2024年の車載モータ市場は45億2,459.8万個と推計
電動化と知能化の進展により、2030年に最大60.8億個、2035年に最大68.9億個まで拡大すると予測
1.市場概況
2024年の車載モータ需要は前年比104.8%の45億2,459.8万個となった。各システム領域における車載モータ搭載で最も大きな割合を占めるのがボディ領域(構成比70.7%)、次いでパワートレイン領域(同14.7%)、シャシ領域(同9.8%)、xEV領域(同4.8%)という順である。足下で販売台数が増加するBEVやPHEVにおいては満充電航続距離の延長が課題となっている。車両全体のエネルギ効率を向上させるため、電池やモータなどの熱源の冷却、廃熱利用といった熱マネジメントの高度化が求められる。これに伴い冷却ファン、電動ウォーターポンプ、電動ウォーターバルブなどの熱マネジメント系コンポーネントは搭載数が増加している。また車室内空間の拡大、エンジン非搭載などの観点から小型化・モジュール化、静粛性に対する要求も高まっている。
2.注目トピック
新興国におけるモータ需要増加
新興国においては人口増加や経済成長、インフラ整備による自動車需要の増加、環境規制の強化、安全基準の厳格化が成長のドライバとなる。特にインドでは2023年に排ガス規制「BS6 StageⅡ」の導入により、NOx(窒素酸化物)やPM(粒子状物質)規制値の厳格化に加え、実路走行試験(RDE)の追加やOBDⅡ(車載式故障診断装置)搭載の義務化が要求されている。これに対応するべく、電子制御スロットル、EGR(排気ガス再循環)バルブなどの電動アクチュエータ搭載率は増加傾向にある。また同年には自動車アセスメント「Bharat NCAP」が開始し、2026年から商用車を中心にADAS(先進運転システム)、ABS(アンチロックブレーキシステム)、LDWS(車線逸脱警報システム)の搭載義務化が提案されていることを受け、シャシ領域でも電動油圧ブレーキやABS、EPB(電動パーキングブレーキ)などの搭載がモータ市場拡大の追い風となる。加えて、所得向上に伴う快適性要求の高まりを受け、同国の新車販売に占めるSUV比率は2020年の3割から、2024年には5割を超えている。車の大型化、高価格化に伴い、サンルーフやパワーシートなどの快適装備が追加され、小型車においてもパワーウィンドウはほぼ標準搭載となるなど、ボディ領域モータも増加している。
3.将来展望
2035年にかけて、いずれの領域においてもモータ搭載数は増加するとみられるが、最も増加率が高いとみられるのがxEV領域であり、2035年にはAggressive予測で2024年比183.6%、Conservative予測で同164.3%としている。
2030年代を見据えると、先進国においてはSDV(ソフトウェア定義車両)や知能化の観点から、特にシャシ領域、xEV領域のモータ搭載数の増加が予想される。AD(自動運転)/ADASの普及やレベルアップに伴い、ステアリングやブレーキのバイワイヤ化が始まりつつあり、ステアバイワイヤの場合、冗長性担保のためフロントに2つのモータを搭載することが多く、大型車ではロングホイールベース化に伴う後輪操舵の追加により、合計モータ搭載数は最大3個の場合もある。電動機械式ブレーキ(EMB)によるブレーキバイワイヤでは各輪に1個、計4個のモータが搭載される。また完全自動運転を見据えた場合、ECU(電子制御ユニット)冷却用の冷却回路2重化や、車載ディスプレイやシート関連の快適装備追加によるボディ領域モータの搭載数増加も見込まれる。特に中国NEV(新エネルギー車)市場においては、車載ディスプレイ、パワーシートが小型車でも標準搭載が基本となり、高級モデルでは2列目のゼログラビティシートやマッサージ機能、車載冷蔵庫などが付加価値となる。またステアバイワイヤ、EMB等の新技術に対する評価も高く、法規制や受容性の面でも先行するとみられる。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
低電圧の48V化
調査要綱
2.調査対象: モータメーカ、システムメーカ等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話ヒアリング調査、ならびに文献調査併用
<車載モータ市場とは>
本調査では、すべての乗用車および車両重量3.5t 以下の小型商用車に搭載されるモータを対象とした。スタータやオルタネータ、各種補機類からxEV(HEV、PHEV、BEV、FCEV)に用いられる主機モータまで、すべてのモータを対象としている。
ただし、カーオーディオやナビゲーションシステムに使用されるディスクドライブ・HDD 用モータのほか、一部のモータについては対象外とした。
<市場に含まれる商品・サービス>
スタータ、オルタネータ、補機モータ、主機モータなど
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