プレスリリース
No.2551
2020/10/26
国内スマートシティ市場、都市OS実装エリア数を予測(2020年)

国内の都市OS実装エリア数は2030年度に累計335件まで拡大を予測、普及率は16.8%に
~2025年度予測の実装エリア数累計は60件に留まるものの、2026年度以降に普及が加速する見通し~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内スマートシティ市場を調査し、規制・法整備動向、データ提携プラットフォームや都市OSの普及動向、ITベンダのデータ連携プラットフォーム戦略、将来展望を明らかにした。ここでは、都市OS実装エリア数を予測し、普及シナリオについて公表する。

都市OS実装エリア数予測、普及シナリオ
都市OS実装エリア数予測、普及シナリオ

1.市場概況

本調査では、スマートシティ実現のために実装されるデータ連携プラットフォーム、特に都市OSに着目し、3特徴(相互運用、データ流通、拡張容易)を全て満たし、かつ、8機能群(サービス連携、認証、サービスマネジメント、データマネジメント、アセットマネジメント、外部データ連携、セキュリティ、運用)を全て有するITシステムを整備したことを以て、都市OSの実装とする。
地方自治体や特定エリア内などでスマートシティ事業を実施する主体等による都市OSの実装エリア数は、2019年度実績は0件、2020年度予測が9件となり、その後2025年度には累計60件、普及率※は3.0%になると予測する。そして、2030年度予測では累計335件、普及率は16.8%に達する見通しである。
※累計の実装エリア数を分子とし、分母は地方自治体単位での実装に加え、自治体より狭域もしくは広域の枠組みで実装されるケースも含め、2,000エリアとして算出​している。

普及シナリオを時系列にみると、2025年度までは官庁事業による都市OSの実装が中心となり、普及率も3%以下に留まる見通しである。官庁事業と自主事業を合わせても10件前後/年度の実装ペースとなり、2025年度までは緩やかな普及状況になると予測する。

ただ、その中でも2023年度にはスーパーシティ構想の成果が公表されることで、状況に変化が生じると考える。成功例の創出とマネタイズモデルの確立により、その後、地方自治体・特定エリア自らが予算を確保して都市OSを実装する自主事業が活発化し、2024年度以降は自主事業による都市OSの実装が増加するとみる。また、2025年度には、大阪・関西万博に乗じた大阪スマートシティ戦略の展開により、多様なスマートシティ事例の創出とスマートシティの知名度向上が期待できる。2023年度、2025年度と二度のターニングポイントを経て、2026年度以降は自主事業による都市OSの実装が加速すると予測する。

2.注目トピック

スーパーシティ構想の実現に向けた取り組みが本格化

2020年5月、スーパーシティ構想の実現に向けた制度の整備等を盛り込んだ「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」が成立した。2021年度から対象区域で取り組まれる計画のスーパーシティ構想は、物流や医療・介護など計10の領域から5領域以上をカバーしたサービス提供が条件として定められ、それらの取り組みを進める上で障壁となる既存の規制などについては、官庁一体となって対応することが法改正によって規定されている。

スーパーシティ構想では、これまでのスマートシティ事業よりスピーディかつ包括的に推進できる体制が整っているため、公表される成果内容が期待される。
​なお、本調査では、スーパーシティとはスマートシティの枠組みをもとに条件を狭めた事業であり、スマートシティに包含された一つの取組みと位置付けている。

3.将来展望

2026年度以降は、2023年度のスーパーシティ構想の成果公表や、2025年度の大阪・関西万博に乗じた大阪スマートシティ戦略の展開により、都市OSの実装が加速する。特に、マネタイズモデルが確立することで、官庁による補助金ではなく、地方自治体・特定エリアが自ら予算を確保して都市OSを実装するケース(自主事業)が主流になる見通しである。

普及シナリオを官庁事業・自主事業別にみると、2026年度は自主事業が20件、2027年度は35件、2028年度は50件と増加し、2030年度の都市OS実装エリア数は単年度で100件、累計件数で335件になると予測する。普及率は、2030年度には16.8%になる見通しである。

調査要綱

1.調査期間: 2020年4月~9月
2.調査対象: データ連携プラットフォーム/分散型データ利活用プラットフォーム提供事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、および電話・e-mailによるヒアリング調査、文献調査併用

<スマートシティとは>

スマートシティとは、各種データの連携と新たなテクノロジーやICTの活用を通じて、生活者の利便性・快適性向上に繋がる取組みが行われる都市または地区を指し、主に利用者、戦略、組織、ビジネス、サービス、データ連携プラットフォーム、アセット、ルールの8カテゴリから構成される。


<都市OSとは>

内閣府によると、都市OSとは「スマートシティ実現のために、スマートシティを実現しようとする地域が共通的に活用する機能が集約され、スマートシティで導入する様々な分野のサービスの導入を容易にさせることを実現するITシステムの総称」(内閣府、スマートシティ リファレンスアーキテクチャ ホワイトペーパー、2020年3月)とされる。

本調査では、データ連携プラットフォームの詳細な機能群をリファレンスアーキテクチャとして明らかにしたものを都市OSとし、3特徴(相互運用、データ流通、拡張容易)を全て満たし、かつ、8機能群(サービス連携、認証、サービスマネジメント、データマネジメント、アセットマネジメント、外部データ連携、セキュリティ、運用)を全て有するITシステムを整備したことを以て、都市OSの実装とする。

なお、都市OSはあくまでデータ連携プラットフォームの一つであり、スマートシティ事業の中には都市OS以外のデータ連携プラットフォームを実装する可能性もあるため、本調査で示す内容が国内のスマートシティを全て網羅する訳ではないことに留意されたい。

<市場に含まれる商品・サービス>

規制・法整備動向、データ提携プラットフォームや都市OSの普及動向、ITベンダのデータ連携プラットフォーム戦略など

出典資料について

資料名
発刊日
2020年09月29日
体裁
A4 159ページ
定価
180,000円(税別)

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