プレスリリース
No.4094
2026/04/24
スマート農業に関する調査を実施(2025年)

2025年度のスマート農業の国内市場規模は455億円の見込
~本州でもスマート農機が普及拡大~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内におけるスマート農業市場を調査し、市場規模、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

スマート農業国内市場規模推移と予測
スマート農業国内市場規模推移と予測

1.市場概況

2025年度のスマート農業の国内市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比115.2%の455億200万円の見込みである。

2025年度は、米価高騰により生産者の所得向上の期待感から設備投資意欲が回復したこと、スマート農機導入に関する補助事業や、自動化システムを支えるインフラ整備(RTK基地局等)が全国的に進み、特に大規模生産者を中心にスマート農機(GPSガイダンスシステム、自動操舵、ロボット農機システム等)の導入が進み、全国的に普及している。

2.注目トピック

衛星リモートセンシングが普及拡大

ここ数年、衛星によるリモートセンシングのソリューションが国内でも普及しつつある。普及している背景には、①気候変動・異常気象でリスクが増加(早期のストレス把握や被害範囲の把握で衛星モートセンシングのニーズが高まった)、②化学肥料の高騰(衛星リモートセンシングを利用し、肥料の散布ムラを把握し、肥料の施肥量を適正にしたい)、③圃場の「巡回コスト」が限界(人手不足・圃場の大規模化により、見回るのが限界に)等があげられる。

こうした背景の下、参入企業からは衛星リモートセンシングを活用したソリューションの上市が相次いでいる。

一方で、衛星画像は、中山間地域は通信インフラが脆弱のため、画像の精度が低下する課題も抱えている。今後、通信網の高速化や、みちびき衛星の精度向上により、全国的に衛星画像を利用したリモートセンシングは普及拡大すると見られる。

​​また、今後は生産者だけでなく、自治体や金融機関、農業資材会社などにも衛星リモートセンシングは普及が進むと見られる。

3.将来展望

2031年度のスマート農業の国内市場規模は969億400万円まで拡大すると予測する。

スマート農業は生産現場のみ領域では小さい市場であるが、スマート農業技術で取得したデータをAIによって分析・加工することで、農業・食品関連業界向けに新たなサービスに発展させる可能性があり、大きな市場を創造することができる。スマート農業の可能性は非常に大きく、生産者、農業資材メーカー、農業関連団体(JA・自治体等)、スマート農業参入企業、食品関連事業者等はより一層の連携・協業しながら、その可能性に向けて取組む必要がある。

今後、多様なプレーヤーがスマート農業市場に参画連携することで国内・海外が抱えている食糧課題を解決し、そして急速に拡大する世界の食市場を、日本版スマート農業で取込むことができる。

出典資料について

2026年版 スマート農業の現状と将来展望 ~省力化・高品質生産を実現する農業IoT・精密農業・農業ロボットの方向性~

発刊日:2026年03月26日 体裁:A4 646ページ
価格(税込): 220,000円 (本体価格 200,000円)
※本プレスリリースに一部のオリジナル情報を加えたショートレポートもご購入いただけます。

調査要綱

1.調査期間: 2025年6月~2026年3月
2.調査対象: スマート農業参入事業者、農業生産法人<水稲 / 農園芸(野菜・果樹)>、関連団体・協会、管轄官庁等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・e-mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用

<スマート農業市場とは>

本調査におけるスマート農業とは従来からの農業技術と情報通信技術を連携させることで、更なる生産の効率化や農作物の高付加価値化を目指すものであり、農業の生産から販売まで情報通信技術を活用した、高い農業生産性やコスト削減、食の安全性や労働の安全等を実現するものである。


対象分野は①栽培支援ソリューション、②販売支援ソリューション、③経営支援ソリューション、④精密農業、⑤衛星リモートセンシング、⑥農業用ドローンソリューション、⑦農業用ロボットである。


​なお、国内市場を対象とし、事業者売上高ベースで市場規模を算出した。市場規模には、農業向けPOSシステム、農機・ドローンなどのハードウェアは含まれていない。

<市場に含まれる商品・サービス>

①栽培支援ソリューション(農業クラウド、複合環境制御装置、スマート水管理システム)、②販売支援ソリューション[農作物の販売先(食品関連事業者・JA)の業務をICTで軽減するシステム、気象データなどを利用した販売支援サービス、等]、③経営支援ソリューション(農業向け会計ソフト、農業法人向け会計支援サービス、気象データなどを利用した経営支援サービス、等)、④精密農業[GPSガイダンスシステム、自動操舵、ロボット農機システム(スマート田植え機システム、ロボットトラクター)、等)、⑤衛星リモートセンシング(人工衛星に搭載されたセンサーを用いて、圃場の見える化をし、生育ムラの特定、収穫適期の判断、倒伏や病害虫の検知等を把握するソリューション)、⑥農業用ドローン ソリューション(ドローンを利用した農薬・肥料散布サービス、ドローンを利用したセンシング・モニタリングサービス、等。ドローンのハードウェアは含まない)、⑦農業用ロボット[設備型ロボット(接ぎ木ロボット等)、マニピュレータ型ロボット(収穫ロボット等)、アシスト型ロボット(パワーアシストスーツ等)]

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