プレスリリース
No.3915
2025/10/01
自動車アフターマーケット市場に関する調査を実施(2025年)

2024年の自動車アフターマーケット市場規模は前年比105.5%の22兆1,235億円
​~変革期を迎え、参入企業においては「変化への対応力」が問われる~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2024年の自動車アフターマーケット市場を調査し、セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

自動車アフターマーケット市場規模推移
自動車アフターマーケット市場規模推移

1.市場概況

2024年の自動車アフターマーケット市場規模は、前年比105.5%の22兆1,235億円と推計した。

2024年は複数の自動車メーカーによる不正認証問題等から国内新車販売台数※1は落ち込み、自動車アフターマーケットを構成する各市場に影響をもたらした。(※1データ出所: 一般社団法人日本自動車販売協会連合会、一般社団法人全国軽自動車協会連合会)
一方、中古車の取引価格が高値で推移したことや、カー用品・各種部品や賃貸・整備・その他関連サービスの価格値上げは、自動車アフターマーケット市場の拡大に繋がった。また、消費者意識の変化を背景に、車齢及び車両の平均使用年数の長期化、オートリースやレンタカー、カーシェアリング等のモビリティサービスのニーズ拡大も、市場の拡大を後押しした。

2024年末時点での国内車両保有台数は7,897万台※2と、前年をわずかに下回った(※2データ出所:国土交通省「自動車輸送統計年報」)。近年、車両保有台数は概ね横ばいで推移しており、車両の長寿命化や高齢ドライバーの免許自主返納件数の鈍化などの理由が挙げられる。但し、人口減少や都市部への人口集中、さらに車両の利用環境や構造変化も影響することで、中長期的には国内の自動車保有台数は減少に向かう見通しである。

2.注目トピック

国内の中古車小売市場は4兆4,492億円

2024年の中古車小売市場は新車販売の不振により、中古車の慢性的なタマ(中古車販売店での在庫車両)不足が続いた。さらに、国内外の中古車ニーズが堅調であったため、需給がひっ迫し、中古車価格は高値で推移したと見られる。2024年の国内中古車小売市場規模を4兆4,492億円と推計した。

国内新車販売台数の中長期的な減少を見据え、自動車メーカーやメーカー系ディーラーは中古車販売を中心にアフターマーケット領域への参画が進んでいる。
これに対して、大手中古車販売事業者は大型店舗の新規出店を拡大するなど、中古車販売及び周辺サービスの強化を図っている。
その他、SS(サービスステーション)事業者やカー用品小売事業者など多くの事業者がしのぎを削るなど、中古車販売における競争は激化しており、資本力に乏しい中小の中古車販売事業者は、車両仕入れや人材の確保をはじめ厳しい状況に立たされつつある。​

​また、中古車輸出市場は、仕向国においてUsed in Japan(日本国内において使用された)の中古車人気が高いことや、円安により海外バイヤーにとって仕入れしやすい環境が続いたことなどが追い風となっている。2024年の中古車輸出台数は前年比101.9%の157.3万台※3となった(※3 財務省「貿易統計」)。

3.将来展望

車両の電動化や知能化といった自動車の進化や、国家間対立や安全保障上の地政学リスクなど、数多くの要因が自動車アフターマーケット市場に影響を与えている。また、日本国内においては、クルマの所有からサービス利用への消費者意識の変化や、少子高齢化を背景とする車両ユーザーの減少、整備や販売の現場での人手不足といった特有の課題に直面している。
中長期的には自動車保有台数の減少が想定されるなど、自動車アフターマーケットは変革期を迎える中、参入企業においては「変化への対応力」が問われている。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2025年5月~8月
    2.調査対象: 自動車アフターマーケット関連事業を展開する企業・団体、および管轄官庁など
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・メール等によるヒアリング、ならびに文献調査併用

    <自動車アフターマーケット市場とは>

    本調査における自動車アフターマーケットとは、新車販売後に発生する様々な事業の総称であり、その対象は①中古車事業(中古車小売、中古車輸出、中古車買取、オートオークション)、②自動車賃貸事業(オートリース、レンタカー、カーシェアリング)、③自動車部品・用品事業(カー用品、補修部品、リサイクル部品(中古・リビルト))、④自動車整備事業(自動車整備、自動車整備機器)、⑤その他関連サービス事業(自動車保険、ロードサービス)の5事業とする。
    なお、自動車アフターマーケット市場規模は、各種公表データ等を基にした矢野経済研究所の推計値である。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    新車、中古車、中古車輸出、オートオークション、入札会、オートリース、個人向けオート リース、メンテナンスリース、ファイナンスリース、レンタカー、カーシェアリング、自動車定額制サービス、カー用品、タイヤ、アルミホイール、カーオーディオ、カーナビゲーション、ドライブレコーダー、車内アクセサリー、オイル・ケミカル用品、純正部品、優良部品、補修部品、リサイクル部品、リユース部品、リビルト部品、自動車整備、車検整備、定期点検整備、事故整備、メンテナンスパック、自動車機械工具、自動車保険、自賠責保険、任意保険、ダイレクト損害保険、ロードサービス、ガソリン、セルフSS

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2025年08月29日
    体裁
    A4 320ページ
    価格(税込)
    198,000円 (本体価格 180,000円)

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    マーケティング本部 広報チーム
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