2024年度のメディカルバイオニクス(人工臓器)市場規模は前年度比2.5%増の6,926億8,300万円
~全般的に症例数は回復しているなか、海外製品を中心とした生産や輸送遅延等による供給問題により引き続き影響を受け、生産コスト増による製品値上げを実施~
1.市場概況
メディカルバイオニクス(人工臓器)製品とは、病院、クリニック、検査センター等で使用される体内植込み型及び関連装置の医療機器や器具(デバイス)である。
体外循環装置を除いた人工臓器の市場では、より低侵襲な手術手技(カテーテル手術や内視鏡手術で、肉体的な負担を抑えた手術。出血量の少なさや回復の速さが特徴)が発展し、新たなデバイスが上市されていくのが市場の趨勢である。臨床現場では適用基準はあるものの、経皮的手術デバイス(皮膚を通して器具や薬剤等を入れる医療機器(カテーテルなど))が採用され、直視下手術デバイスに影響を与えている症例や製品群は増えている。
一方、骨粗鬆症や関節リウマチでは薬物療法を選択する患者数の増加が、一部ではあるが手術件数の変動につながり、マイナス要因になっている。
2024年度は全般的に症例数は回復しているなか、前年より発生している海外製品を中心とした生産や輸送遅延等による供給問題により引き続き影響を受け、医療機器や器具の製造販売(販売元)企業は生産コスト増による製品値上げを実施している状況にある。
このような状況下、2024年度のメディカルバイオニクス(人工臓器)国内市場規模(主要34項目68製品合計)は、前年度比2.5%増の6,926億8,300万円と推計した。
2.注目トピック
脳外科6製品の動向
メディカルバイオニクス(人工臓器)市場のうち、2024年度の脳外科6製品の市場規模は、脳動脈瘤クリップが脳血管内治療増加等の影響もありマイナス推移、シャントバルブは微増、脳外科領域では、塞栓コイルを含めた脳血管治療用デバイス症例や放射線治療件数の増加で開頭術は減少傾向にあり、同分野で採用される人工骨市場で厳しい状況が続くなか、前年度比0.7%増の104億800万円と推計した。
3.将来展望
メディカルバイオニクス(人工臓器)の動向を主な診療科目別にみる。
胸部・心臓血管外科、循環器領域では、TAVI・TAVR(経カテーテル大動脈弁植え込み術)は症例増や新規参入もあり続伸する一方、人工肺はマイナス、人工血管も引き続きマイナス基調となっている。
整形外科領域では高齢化の進展を背景として、人工関節市場が引き続きプラス、脊椎固定システム市場も引き続きプラスとなった。
人工腎臓及び関連製品では、血液透析患者数の年間増加数の低下や透析施設数の減少、ダイアライザー(透析装置)の伸長鈍化が想定される一方、HD(血液透析)とHDF(血液濾過透析) のうち、特にHDFの拡大が見込まれるものの、人工腎臓及び関連製品市場は微減推移が見込まれる。
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【ショートレポートに掲載されているオリジナル情報】Aパターン
胸部・心臓血管外科・循環器系19製品の動向
透析分野4製品の動向
調査要綱
2.調査対象: 国内メーカー及び輸入製品の製造販売(販売元)企業
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに電話によるヒアリング調査併用
<メディカルバイオニクス(人工臓器)市場とは>
本調査におけるメディカルバイオニクス(人工臓器)市場とは、病院やクリニック、検査センター等で使用される体内植込み型及び関連装置の医療機器や器具(デバイス)を指し、インプラント材や体外循環関連装置・製品(主要34項目、68製品)を対象とし、国内メーカー及び輸入製品の製造販売業(販売元)ベースで算出した。
主なデバイスとしては、循環器分野では人工心肺や人工血管、ペースメーカー、人工弁等、整形外科分野では人工関節や人工骨、人工靭帯、各種プレート、その他分野は人工腎臓(透析)、皮膚欠損用創傷被覆材、人工肛門・膀胱(ストーマ)、各種ステント製品等が該当する。
<市場に含まれる商品・サービス>
循環器分野(人工心肺や人工血管、ペースメーカー、人工弁等)、整形外科分野(人工関節、人工骨、人工靭帯、各種プレート)その他分野(人工腎臓(透析)、皮膚欠損用創傷被覆材、人工肛門・膀胱(ストーマ)、各種ステント製品等)
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