2021年度の生活支援サービス市場(主要5分野計)は前年度比微増の4,906億円
~働き方・暮らし方の変化がサービス活用を促進している~
1.市場概況
2021年度の生活支援サービスの主要5分野(家事代行サービス、ハウスクリーニングサービス、見守りサービス、家具・家電レンタルサービス、ホームセキュリティ)の市場規模は、前年度比3.3%増の4,906億円と推計した。
それぞれの生活支援サービスの認知度は着実に向上しているが、一方で利用者数の大幅な増加には至っておらず、限定的な需要の中で少しづつ市場が拡大している状況が続いている。そして、コロナ禍前の日常を取り戻す過程において、働き方や暮らし方の変化が起きている中で、生活支援サービスを日常的に活用することにより新しいライフスタイルの実現が進む可能性があることから、2022年度の同市場規模は、同4.7%増の5,137億円になると予測する。
生活支援サービスの果たす役割は、生活者に安心や安全を提供すること、快適な暮らしと便利なサービスを提供することである。形のある商品ではなく、体感することで満足度を得ることの出来るサービスであるため、市場拡大に当たっては、今以上の付加価値を創出し、利用者数の拡大につなげていかなければならない。
2.注目トピック
ストック型のサービスとしての成長に期待
駆け付け対応サービスのような突発的な利用、緊急時の利用といった限定的な場面での利用が想定されるサービスは会員制のビジネスとして、家事代行サービスのような月に数回や週に数回といった定期的な利用が想定されるサービスは定期契約や継続利用ビジネスとして、それぞれストックを積み上げるビジネスモデルを確立していかなければならない。
地域密着の事業者が多く、全国展開している事業者が少ないことも特徴となるが、それぞれの生活支援サービスがそれぞれの事業者の努力によって、地盤となる地域の中でストックを積み上げ、事業を拡大させていくことが期待される。
3.将来展望
2021年度まではコロナ禍の影響により行動制限がある中で、人が介在するサービスが主体の生活支援サービスはやや落ち込みを見せていたが、2022年度以降は、従来の日常を取り戻す過程において働き方や暮らし方の変化が起きていることもあり、生活支援サービスを活用することによる新しいライフスタイルの創出が進む可能性があると考える。
住まいと生活を支援するサービスは、人々の生活の根底を支える貴重なサービスとして展開されており、今後も新たなサービス領域が広がる可能性もある。生活支援サービスは、生活者の働き方や暮らし方の変化によって利用環境が変化し、またそのニーズも多様化している。加えてコロナ禍による新しい生活スタイルに適応した新たなサービス形態も出てきており、より生活者に身近なサービスとして市場が広がっていくものと期待される。
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家具・家電レンタルサービス市場
調査要綱
2.調査対象: 生活支援サービスの提供事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含)、電話・email等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
<住まいと生活支援サービスとは>
本調査では、一般生活者の日常生活を支援する、①家事代行サービス、②ハウスクリーニング(おそうじ、専門清掃)サービス、③ホームセキュリティ、④見守りサービス、⑤家具・家電レンタルサービス、⑥コインランドリー、⑦宅配型クリーニング、⑧衣類保管、⑨移動スーパー(移動販売車)、⑩緊急駆け付け対応サービス、⑪宅配ロッカーなどの住まいと生活支援サービスを対象とした。
なお、本調査における生活支援サービス市場規模とは、家事代行サービス、ハウスクリーニングサービス、見守りサービス、家具・家電レンタルサービス(いずれも利用者の支払金額ベース)、およびホームセキュリティ(事業者売上高ベース)の主要5分野合計で算出した。
<市場に含まれる商品・サービス>
家事代行サービス、ハウスクリーニングサービス、ホームセキュリティ、見守りサービス、家具・家電レンタルサービス、コインランドリー、宅配型クリーニング、衣類保管、移動スーパー(移動販売車)、緊急駆け付け対応サービス、宅配ロッカー
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