今後はスケールメリットによるコストダウンを実現してコモディティ化を目指す
シャープ株式会社(コミュニケーションロボット分野)
持ち運びが容易でオーナーに寄り添えるロボットを開発
今後は教育から介護まで全世代の人々の相棒に
「推し活」としての利用は自社も驚くほど想定以上に多い、
イベントの開催などを通して、オーナーの更なるエンゲージメント向上を図る
介護、運転支援など高齢層向け用途も
生成AIの活用で会話の精度が向上し、引き合いが急増
法人利用ではプログラミング教育が最多
観光案内や建設現場への導入も増加傾向
(表)「ロボホン」の販売台数推移
ロボホンを支えるコア部品はサーボモーター、今後は音声認識精度の向上に注力
鈴茂器工株式会社
足下では生産能力倍増に向けて工場を新設中
より広い業態、および国・地域への販売拡大に向けた取り組みを次々と実施
主力製品はシャリ玉ロボットシリーズとご飯盛付けロボット「Fuwarica」シリーズ
国内では寿司をメニューの中心とする飲食店以外を今後のターゲットに
顧客の声を取り入れ新製品の開発や既存製品の改良も次々と実現
(表)鈴茂器工の売上高(国内外)の推移
(図表)鈴茂器工の業態別売上比率(国内)
海外では米国の小売店が最重要ターゲット
(図表)鈴茂器工の海外地域別売上推移
強みの秘訣は素材・機器・組み立てなどの総合的な長年のノウハウ
2025年にはノウハウや顧客の声を最大限に反映したシャリ玉ロボットの新モデルを発売
今後はトータルソリューションとして、自社機での取得データの活用、
および店舗向けその他ソリューションと連携したシステムの提供も推進
セコム株式会社
警備会社のトータルソリューションの一環として警備ロボットを提供
60年以上前から「人は必要な場合のみに駆けつける」ことを前提とした警備システムを開発
警備ロボットもその考え方に基づき、2002年に1号機を開発
(図)「セコムロボットX2」のイメージ
主力機種「cocobo」は2022年に提供開始
これまでの機種と比較して利便性が格段に向上し、既に全機種の累計提供台数の大半を占める
(図)セコムが提供する最新モデルの警備ロボット「cocobo」のイメージ
2025年4月より公道での走行が可能に
公道での活用に関する引き合いも多く、今後提供台数が増加する見通し
「cocobo」を支えるコア部品はLiDAR用センサー
付属アームの実用化は今後に向けて検討中
ソフトバンクロボティクス株式会社(業務用清掃ロボット分野)
大型商業施設から小規模店舗まで本格的な普及拡大に対応
ファシリティマネジメントのトータルソリューションベンダーを目指す
小売業界が導入全体の半数程度を占め、
中小企業による導入がここ数年急激に増加
(図)ソフトバンクロボティクスがラインアップする業務用清掃ロボットの一覧
(表)「Whiz i」の国内出荷台数推移
今後はAI性能やクラウド連携などソフトウェアによるロボット性能の向上や運用定着を目指す
国内外のパートナー企業との連携も
米国・豪州向けの事業展開においてはサイバーセキュリティ関連規制動向に注視
Tesla, Inc.
電池やソフトウェア技術による垂直統合を通じ製品間のシナジーを実現
EVからヒューマノイドロボットまで、多角化した技術と製造体制
家庭内の普及拡大に向け、将来的に販売価格1万米ドル以下を目指す
(表)Optimusと搭載アクチュエーターの構成および主な仕様
2025年から生産開始、2026年に一般販売開始予定
2027年には120万台の生産規模を計画
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
東京都外からも多数の事業者が利用
充実したサービスロボットの研究開発支援を実施
2015年にサービスロボット分野での企業への支援を本格化
開発から試験まで、企業が活用可能な様々な設備を整備
2020年度よりサービスロボットの社会実装を後押しする新事業を開始
交流会の開催により、業界内ネットワークの構築も促進
2024年からは中小企業基盤整備機構との連携によるビジネス化の促進も
開発からビジネス化に至るまで一気通貫で支援
海外の政府系機関から支援体制についての意見交換や視察を求められることも
(表)都産技研の「クラウドと連携した5G・IoT・ロボット製品開発等支援事業」における
公募型共同研究の概要
株式会社Hakobot
四輪駆動の強みを活かし、配送ロボットの中ではニッチな分野を狙う
2025年中に適合審査を通過し、2026年より本格販売を開始する予定
買い物弱者が増加する過疎地では悪路や雪道での活用も想定し、個人への直接販売も構想
最大のメリットである積載可能重量の大きさを活かし
工業用部品の搬送での活用をメインターゲットに
部品やデバイスは全て量産品で対応し、供給リスクを軽減
寒冷地耐性のあるバッテリーを搭載するなど性能面も充実
(図)Hakobotが開発した配送ロボットにおけるセンシングのイメージ
Figure AI, Inc.
部品の簡素化とAIシステムの高度化により、生産効率と性能の向上を目指す
AI技術のリーダー企業が認めたロボット業界初のユニコーン企業
ヒューマノイドロボット「Figure」シリーズの設計の進化、量産対応へ構造を転換
(表)Figure 02のイメージおよび主な仕様
独自開発のAIシステム「Helix」、自律性と協調性を備え、多様な産業分野への応用が可能
(表)Helixシステムの主な特徴とその内容
年産12,000台の自社工場を構築、今後4年間で10万台の生産を目指す
2025年、家庭用アルファテスト開始に向け準備を本格化
Shenzhen Nonstop Technology Co., Ltd(中国)
調理ロボットの開発、提供における世界のトップランナー
Huaweiなどの大手企業から人材を迎え入れて事業拡大を加速
(図)BOTINKITの活用イメージ
(表)BOTINKITの提供台数推移
調理ロボットの参入障壁は低いとするが、AI活用やサービス面で差別化を実現
ugo株式会社
業務DX化に向けたハイブリッド型ロボットをプラットフォームと共に提供
近年ではAIの発展により、警備と同時に案内を担う性能も向上
提供先地域としては西日本に強みを持つ
(図)秋葉原駅の商業施設で案内の役割を担う第4世代(G4)のugo
足下ではAI搭載小型点検ロボット「ugo mini」の引き合いが増加
警備用途での需要も堅調であり、特に案内など複合的な機能を求める引き合いが増加傾向
(図)点検用途で主に活用されている「ugo mini」のイメージ
「ugo Platform」は自社ロボットに限らず同一施設で使用される
他社のあらゆるロボットの管理なども可能な一元管理ツールを目指す
海外はシンガポール、マレーシアに注力、2~3年後の本格販売を目指す
株式会社USEN(U-NEXT.HD)
店舗向けにサブスクリプション・サービスを提供して60年以上
ロボットなどの新サービスも受容される盤石な信頼性が強み
コロナ禍をきっかけに配膳ロボットの取扱を開始
毎年の提供台数推移は今後も微増を想定
(図)エンジニアのスキル向上を目的とした競技大会の様子
医療機関や工場、小売店など「運搬」に着目した導入も増加の傾向
今後は清掃ロボットを中心に小売店舗への提供拡大にも注力
ショートレポート
サービスロボット世界市場(2025年)
価格(税込):1,980円(本体価格 1,800円)
「2025年版 グローバルサービスロボット市場の現状と将来展望(2025年発刊、税込220,000円」の一部の内容についての概要をまとめたリーズナブルな資料です。
右記マーケットレポートの入門的な情報としてご活用ください。
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1.市場概況 ※1
2.注目セグメントの動向
家庭用ヒューマノイドロボット市場
受付・案内ロボット市場
配送ロボット(遠隔操作小型車、中速・中型ロボット、中速・小型ロボット)市場
3.注目トピック
目先の費用対効果に固執せずに、中長期的な視点での研究開発と実証実験を繰り返すことが重要 ※1
複数のサービスロボットやロボット以外のソリューションも統合管理可能なプラットフォームの発展に注目
4.将来展望 ※2
※本レポートは、2025年発刊の「2025年版 グローバルサービスロボット市場の現状と将来展望」を元に作成しています。
※1…プレスリリースにて無料公開中です
※2…プレスリリースにて一部無料公開中です
2.注目セグメントの動向
家庭用ヒューマノイドロボット市場
受付・案内ロボット市場
配送ロボット(遠隔操作小型車、中速・中型ロボット、中速・小型ロボット)市場
3.注目トピック
目先の費用対効果に固執せずに、中長期的な視点での研究開発と実証実験を繰り返すことが重要 ※1
複数のサービスロボットやロボット以外のソリューションも統合管理可能なプラットフォームの発展に注目
4.将来展望 ※2
掲載図表
- サービスロボット世界市場規模予測(9用途・分野計) ※1 ※データ掲載年:2024年実績、2025年見込、2026年・2027年・2030年予測
※本レポートは、2025年発刊の「2025年版 グローバルサービスロボット市場の現状と将来展望」を元に作成しています。
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第1章 グローバルサービスロボット市場の現状と展望
グローバルサービスロボット市場の現状
生成AIの台頭により、サービスロボットの性能・費用対効果や利便性も向上
複数ロボットを統合するソフトウェアの開発が導入を促進する一因となる
(図・表)サービスロボットのWW市場規模推移(数量:2024年実績-2030年予測)
(図・表)サービスロボットの国内市場規模推移(数量:2024年実績-2030年予測)
国内では本格的な労働人口の減少に備えて、目先の費用対効果に固執しない、
中長期的な視点での研究開発と実証を繰り返すことが重要
サービスロボットについても10年以上先を見据えた研究開発がより重要に
産官学一体となり、ロボット産業における戦略策を組むべき
(図)ベースケースと新機軸ケースにおける賃金の比較
(図)ベースケースと新機軸ケースにおける労働生産性の比較
(図)新機軸ケースにおける職種間のミスマッチの想定
(図)新機軸ケースにおける学歴・専攻間のミスマッチの想定
第2章 主要国におけるサービスロボット市場の政策・市場動向
主要国におけるサービスロボット市場の政策・市場動向
世界的にロボット単独に対する支援や規制の他、
AI全般に対する支援と規制の枠組みにロボットも含める傾向に
(表)日本、中国、米国、EUのロボット関連の支援政策、規制の内容と特徴の概要
1.日本
(1)政策動向
日本では「導入>研究開発」の性質が強い
(表)サービスロボットでの活用が想定される日本の導入支援策の例
中長期的な研究開発に資する補助金の拡充を求める声も
AI関連の枠組み整備では海外から遅れるものの、直近ではAI新法制定の動きも
(2)市場動向
導入直後の費用対効果を見込める分野での普及が進む
親しみを感じられる製品も人気に
(図)Puduがラインアップする「BellaBot」における表情のイメージ
2.中国
(1)政策動向
中国では官主導で、政府による統制の効力を高める点が重視される
(2)市場動向
幅広い分野での普及が見られるが、
特に従業員のモチベーションに左右されない体験価値を提供したい需要が目立つ
3.米国
(1)政策動向
米国は基本的に民間主導だが、生成AIの台頭で近年は規制論も
(2)市場動向
セキュリティ・警備、配送、調理などで導入拡大
米国ではロボットなどの自動化技術の導入に対して労働組合からの反発も存在
4.欧州
(1)政策動向
欧州は規制など運用上の仕組みの構築で先行
(表)Horizon Europeにおけるパートナーシップ形態
(表)Horizon 2020からHorizon Europeへのパートナーシップの変遷
(2)市場動向
交通、観光関連施設における人手不足対策に資するロボットの導入が拡大
第3章 家庭用ロボット市場動向
1.家庭用ロボット市場の概要
(1)家庭用清掃ロボット市場
1)家庭用清掃ロボット市場の概要
スマート連携機能の進展により家庭内オートメーションが促進
人々の生活をより楽で快適に
(図)家庭用清掃ロボットのイメージ
2)技術トレンド
AIやIoT技術の進化による多機能化の加速
3)市場規模
3-1)国内市場動向
国内市場では中国2社のシェアが増加する分、iRobotのシェアが減少傾向に
(図表)家庭用清掃ロボットの国内市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
中国は今後年平均10%程度の成長へ、
それ以上の成長率を実現できる地域は中東、欧州、ロシア
(図表)家庭用清掃ロボットのWW市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
(2)家庭用コミュニケーションロボット市場
1)家庭用コミュニケーションロボット市場の概要
「エモーショナルAI」との融合で、共感・癒しのパートナーへ進化
心のケアやストレス軽減、快適な体験の提供に貢献
(図)家庭用コミュニケーションロボットのイメージ
2)技術トレンド
音声・言語・視覚・動作・ネットワークのマルチモーダル統合技術が進化
より正確で自然な情報理解と対応を実現可能に
3)市場規模
3-1)国内市場動向
ライフスタイルの変化を強いられた中で台頭
生成AIが様々な機能の面での発展を促進し、よりオーナーに寄り添える存在に
(図表)家庭用コミュニケーションロボットの国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外では医療行為の一環としての活用が中心
医療行為以外での導入も緩やかなペースで中長期的に増加する可能性が高い
(図表)家庭用コミュニケーションロボットのWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
(3)家庭用ヒューマノイドロボット市場
1)家庭用ヒューマノイドロボット市場の概要
本格的なヒューマノイドロボット開発の幕開け
家庭用と産業用に区別せず、兼用を見極めた市場参入が拡大
(表)ヒューマノイドロボットの形態分類
2)技術トレンド
AI技術の深化が市場を動かす起爆剤に、
知覚・認知・動作が一体化した汎用プラットフォームへ進化中
3)市場規模
3-1)国内市場動向
生活支援型パーソナルロボット、2035年から黎明期に
家庭環境や文化的背景により、需要は富裕層高齢者に限定する見通し
(図表)家庭用ヒューマノイドロボットの国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
AIoT融合で家事支援からスマート機器へ進化
米・中が技術主導権を握り、生産・需要でWW市場を牽引へ
(図表)家庭用ヒューマノイドロボットのWW市場規模
(数量:2024年実績-2050年予測)
①米国市場
住宅環境の広さが市場形成を促進、屋内外での作業支援ニーズが市場を牽引
②欧州市場
高い個人購買力に対し現地プレーヤーが少ない、魅力的な市場
③中国市場
国家主導による市場形成とスケール化の加速が、産業の成長を一気に押し上げる
3-3)企業動向
・1X Technologies
家庭向けに注力、全身で学習・動作するAI「Redwood」
2025年に量産体制の構築および家庭向け稼働テスト予定
・Figure AI
自動車製造現場で業界初導入、精密作業を可能にする独自AI技術「Helix」
2025年中にヒューマノイドロボットの量産および家庭用稼働テストを開始予定
・Tesla
高精度センサーを採用し繊細で高度な制御能力が特徴
2025年より量産を開始し、2026年以降は家庭用稼働テストを開始予定
・Apptronik
Google DeepMindのAI統合で高度な環境認識と行動実行を実現
2025年より量産を開始し、2026年以降は一般市場向けの供給拡大を計画
・Agility Robotics
2023年に年間1万台規模の生産体制を構築
一般市場向けの量産展開は2025年以降を予定
・UBTECH Robotics
HuaweiとAIチップ・クラウドとの連携でロボット開発体制を構築
2025年下期に家庭用製品発売を予定、2026年に累計1万台出荷を目標
・AGIBOT
幅広い技術基盤を構築し、汎用型背品の開発と量産体制を確立
2025年に5,000台の生産を目標、家庭利用を想定した設計や運用試験を実施中
・Unitree Robotics
独自のハードウェア・ソフトウェア技術を確立
2025年には1,000台の生産を計画
第4章 業務用ロボット市場動向
1.業務用ロボット市場の概要
セキュリティ・警備ロボット、調理ロボットなどが市場拡大の原動力
(1)受付・案内ロボット市場
1)受付・案内ロボット市場の概要
生成AIの台頭で、単なる機会からコンシェルジュのような存在に進化
(図)受付・案内ロボットのイメージ
2)技術トレンド
ニッチな導入場面でも柔軟な対応が可能となるケースも登場
3)市場規模
3-1)国内市場動向
国内市場はインバウンドの増加や小売店における人手不足の深刻化を背景に増加傾向
これまで導入事例がなかった用途でも関心を抱き、加速度的に拡大
(図表)受付・案内ロボットの国内市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
現時点での最大市場は中国、病院や企業内展示物の案内における需要が大きい
近年は新興国での試験的な導入の動きも
(図表)受付・案内ロボットのWW市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
(2)業務用清掃ロボット市場
1)業務用清掃ロボット市場の概要
(図)ソフトバンクロボティクスがラインアップする業務用清掃ロボットの一覧
(2025年7月時点)
2)技術トレンド
掃除機として要求される技術は既にコモディティ化
関連各社はソフトウェア側の技術を中心に差別化を図る
3)市場規模
3-1)国内市場動向
国内では中小企業による導入がここ数年急激に増加
(図表)業務用清掃ロボットの国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外では現時点では東アジアが導入の中心
新たな地域への進出では、保守網の構築が成功のカギに
(図表)業務用清掃ロボットのWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
(3)セキュリティ・警備ロボット市場
1)セキュリティ・警備ロボット市場の概要
(図)セキュリティ・警備ロボットのイメージ
2)技術トレンド
安全を守るため他のサービスロボットと比較して高度な画像認識性能が必要
3)市場規模
3-1)国内市場動向
2025年は大阪・関西万博の開催に伴い関西地方での導入が特に増加
ロボットメーカー、警備システムベンダー、エレベーターメーカーとの
連携が市場拡大のカギ
(図表)セキュリティ・警備ロボットの国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外ではアジアを中心に拡大する可能性が高い
(図表)セキュリティ・警備ロボットのWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
(4)配膳・下げ膳ロボット市場
1)配膳・下げ膳ロボット市場の概要
(図)Alpha Roboticsが高価格帯レストランを中心に提供している配膳ロボットのイメージ
2)技術トレンド
技術面での競争は足下では限界を迎え、今後の差別化要因は価格へ
3)市場規模
3-1)国内市場動向
国内市場の成長率は鈍化傾向、2030年頃から横ばいとなる可能性が高い
今後は価格競争がより一層激しくなる可能性が高い
(図表)配膳・下げ膳ロボットの国内市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外では中国・韓国で普及が進む
今後は東南アジア方面での導入が加速する可能性が高い
(図表)配膳・下げ膳ロボットのWW市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
(5)配送ロボット(遠隔操作小型車、中速・中型ロボット、中速・小型ロボット)市場
1)配送ロボット市場の概要
国、地域およびメーカー、配送業者次第で
導入場所や導入用途がそれぞれ異なる傾向が見られる
(図)配送ロボットのイメージ
2)技術トレンド
自動運転車に近い技術を活用
近年、カメラと音声認識を組み合わせたマルチモーダル本人確認が導入される可能性が高い
3)市場規模
3-1)国内市場動向
経済産業省は買物困難者の増加を見据え、中速ロボットの実用化に向けての議論を急ぐ
一方、原動機付自転車や軽トラックが自動配送車として利用されるとの見方も存在
目先では部品などの工業用品を配送する用途での導入が増加
ラストワンマイル配送は、収益面での厳しさが課題に
(図)国交省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」における資料としての
「より配送能力の高い自動配送ロボット」の社会実装に向けたロードマップ
(図表)配送ロボット(遠隔操作小型車、中速・小型ロボット、
中速・中速ロボット)の国内市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
海外では敷地内配送が市場拡大を牽引
敷地が広大な大学では1つのキャンパスで60台程度が稼働中
(図表)配送ロボット(遠隔操作小型車、中速・小型ロボット、
中速・中速ロボット)のWW市場規模(数量:2024年実績-2030年予測)
(6)調理関連ロボット(調理ロボット、寿司ロボット、米飯盛り付けロボット)市場
1)調理関連ロボット市場の概要
「調理ロボット」は中華料理を中心に、
「寿司ロボット」「米飯盛り付けロボット」は日本食を中心に今後も普及が拡大へ
(図)調理関連ロボットのイメージ
(表)調理業務におけるロボット導入の効果比較
2)技術トレンド
店舗ソリューションシステムとの連携性の強化に注力
3)調理関連ロボット(調理ロボット)の市場規模
3-1)国内市場動向
調理ロボットは国内では技術的には成長余地は大きいが、
コスト面や人のよる調理の品質面の高さを背景に世界中では導入が低迷
(図表)調理関連ロボット(調理ロボット)の国内市場規模
(図表)調理関連ロボット(調理ロボット)の国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
3-2)WW市場動向
グローバルでは市場全体の半数以上中国市場
調理スタッフのよって生じている味の差の解消が導入における主な要因
(図表)調理関連ロボット(調理ロボット)のWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
4)調理関連ロボット(寿司ロボット、米飯盛り付けロボット)の市場規模
国内市場における寿司ロボットは寿司屋以外の飲食店や小売店を中心に増加
(図表)調理関連ロボット(寿司ロボット)の国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
海外では寿司などの日本食レストランの増加や小売店での導入が市場拡大を牽引
(図表)調理関連ロボット(寿司ロボット)のWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
国内市場における米飯盛り付けロボットはインバウンドの増加などを背景に導入が拡大
海外でも日系企業の進出などにより増加傾向
(図表)調理関連ロボット(米飯盛り付けロボット)の国内市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
(図表)調理関連ロボット(米飯盛り付けロボット)のWW市場規模
(数量:2024年実績-2030年予測)
第5章 主要プレーヤー動向
アイリスオーヤマ株式会社
ハード、ソフト双方の内製化の実現が目前に迫る
2027年末までに累計10万台、年間売上1,000億円を目指す
(図)アイリスオーヤマがラインアップする業務用清掃ロボット
グループ内でメーカーとベンダー双方を担うため、柔軟な体制を実現
現在はソフトウェアの内製化に注力
早ければ今年度中の完成も
株式会社アールティ
ヒューマノイドロボット開発における日本のトップランナー
現在は研究開発用のヒューマノイドロボットが主力製品
「ロボットとともに働く(Work with Robot)」の一環として
業務用サービスロボットも開発
(図)アールティがラインアップする「Foodly」のイメージ
(図)「Foodly」のカメラが唐揚げを1個ずつ認識した際のイメージ
(図)RIC90 TypeRが中の人として大阪・関西万博でのイベントに出演する「スフラ」(左)
「RIC90 TypeR」のイメージ(右)
「Sim2Real」の活用において部品メーカーとの連携を深め、
部品メーカーとともにさらなる研究開発の発展を目指す
日本でのヒューマノイドロボットの普及の鍵は
「生産性」「省人化」「安全性」の概念を直近のKPIとして採択しないこと
ヒューマノイドロボットの家庭への早期普及の鍵は「ワンショット学習」
Alpha Robotics Co.,Ltd(中国)(旧:Suzhou Pangolin Robot Co., Ltd.)
案内・配膳・配送など各種サービスロボットをラインアップ
2025年時点では案内ロボットにおいては世界トップシェアを誇る
中国のみならず日本、米国の大型小売店向けの商談が進行中
(図)Alpha Roboticsがラインアップする案内ロボットのイメージ
配膳ロボットは礼儀のある丁寧な接客ロボットを実現したことで、
高価格帯レストランでの導入が中心
(図)Alpha Roboticsが高価格帯レストランを中心に提供している配膳ロボットのイメージ
配送ロボットは、ラストワンマイル用途や工場内での部品などの配送用途に
米国、韓国、東南アジア、インド、南アフリカなどでは試験導入が始まる
(表)Alpha Roboticsの2024年における分野別出荷台数
今後は日本事業の拡大に強い意欲を見せる
販売面での協業先の確保が課題
ECOVACS Robotics Co.,Ltd(中国)
2022年より業務用清掃ロボットにも本格参入
日本メーカーのOEM先として設立も、自社製品の開発をきっかけに事業拡大を加速
2008年に最初の家庭用清掃ロボットを開発し、一大事業に成長し現在に至る
現在は中国の景気低迷を背景に、これ以上の技術の向上には慎重姿勢
今後は「砂が多い地域」「家事が嫌いな国民性」をターゲットに外国展開を拡大へ
(図)ECOVACSが2025年3月に発売した家庭用清掃ロボット「DEEBOT T50 OMNI」
業務用清掃ロボットは中国国内の政府・公共関係に強み
(図)ECOVACSが2022年に開発した業務用清掃ロボット「DEEBOT PRO M1」のイメージ
GROOVE X株式会社
「温かい」テクノロジーとして、人生に伴走する存在を目指す
「人に代わる作業」を担うのではなく「人に自然に寄り添う」ロボットを開発
(図)GROOVE X代表取締役の林要氏
本物の動物のような生命感を徹底的に追求
実現のために複数センサーの他、特注品のデバイスを採用
(図)GROOVE Xが開発した「LOVOT」のイメージ
研究開発費が膨張し収益化に長時間を要するビジネスでも、積極的な資金調達を実施
今後も株式上場などにより資金調達を継続し、天井を作らずAI性能の向上に注力
(図)LOVOT MUSEUM における過去の試作機の展示コーナー
コロナ禍での人々のライフスタイルや価値観の変化により売上が急増
近年ではリアル店舗出店の急速な拡大やイベントの開催により売上増加を目指す
(表)「LOVOTストア」における常設店の新規出店情報(2025年7月時点、予定も含む)
(表)LOVOTの販売台数推移
LOVOTを成長実感や自己肯定感を持てるようにサポートする存在に
国内外を問わずLOVOTの価値の拡散にも注力
(図)LOVOTが人々に寄り添うイメージ
株式会社ココロ(サンリオグループ)
リアル性を高めたロボットをラインアップ
高いクオリティを武器に、細部の要望にも応じたオーダーメイド製品の受注も
幅広くエンターテインメント性の高いロボットを提供
(表)ココロの売上高推移
近年は技術開発がより進展し、屋外での大型ロボット展示物も提供可能に
(図)ココロが提供した、南条サービスエリアに設置された恐竜ロボット
細部の要望に応じられる強みを生かし、特殊用途のロボットも開発
ロボット一式のみならず、一部分のみでの対応も実施
SEQSENSE株式会社
ソフトウェアに強みを持つサービスロボットメーカー
自社および共同での開発のみならず、他社製品の受託開発も手掛ける
(図)SEQSENSEがラインアップする警備ロボット「SQ-2」のイメージ
(図)SEQSENSEと川崎重工業が共同開発した配送ロボット「FORRO」
今後はスケールメリットによるコストダウンを実現してコモディティ化を目指す
シャープ株式会社(コミュニケーションロボット分野)
持ち運びが容易でオーナーに寄り添えるロボットを開発
今後は教育から介護まで全世代の人々の相棒に
「推し活」としての利用は自社も驚くほど想定以上に多い、
イベントの開催などを通して、オーナーの更なるエンゲージメント向上を図る
介護、運転支援など高齢層向け用途も
生成AIの活用で会話の精度が向上し、引き合いが急増
法人利用ではプログラミング教育が最多
観光案内や建設現場への導入も増加傾向
(表)「ロボホン」の販売台数推移
ロボホンを支えるコア部品はサーボモーター、今後は音声認識精度の向上に注力
鈴茂器工株式会社
足下では生産能力倍増に向けて工場を新設中
より広い業態、および国・地域への販売拡大に向けた取り組みを次々と実施
主力製品はシャリ玉ロボットシリーズとご飯盛付けロボット「Fuwarica」シリーズ
国内では寿司をメニューの中心とする飲食店以外を今後のターゲットに
顧客の声を取り入れ新製品の開発や既存製品の改良も次々と実現
(表)鈴茂器工の売上高(国内外)の推移
(図表)鈴茂器工の業態別売上比率(国内)
海外では米国の小売店が最重要ターゲット
(図表)鈴茂器工の海外地域別売上推移
強みの秘訣は素材・機器・組み立てなどの総合的な長年のノウハウ
2025年にはノウハウや顧客の声を最大限に反映したシャリ玉ロボットの新モデルを発売
今後はトータルソリューションとして、自社機での取得データの活用、
および店舗向けその他ソリューションと連携したシステムの提供も推進
セコム株式会社
警備会社のトータルソリューションの一環として警備ロボットを提供
60年以上前から「人は必要な場合のみに駆けつける」ことを前提とした警備システムを開発
警備ロボットもその考え方に基づき、2002年に1号機を開発
(図)「セコムロボットX2」のイメージ
主力機種「cocobo」は2022年に提供開始
これまでの機種と比較して利便性が格段に向上し、既に全機種の累計提供台数の大半を占める
(図)セコムが提供する最新モデルの警備ロボット「cocobo」のイメージ
2025年4月より公道での走行が可能に
公道での活用に関する引き合いも多く、今後提供台数が増加する見通し
「cocobo」を支えるコア部品はLiDAR用センサー
付属アームの実用化は今後に向けて検討中
ソフトバンクロボティクス株式会社(業務用清掃ロボット分野)
大型商業施設から小規模店舗まで本格的な普及拡大に対応
ファシリティマネジメントのトータルソリューションベンダーを目指す
小売業界が導入全体の半数程度を占め、
中小企業による導入がここ数年急激に増加
(図)ソフトバンクロボティクスがラインアップする業務用清掃ロボットの一覧
(表)「Whiz i」の国内出荷台数推移
今後はAI性能やクラウド連携などソフトウェアによるロボット性能の向上や運用定着を目指す
国内外のパートナー企業との連携も
米国・豪州向けの事業展開においてはサイバーセキュリティ関連規制動向に注視
Tesla, Inc.
電池やソフトウェア技術による垂直統合を通じ製品間のシナジーを実現
EVからヒューマノイドロボットまで、多角化した技術と製造体制
家庭内の普及拡大に向け、将来的に販売価格1万米ドル以下を目指す
(表)Optimusと搭載アクチュエーターの構成および主な仕様
2025年から生産開始、2026年に一般販売開始予定
2027年には120万台の生産規模を計画
地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター
東京都外からも多数の事業者が利用
充実したサービスロボットの研究開発支援を実施
2015年にサービスロボット分野での企業への支援を本格化
開発から試験まで、企業が活用可能な様々な設備を整備
2020年度よりサービスロボットの社会実装を後押しする新事業を開始
交流会の開催により、業界内ネットワークの構築も促進
2024年からは中小企業基盤整備機構との連携によるビジネス化の促進も
開発からビジネス化に至るまで一気通貫で支援
海外の政府系機関から支援体制についての意見交換や視察を求められることも
(表)都産技研の「クラウドと連携した5G・IoT・ロボット製品開発等支援事業」における
公募型共同研究の概要
株式会社Hakobot
四輪駆動の強みを活かし、配送ロボットの中ではニッチな分野を狙う
2025年中に適合審査を通過し、2026年より本格販売を開始する予定
買い物弱者が増加する過疎地では悪路や雪道での活用も想定し、個人への直接販売も構想
最大のメリットである積載可能重量の大きさを活かし
工業用部品の搬送での活用をメインターゲットに
部品やデバイスは全て量産品で対応し、供給リスクを軽減
寒冷地耐性のあるバッテリーを搭載するなど性能面も充実
(図)Hakobotが開発した配送ロボットにおけるセンシングのイメージ
Figure AI, Inc.
部品の簡素化とAIシステムの高度化により、生産効率と性能の向上を目指す
AI技術のリーダー企業が認めたロボット業界初のユニコーン企業
ヒューマノイドロボット「Figure」シリーズの設計の進化、量産対応へ構造を転換
(表)Figure 02のイメージおよび主な仕様
独自開発のAIシステム「Helix」、自律性と協調性を備え、多様な産業分野への応用が可能
(表)Helixシステムの主な特徴とその内容
年産12,000台の自社工場を構築、今後4年間で10万台の生産を目指す
2025年、家庭用アルファテスト開始に向け準備を本格化
Shenzhen Nonstop Technology Co., Ltd(中国)
調理ロボットの開発、提供における世界のトップランナー
Huaweiなどの大手企業から人材を迎え入れて事業拡大を加速
(図)BOTINKITの活用イメージ
(表)BOTINKITの提供台数推移
調理ロボットの参入障壁は低いとするが、AI活用やサービス面で差別化を実現
ugo株式会社
業務DX化に向けたハイブリッド型ロボットをプラットフォームと共に提供
近年ではAIの発展により、警備と同時に案内を担う性能も向上
提供先地域としては西日本に強みを持つ
(図)秋葉原駅の商業施設で案内の役割を担う第4世代(G4)のugo
足下ではAI搭載小型点検ロボット「ugo mini」の引き合いが増加
警備用途での需要も堅調であり、特に案内など複合的な機能を求める引き合いが増加傾向
(図)点検用途で主に活用されている「ugo mini」のイメージ
「ugo Platform」は自社ロボットに限らず同一施設で使用される
他社のあらゆるロボットの管理なども可能な一元管理ツールを目指す
海外はシンガポール、マレーシアに注力、2~3年後の本格販売を目指す
株式会社USEN(U-NEXT.HD)
店舗向けにサブスクリプション・サービスを提供して60年以上
ロボットなどの新サービスも受容される盤石な信頼性が強み
コロナ禍をきっかけに配膳ロボットの取扱を開始
毎年の提供台数推移は今後も微増を想定
(図)エンジニアのスキル向上を目的とした競技大会の様子
医療機関や工場、小売店など「運搬」に着目した導入も増加の傾向
今後は清掃ロボットを中心に小売店舗への提供拡大にも注力
