2040年度の国内太陽光発電導入量を6,570MWと予測
~大規模地上設置型への制約が強まる中、屋根設置型など地域共生モデルの比率が高まる見通し~
1.市場概況
2025年度の太陽光発電導入容量は4,585MW(ACベース)と見込む。国内の太陽光発電市場においては、2010年代から2020年代初めにかけてFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取)の活用を前提とした電源開発が進められてきた。
しかし近年は、FIT制度による太陽光発電設備の導入容量は、売電価格の低下等を背景に減少が続いている。
一方で、国内の太陽光発電市場では、FIT制度に依存しない事業形態であるPPA※1の導入が拡大している。
オンサイトPPAは脱炭素化の潮流や電気代上昇を背景に導入が進み、2025年度の「非住宅_オンサイトPPA導入容量」は1,050MW(見込)と全体の約23%まで拡大すると推計した。
また、オフサイトPPAについても、環境価値を重視する需要家による導入が進展したことで、2025年度の「非住宅_オフサイトPPA導入容量」は638MW(見込)と全体の約14%を占めると推計した。
※1 PPA(Power Purchase Agreement)とは、PPA事業者が自己資金等によって再生可能エネルギー発電所を開設して所有・運営・維持し、発電所で発電した電気を需要家に対して長期・固定価格によって供給する仕組みを指す。需要家以外の第三者が発電設備を保有することから第三者保有モデルと呼ばれている。PPAの契約期間は20年などの長期にわたるケースが多く、需要家は契約期間中、電力と環境価値などに対して固定単価の料金を支払う。
2.注目トピック
大規模地上設置型太陽光発電の縮小と屋根設置型太陽光発電の拡大
国内では、開発行為に関する法令の強化や自治体による条例制定などを背景に、大規模地上設置型太陽光発電の新規導入を取り巻く環境は厳しさを増している。
山林等を新たに開発して太陽光発電所を建設する難易度は上昇しており、今後の大規模地上設置型における新設案件はゴルフ場跡地など追加の開発が最小限に抑えられる土地の比率が高まるとみられる。
一方、政府は屋根設置型太陽光発電など比較的地域共生がしやすい設置形態への後押しを強めている。
2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、屋根設置型のポテンシャルを更に積極的に活用する方針が示されている。
屋根設置型については、導入コストの低下や自治体による新築建築物への導入義務化等の制度的後押しなどを背景に、導入が拡大する見通しである。
3.将来展望
国内における2040年度の太陽光発電導入容量は、6,570MW(ACベース)に達すると予測する。
オンサイトPPAやオフサイトPPAといったFIT制度に依存しないスキームでの導入が拡大することで、総導入容量は2026年度以降に増加に転じると予測する。
また、2030年代には、ペロブスカイト太陽電池の導入が本格化することで、市場全体の拡大を後押しするとみられる。
一方で、FIT制度による太陽光発電導入容量は減少が続き、2040年度のFIT/FIP(Feed-in Premium)制度を活用した太陽光発電(住宅用及び事業用)導入容量は405MWと、全体の約6%程度まで縮小すると予測する。
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調査要綱
2.調査対象: 太陽光パネル事業者、EPC事業者、太陽光発電事業者、電力小売事業者、PPAサービス提供事業者、その他太陽光発電に関わる事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話調査、ならびに文献調査併用
<太陽光発電導入容量について>
2024年度までのFIT及びFIP制度を活用した太陽光発電設備導入容量は資源エネルギー庁資料より引用、その他の年次・事業形態別の導入容量は矢野経済研究所による推計値
<オンサイトPPA、オフサイトPPAとは>
オンサイトPPAでは、需要家が電力を使用する拠点の建物の屋上や敷地内に、PPA事業者が太陽光発電システム等の再生可能エネルギー(以下、再エネ)発電設備を建設する。需要家は用地提供だけを行い、発電設備と敷地内の建物等を直接構内ネットワークでつないで、再エネによる電力をオンサイトで直接、需要(自家消費)できる。
一方、オフサイトPPAでは、需要家拠点の敷地外に設置された再エネ発電設備から需要家に送配電ネットワークを介して送電する。オフサイトPPAでは、PPA事業者は小売電気事業者を経由して再エネ電力を需要家に販売するため、需要家は電力自体の料金に加え、託送料や小売電気事業者への手数料などを負担することになる。
<市場に含まれる商品・サービス>
太陽光発電(新規)市場
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