2023年度のキャラクタービジネス市場は前年度比101.4%の2兆6,508億円と予測
~ヒットが確実視されるアニメ・キャラクターがけん引し、市場規模は増加を予測~


1.市場概況
2022年度のキャラクタービジネス市場規模(商品化権・版権)は前年度比101.1%の2兆6,136億円と推計した。2022年度は、メディアミックス「ウマ娘プリティーダービー」、マンガからアニメ化された「SPY×FAMILY」「チェンソーマン」、特撮「ウルトラマン」、映画が公開された「ONE PIECE FILM RED」などバラエティに富んだキャラクターが活躍したことで、キャラクタービジネスは堅調に推移した。
キャラクタービジネス市場は商品化権と版権とで構成され、2022年度の商品化権市場(小売金額ベース)は前年度比101.4%の1兆2,736億円、版権市場(契約金額ベース)は同100.8%の1兆3,400億円となり、商品化権市場、版権市場ともにプラス成長となった。商品化権は、テーマパークでのグッズ販売がコロナ禍での行動制限等の緩和により前年度から一転して好調となり、版権ではVTuberの起用が急激に増えたことでプラスとなった。
2.注目トピック
NFTにおけるキャラクター市場動向
写真やイラスト、動画、VR作品からソースコードまでデジタル上の様々なデータがNFTアート※として市場に出回っている。
複製出来ないNFTアートが市場として盛り上がりを見せていくなかで、マンガやアニメとして過去に発表された作品がNFT化され、美術品として新たな価値を訴求している事例もある。
例えば、集英社は人気マンガ「ONE PIECE(ワンピース)」をNFT化し、ブロックチェーンを活用して美術品としての新たな価値の訴求に取り組んでいる。その他にも、ゲームやトレーディングカード分野においてもNFTアートとして市場が形成されつつあり、NFTにおけるキャラクター市場の動向が注目される。
※NFT(Non-Fungible Token)とはブロックチェーン上で発行・取引される代替不可能なデジタル資産の所有権で、NFTアートとはNFTを活用したデジタルアート作品を指す。
3.将来展望
2023年度のキャラクタービジネス市場規模(商品化権、版権)は前年度比101.4%の2兆6,508億円になると予測する。
2023年度は、YOASOBIのアニメ主題歌「アイドル」も人気で第2期のヒットが確実視される「推しの子」や、キャラクター展開で実績のある「鬼滅の刃」や「進撃の巨人」も新作アニメの放送が予定されている。また、「スーパーマリオ」は映画および「スーパーマリオブラザーズ」の11年ぶりの新作ゲーム発売などで人気が再燃する見通しである。このように、多くのファン層を持つ作品・キャラクターが目白押しであり、市場は好調となる要因が多い。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
キャラクター・文具市場
キャラクター・菓子市場
キャラクター・一般食品・飲料品市場
キャラクター・衣料品市場
キャラクター・服飾雑貨市場
キャラクター・トイレタリー市場
キャラクター・ホームファッション市場
調査要綱
2.調査対象: キャラクタービジネス関連企業(メーカー、卸などいわゆるライセンサー、ライセンシー、及び小売・流通業等)
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによるヒアリング、アンケート調査、ならびに文献調査併用
<キャラクタービジネスとは>
本調査におけるキャラクタービジネスとは、ライセンス契約によりキャラクターを商品化、広告販促使用、映画やテレビ、漫画などのメディアへ展開するビジネスを指し、商品化権と版権で構成される。
なお、本調査におけるキャラクターとはアニメーション・漫画・ゲーム・イラスト等であり、芸能人(実写)などを除く。
<市場に含まれる商品・サービス>
キャラクター商品、キャラクター版権
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