プレスリリース
No.3978
2025/12/01
建築・土木向けパイプ(主要25管種)市場に関する調査を実施(2025年)

2024年度の建築・土木向けパイプ(主要25管種)市場規模は出荷量(鋼管換算値)ベースで前年度比4.1%減の211万7,000トン

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内の建築・土木向けパイプ(主要25管種)市場を調査し、パイプ別の動向、セグメント別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

建築・土木向けパイプ(主要25管種)市場規模推移・予測
建築・土木向けパイプ(主要25管種)市場規模推移・予測

1.市場概況

2024年度の建築・土木向けパイプ(主要25管種)の市場規模は、メーカー出荷量(鋼管換算値)ベースで前年度比4.1%減の211万7,000トンと推計した。パイプの主要な需要先の1つである建設市場において、再開発などの案件自体は存在しているものの、建設コスト高騰や建設現場の労働力不足、それに起因する建設計画の見直しや着工の遅れがパイプ需要の伸び悩みに繋がっており、全体の需要を押し下げたことで市場縮小となった。


 

2.注目トピック

パイプ市場における環境の取組

パイプ市場では、温室効果ガス削減に寄与する製品が投入され始めており、廃材回収や再利用のスキームを確立するなど、サーキュラーエコノミーへの取り組みが進んでいる。
配管用炭素鋼鋼管では、製造時に排出される二酸化炭素を大幅に削減した、環境に優しい鉄鋼材料であるグリーン鋼材を用いたパイプ製品が登場し、建築設備やプラントなどでの採用が進められている。
ポリブテン管では、熱可塑性(加熱で軟化・再成形でき、冷却で固まる性質)を活かし、住宅の新築施工や保守で発生する端材や製造端材を回収して再生ペレット化し、原材料に戻すリサイクルが実施される事例が出ている。

3.将来展望

2025年度の建築・土木向けパイプ(主要25管種)の市場規模は、メーカー出荷量(鋼管換算値)ベースで前年度比0.8%減の210万1,000トンと予測する。
建設市場では、関東圏の再開発は堅調であり、関西圏ではIR事業を軸とした再開発、さらにはリニア中央新幹線計画や新幹線沿線計画などがあり、潜在的な需要は存在している。


一方で、建設現場の労働力不足から建設事業者は受注の選別や優先順位付けをしているため、潜在需要に対してそれらが顕在化するタイミングの不透明感が強く、引き続きマイナストレンドで推移する見込みである。


また、住宅分野は長期的に減少推移することが予測され、住宅向けの依存度が高い管種は減少が見込まれる。


一方、土木分野は更なる需要が期待できる。今、下水道をはじめとする地下インフラの老朽化対策や安全対策が注目されており、2026年度からの国土強靭化政策においても注力していくとされていることから、土木向けの比率が高い管種は今後の需要が期待できる。

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    調査要綱

    1.調査期間: 2025年8月~10月
    2.調査対象: 全国のパイプ製造業者、販売業者、業界団体など
    3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mailによる調査、ならびに文献調査併用

    <建築・土木向けパイプ(主要25管種)市場とは>

    本調査における建築・土木向けパイプ(主要25管種)市場とは、建築物の様々な設備配管に使用される各種パイプ、及びインフラを構成する水道・ガス・電気・その他土木工事などに使用される主要な管種のうち、独自に選定した25管種を対象とする。なお、市場規模は各々主要25管種におけるメーカー出荷量を鋼管換算値ベースで算出し、合算した。
    なお鋼管換算値とは、主要25管種の素材重量を勘案し、鋼管の重量を1として比重換算した重量を指す。

    <市場に含まれる商品・サービス>

    建築・土木向け主要25管種のパイプ:配管用炭素鋼鋼管(白・黒)、塩ビライニング鋼管、ガス用外面被覆鋼管、ポリ粉体ライニング鋼管、塗覆装鋼管、ポリエチレン被覆鋼管、ノンタールエポキシコーティング鋼管、ナイロンコーティング鋼管、ステンレス溶接鋼鋼管、ダクタイル鉄管、建築用銅管、ヒューム管、PC管、FRPM管、塩化ビニル管、ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブテン管、コルゲート管、網状管、ステンレスフレキシブル管、耐火二層管、合成樹脂可とう電線管、FEP管

    出典資料について

    資料名
    発刊日
    2025年10月31日
    体裁
    A4 361ページ
    価格(税込)
    198,000円 (本体価格 180,000円)

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