プレスリリース
No.2344
2020/02/12
携帯電話の世界市場に関する調査を実施(2019年)

2019年度の国内移動体通信端末の出荷台数は前年度比95.6%の3,619万台、2019年のスマートフォン世界出荷台数は前年比99.7%の14億1,349万台の見込

​~市場全体では停滞気味。2020年は5G商用サービスが始まるものの微増の見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、日本を含む世界主要33市場(32カ国1地域)の携帯電話サービス契約数やスマートフォンやフィーチャーフォンの市場を調査し、通信事業者別契約数や各種の出荷台数予測、メーカーシェア、5Gスマートフォン出荷台数などを明らかにした。
ここでは、タブレットやデータ通信端末を含む国内移動体端末出荷台数予測、世界のハンドセット(スマートフォン+フィーチャーフォン)出荷台数予測について、公表する。

国内移動体通信端末出荷台数実績・予測
国内移動体通信端末出荷台数実績・予測
世界のハンドセット(スマートフォン+フィーチャーフォン)出荷台数実績・予測
世界のハンドセット(スマートフォン+フィーチャーフォン)出荷台数実績・予測

1.市場概況

国内市場はサービス契約数が伸び悩む中、「格安スマホ」人気を背景に普及価格帯のスマートフォンが人気が集めており、フィーチャーフォンからの移行が進んでいる。一方で、高価格帯のスマートフォンは販売奨励金削減の影響が大きく、販売が伸び悩んでおりスマートフォン全体では減少傾向となっている。 2018年度の国内移動体通信端末の出荷台数(メーカー出荷台数ベース)は3,786万5,000台だった。2019年度における同出荷台数は、2018年度を168万台下回る3,618万5,000台の見込みである。通信事業者各社は普及価格帯製品へのシフトを進めている影響もあり、高価格帯のスマートフォンの出荷が伸び悩む傾向にある。一方で「格安スマホ」をターゲットに、海外端末メーカーの新規参入が相次いでいる。

世界市場はASEAN市場、インド市場、アフリカ市場向けのスマートフォン出荷台数が増加しているものの、世界の最大市場である中国が市場の飽和、中国経済の伸び悩みによって大幅に減少しており、中国の減少数が新興国の増加分を上回っている。また、先進国市場についても横這い状態が続いており、現在の世界市場では新興国市場が拡大の中心を担っている。
2018年の世界のハンドセット(スマートフォン+フィーチャーフォン)の出荷台数(メーカー出荷台数ベース)は17億2,545万5,000台で、そのうちスマートフォンの出荷台数は14億1,808万5,000台だった。スマートフォンは新興国での需要は拡大傾向にあるものの、先進国では頭打ちとなっている。また中国での需要が急速に落ち込んでおり、横這いの状態が続いている。2019年の世界におけるハンドセットの出荷台数は16億9,782万5,000台(前年比98.4%)で、スマートフォンの出荷台数は14億1,348万5,000台(同99.7%)を見込む。2019年もASEAN市場、インド市場、アフリカ市場では低価格スマートフォンの需要が旺盛なものの、中国市場の落ち込みが大きく補完しきれていない。

2.注目トピック

電気通信事業法改正の影響

2019年10月より電気通信事業法が一部改正された。「端末と契約の分離」が徹底され、携帯電話販売のビジネスモデルが大きく変わったが、通信事業者各社は手頃な値段の普及価格帯スマートフォンのモデルに注力したり、新たな販売モデルを導入するなど工夫を図っている。

3.将来展望

国内市場:2020年度における国内移動体通信端末の出荷台数(メーカー出荷台数ベース)は2019年度を若干上回る3,668万台を予測する。スマートフォンは5G対応製品の導入や普及価格帯の充実などにより持ち直すものの、フィーチャーフォン、タブレットなどは減少が続く見通しである。

世界市場:2020年の世界におけるハンドセット(スマートフォン+フィーチャーフォン)の出荷台数(メーカー出荷台数ベース)は17億2,790万5,000台(前年比101.8%)、そのうちスマートフォンの出荷台数は14億6,241万5,000台(同103.5%)を予測する。フィーチャーフォンはインド等一部の市場で根強い需要があるものの、減少傾向が続く見込みである。スマートフォンは新興国市場をターゲットにした低価格モデルの需要は堅調だが、高価格帯モデルは伸び悩む見通しである。

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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】
Aパターン
  • セグメント別の動向
  •  国内移動体通信端末市場 カテゴリ別出荷台数
     世界の5Gスマートフォン出荷動向
  • 注目トピックの追加情報
  •  5G商用サービスの開始
     世界情勢に翻弄される携帯電話市場。
     勢いを増す中国メーカー
  • 将来展望の追加情報

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    調査要綱

    1.調査期間: 2019年9月~12月
    2.調査対象: 国内・海外移動体通信事業者(キャリア)、移動体通信端末メーカー・部品メーカー、EMS(Electronics Manufacturing Service) / ODM(Original Design Manufacturing) 企業他
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材(国内・中国・台湾)、セミナー取材、ならびに文献調査併用

    <移動体通信サービスとは他>

    移動体通信サービスとは、移動体通信事業者(Mobile Network Operator)が提供する①音声通話、②データ通信サービスの総称を指す。課金方法には、プリペイド方式(先払い)とポストペイド(後払い)が存在し、現在は4G(第4世代移動体通信方式)によるサービスが主流である。

    国内の移動体通信端末出荷台数とは、スマートフォン、フィーチャーフォン、タブレット、モバイルデータ通信端末、ウェアラブルデバイス他を対象として、メーカー出荷台数ベースで算出した。
    また、世界のハンドセット出荷台数とは、日本を含む世界主要33市場(32カ国1地域)におけるスマートフォン(5Gを含む)、フィーチャーフォンを対象として、メーカー出荷台数ベースで算出した。但し、セルラー機能搭載タブレットやWi-Fiルーター等は除く。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    移動体通信サービス、ハンドセット(スマートフォン[5Gを含む]、フィーチャーフォン)、タブレット、ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ、スマートバンド、HMD)

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2019年12月25日
    体裁
    A4 472ページ
    価格(税込)
    275,000円 (本体価格 250,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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