プレスリリース
No.4093
2026/06/23

自治体DXに関する調査を実施(2026年)

基幹業務システムの標準化の収束により自治体は「自治体職員向けの庁内業務DX」と「住民への窓口業務などのフロントヤード改革」に高い意欲

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、2025年度のアフター標準化(基幹業務システム標準化)における自治体DXの実態や今後の動向について調査を実施した。ここでは一部の分析結果を公表する。

自治体DXの取り組み・注力領域分布
自治体DXの取り組み・注力領域分布

1.調査結果概要

政府は自治体が抱えるコスト削減などを目的に2025年度末までに自治体の住民記録や税務、福祉等の20業務における基幹業務システムを統一・標準化し、デジタル庁が調達するガバメントクラウドで運用するという方針を決定したことから、全国の自治体(市区町村)では基幹業務システムの標準化を進めてきた。

本調査は2025年11月~2026年1月末に全国の自治体(市区町村)354自治体に対してアンケート調査を実施し、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み状況について、住民記録、税務、福祉等の20業務における基幹業務システム標準化が進むなかでの現況と、標準化対応後に注力意向の高い領域を比較しながら分析した。ここでは一部の分析結果を公表する。

自治体DXの取り組みについて、現在の取り組み状況(横軸)と今後の注力意向(縦軸)を散布図で表すと、各領域は2つに大別される。セキュリティの強化やマイナンバーカードの普及・利用促進に代表される継続投資領域(現在も取り組みが進んでおり、今後も注力が続く領域)と、自治体職員向けの庁内業務DX、フロントヤード※1改革、地域社会DXに代表される成長領域(現在の取り組みは途上にあるが、今後の注力意向が高い領域)である。

​成長領域に位置する「自治体職員向けの庁内業務DX」(現在40.9%:今後94.0%)および「フロントヤード改革」(現在37.6%:今後86.2%)は、いずれも今後の注力意向が9割前後に達しており、基幹業務システムの標準化対応後における自治体投資の中心となる領域である。「地域社会DX」「デジタル人材の確保」「データ利活用」も同グループに位置しており、中期的な需要の拡大が見込まれる。一方、継続投資領域に位置する「セキュリティの強化」(現在77.4%:今後85.6%)は、取り組みが広く進んでいるなかでも引き続き高い注力意向が示されており、安定した需要が継続する領域である。

※1. フロントヤードとは窓口での受付業務や相談業務、住民が利用する庁舎内スペースなど、住民と行政が直接関わるあらゆる接点をさす。

2.注目トピック

フロントヤード改革の取組状況 今後は「ワンストップ窓口」や「書かない窓口」が高い意欲

成長領域の一つであるフロントヤード改革は、住民と行政との接点(フロントヤード)のあり方を抜本的に見直し、デジタル技術を活用することで住民の利便性向上と職員の業務効率化を同時に実現する取り組みである。「書かせない(手書きで書類を記入する手間を省く)」「待たせない(待ち時間を最小化する)」「迷わせない(必要な手続きを自動的に案内するナビゲーション機能の提供)」「行かせない(行政手続きのオンライン化や窓口業務の代替拠点の活用)」行政サービスの実現を目指し、自治体DX推進計画の重点取組事項の筆頭に位置づけられている。今後の注力意向が86.2%に達する一方、現在の取組済み割合は37.6%にとどまっており、今後の対応意欲の高い領域である。

フロントヤード改革について、取り組み内容別※2にみると、現下、実装済みと回答した割合が高いのは「証明書のコンビニ交付」(84.7%)、「行政手続きのオンライン化」(73.6%)、「キャッシュレス決済」(68.1%)であり、これらは広く普及した取り組みといえる。一方、「リモート窓口」(13.1%)、「移動窓口」(14.3%)は実装済みの割合が低く、「実装予定なし」と回答した割合がそれぞれ58.7%、67.6%に達しており、普及が限定的な取り組みであることがうかがえる。

今後の実装予定・検討中と回答した割合が高いのは「ワンストップ窓口」(36.3%)、「書かない窓口」(34.6%)であり、「手続き案内システム」(30.0%)、「AIチャットボット」(28.4%)、「リモート窓口」(28.2%)が続く。既に普及した取り組みの次の段階として、住民に対する円滑で利便性の高い行政サービス体制の改善や、来庁を前提としない住民対応の実現に向けた取り組みへの関心が高まっている。

※2. 調査時期:2025年11月~2026年1月末、調査(集計)対象:全国の自治体(市区町村)354自治体、なお各設問項目により回答した自治体数(n数)は異なる、調査方法:郵送アンケートおよび電話アンケート調査、設問項目ごとに「実装済み」「今後実装予定/実装検討中」「実装予定なし」の3択より単数回答

出典資料について

2026年版 アフター標準化に向けた自治体ソリューションの実態と展望

発刊日:2026年03月30日 体裁:A4 274ページ
価格(税込): 198,000円 (本体価格 180,000円)
※本プレスリリースに一部のオリジナル情報を加えたショートレポートもご購入いただけます。

調査要綱

1.調査期間: 2025年11月~2026年3月
2.調査対象: 全国の自治体(市区町村)354自治体
3.調査方法: 郵送アンケート、電話アンケート調査および文献調査併用

<自治体DXに関するアンケート調査とは>

本調査は2025年11月~2026年1月末に全国の自治体(市区町村)354自治体に対してアンケート調査を実施し、自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み状況について、住民記録、税務、福祉等の20業務における基幹業務システム標準化が進むなかでの現況と、標準化対応後に注力意向の高い領域を比較しながら分析した。ここでは一部の分析結果を公表する。

自治体DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、地方公共団体が情報通信技術(ICT)やデータを活用することで、行政サービスの利便性向上・業務効率化・地域課題の解決を実現する取り組みの総体を指す。本調査においては、自治体職員向けの庁内業務DX、フロントヤード※改革、セキュリティ、地域社会DX、マイナンバーカード、公金収納におけるeLTAXなどを含むものとする。

※フロントヤードとは窓口での受付業務や相談業務、住民が利用する庁舎内スペースなど、住民と行政が直接関わるあらゆる接点をさす。

<市場に含まれる商品・サービス>

基幹業務システム、自治体DX、フロントヤード改革、庁内業務DX、地域社会DXなど

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